【けいおん×ココロコ】唯「…あいつは誰なの?」永瀬「…そ、それは…」
2 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:43:52.28 ID:sx+5cGJDo
永瀬(あの嵐のような高校生活が過ぎて、もう5年…)
永瀬(高校教師としての社会人生活が始まる)
永瀬(今日は稲葉んとお茶会中だ)
稲葉「で、プロ教師としての一年目はどんなとこなんだ?」
永瀬「女子高だよ!」
稲葉「うわぁ…そりゃ大変だな」ニヤニヤ
永瀬「何その反応…別に何もしないし」ハハ
永瀬「でも私的にはありがたいかな」
稲葉「え?なんで」キョトン
永瀬「だって、私進路相談の先生だよ?」
稲葉「うん」
永瀬「共学だったら恋愛ごととか相談されそうじゃん」
永瀬「例えば、三角関係とか…」ニヤ
稲葉「おい」チョップ
3 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:44:47.22 ID:sx+5cGJDo
稲葉「まったく…」
稲葉「学園祭とかの時見物に行くからな?」カクゴシトケヨ?
永瀬「え」
稲葉「というわけだから、高校の名前教えとけよ」
稲葉「冗談じゃなくて、ヤツらが来るかもしれない…」ウツムク
永瀬「…うん、注意しとく」
稲葉「で、何て学校だ?」
永瀬「え~と、」
永瀬「桜が丘女子高等学校てとこだよ!」
4 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:45:41.26 ID:sx+5cGJDo
永瀬(入学式とか始業式とか終わったけど…)
永瀬「やることない!」
永瀬(進路相談の先生で常勤て普通ないのは
永瀬(最近の子達は相談に来ないから?)
永瀬(いや、まてまだ4月なのに悩み持ってる子いたら
永瀬(それはそれでマズイのか?)
コンコン…ガチャ
永瀬「は、はい!」
さわ子「ごめん、驚かせちゃった?」クス
永瀬「さわ子先生ですか」モォー
5 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:46:24.57 ID:sx+5cGJDo
永瀬(さわ子先生はごっさんの知り合いということもあり
永瀬(赴任する前から善くしてもらっている)
永瀬(もう、飲みにも何回か行った)
永瀬(ただ…)
さわ子「伊織先生、このお菓子貰っていい?」ゴソ
永瀬(進路相談室にサボりにきてるんじゃないのか?)
6 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:46:59.95 ID:sx+5cGJDo
さわ子「いや、今日はサボろうと思ってきたわけじゃないのよ」
永瀬「いつもはサボりだったんですか」ハハッ
さわ子「あ、本音が」
さわ子「そうじゃなくて、今日は伝えたいことがあって」
永瀬「はい?」
さわ子「おととい、一年生が二人軽音部に入部希望できたのよ」
永瀬「確か…廃部寸前の?」
7 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/23(金) 23:47:50.64 ID:sx+5cGJDo
さわ子「そうそう、それで、
さわ子「うちの学校、四人いないといけないじゃない?」
さわ子「一人見つかったみたいだけど…」
さわ子「だから、迷ってるって子がきたら
さわ子「それとなく、薦めてくれない?」
永瀬「はぁ、わかりました」
さわ子「ありがと、私次授業だから、じゃあね」ノシ
ガチャ
永瀬「部活…か」
15 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/24(土) 23:23:21.36 id:yjYhpAn6o
唯(こんにちわ、平沢唯です。)
唯(入学してもう二週間がたちますが…)
唯「う~ん」ヘナー
和「どうしたの?唯」
唯「あ、和ちゃん…実はまだ部活決めてなくて…」
和「え!?もう学校始まって二週間経ってるのよ?」
唯「でも、私、運動音痴だし、文科系の部活もよくわからないし」
和「帰宅部じゃだめなの?」ソウイッテミレバ
唯「高校生だよ?青春したいじゃん」
唯「やっぱり何かしたい!」
16 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/24(土) 23:24:44.73 id:yjYhpAn6o
和「だからって適当に入部するわけにもいかないし…」
和「進路相談の永瀬先生のとこ行ってみる?」
唯「何それ?」
和「この前生徒会の子と一緒に行ったんだけど」
和「可愛くて若い先生だし…」
和「何かアドバイスくれるかもよ?」
17 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/24(土) 23:26:03.35 id:yjYhpAn6o
コンコン
永瀬「はーい」
和「永瀬先生、こんいちわ」
永瀬「和ちゃん!こんにちわ」
唯「えと…」
永瀬「そちらは?」
和「私の幼馴染の唯です」
唯「始めまして、平沢唯です」ペコリ
永瀬「こんにちわ、永瀬伊織です」ペコリ
唯(何かかわいい人だなぁ)
永瀬(この子…何かキャラかぶってね?)
18 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/24(土) 23:27:31.13 id:yjYhpAn6o
和「実は…ゴニョゴニョ…」
永瀬「なるほど…唯ちゃんはどんな部活がいいのかな?」
唯「え~と、楽しく、仲良くできる部活がいいなぁ」
永瀬「ふむふむ、どちらかというと文化部?」
唯「運動音痴なので」ハハ
永瀬(それじゃあ…)
永瀬「軽音楽部ってとこが人数が一人足りなくて…」
永瀬「このままじゃ廃部らしいんだよね…」
永瀬「特に決めていないならどう?」
唯「ケイオンガクブ?」
唯「よくわかんないけど、やってみようかな!」
和「唯、楽器できるの?」
唯「カ、カスタネットとか…」
19 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/24(土) 23:28:52.14 id:yjYhpAn6o
唯「伊織ん先生~、放課後付いてきてくれませんか~?」
永瀬「いいけど…」
永瀬(あだ名のつけ方もかぶってるし…)
和「私からもよろしくお願いします…」
和「この子、一人だとあらぬ誤解とかうけちゃいそうだし」ハァ
唯「そんなことないよ!私はできる子なのです」キリッ
永瀬「じゃあ、付いてこなくていい?」ニヤニヤ
唯「すいません、付いてきてください」
22 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:26:45.63 id:IdkG7TITo
(放課後)
唯「先生、帰ろうとしてなかった?」ジト
永瀬「そう?気のせい、気のせい」ニヤニヤ
永瀬(軽音部か…私、音楽とかよくわからんのだが…)
永瀬「音楽室だったよね?」
唯「うん、何か不安になってきた…」ウツ
永瀬「大丈夫!同学年の子なんだから」
唯「そうだね!」
23 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:28:09.50 id:IdkG7TITo
(一方、音楽室)
律「ヤバイ!部員が見つからない!!」アセアセ
澪「だから言っただろう? やっぱり私は文芸部に…」
紬「まぁまぁ、きっときますよ」
コンコン
律澪紬『!? はい!!』
ガチャ
永瀬「こんにちわ、軽音部であってる?」
永瀬「入部希望の子連れてきたんだけど」
律「本当ですか!?と、その前に…どなた?」キョトン
24 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:29:52.24 id:IdkG7TITo
永瀬(やっぱり知名度低いのね…)
永瀬「進路相談の永瀬伊織だよ」ハハハ
永瀬「部活決めれなくて悩む子がいたから…」
唯「え…と、その…」モジモジ
永瀬「唯ちゃん、何してるの?こっちこっち」テマネキ
唯「えと、平沢唯です、こ、こんにちわ」
澪「平沢さん、本当に入部希望なのか…?」
唯「うん、ただ伊織ん先生に薦められて」エヘヘ
永瀬(そのあだ名定着させる気なのかな?)
紬「先生、なんで平沢さんを軽音部に連れてきたんですか?」
永瀬「音楽の山中先生に頼まれててね…
律「ありがたや、山中先生」
25 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:31:05.68 id:IdkG7TITo
(全員席について)
澪「ところで平沢さんは…」
唯「あ!唯でいいよ!」
澪「ゆ、唯は何か楽器できるの?」
唯「…」
唯「…」
永瀬「唯ちゃん、見栄張るの止めた方がいいよ」
26 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:31:59.21 id:IdkG7TITo
唯「軽音楽ってギターとかのことだったの!?」キョウガク
律「それすら知らなかったのか」
唯「どうしよう、私できるかな…」
律澪紬(どうにかしてフォローしないと…)
澪「じゃ、じゃあ一度私たちの演奏を聴いてみないか?」
律「そ、そうだ、それから決めてよ」
唯「え!演奏してくれるの!」wktk
永瀬「期待してるね」wktk
澪(二人ともハードルあげないで)
27 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:33:03.68 id:IdkG7TITo
(演奏中)
~~~~♪
唯・永瀬「おおぉー」パチパチ
律澪紬「…!」ニパァ
唯「皆さん…」
唯「あんまりうまくないですね!」
律澪紬コケッ
永瀬(正直に言っちゃいけないでしょ)ハハ
唯「でも、何か楽しそうな雰囲気は伝わってきました」
唯「私、入部します!」
律「やったー」バンザーイ
澪「ありがとう!これからがんばろう!」ガチッ
唯「あ、でも私楽器できないし…」
唯「マネージャーとかどうかな?」
律「運動部じゃないんだから」ハハハ
28 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:34:09.70 id:IdkG7TITo
紬「そうだ!この際ギターしてみたらどう?」
澪「そうだな、この部ギターいないし」
唯「で、でもギターって難しそうなイメージが…」
律「大丈夫!わかるところは教えてあげるし」
唯「そうだね!さっきの演奏聞いたら私にもできる気がしてきた!」
永瀬「失礼だな、おい」ww
29 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/05/31(土) 20:36:00.63 id:IdkG7TITo
永瀬「この部、人数は揃ったけど、顧問はいるの?」ソウイエバ
律澪紬「あ…」
律「そういえば…」
澪「どうしよう…」
唯「そんなの伊織ん先生がやればいいじゃん」
永瀬「え、顧問てやっぱ楽器できないと…」
紬「だ、大丈夫です!お、お菓子もありますよ!」
永瀬「先生を食べ物でつるな!…おいしい」パクッ
律「顧問になれば食べ放題だぞぉ~」コソ
永瀬「で、でも相談室にもお菓子はあるし…」
唯「でもレベルが違うよねぇ」アムアム
永瀬「失礼だな、おい」
永瀬「わかったよ、やるよ、やりゃいいんでしょ!」
律澪紬唯「やったー!」
33 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/02(月) 22:54:24.82 ID:7B4PcQX4o
(進路相談室)
永瀬「……てなわけですよ」
さわ子「へぇ、よかったわ、廃部にならなくて」
永瀬「でも、私顧問にならされたんですけど…」
さわ子「いいじゃない、どうせ暇なんだし」
永瀬「暇じゃないですよ、たまに生徒来てくれるし…」
永瀬「それに、楽器なんかわかんないんですよ」
さわ子「そこは私がたまに見に行ってあげてもいいわよ」
永瀬「さわ子先生って、軽音部のOGでしたよね?」
さわ子「そうよ、これでも上手いのよ?」ナンデシッテル?
永瀬「それはもちろん、ごっさんから聞きましたよ」
さわ子「龍善くん、まさかあなたに…」
永瀬「見ましたよ?」デスデビル
さわ子「あいつ今度あったら…」
永瀬「ごっさんご愁傷さま」
34 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/02(月) 23:00:10.66 ID:7B4PcQX4o
さわ子「ま、いいわ」
さわ子「日取り決めたらおしえて?」イクカラ
永瀬「ありがとうございます、ただ…」
永瀬「唯ちゃん、今日ギター買いに行きますし」
永瀬「まだ先だと思いますよ」ハハハ
さわ子「頑張って学園祭には出て欲しいわね」
永瀬「?どうしてですか?」
さわ子「衣装作りたいのよ」チガサワグ
永瀬「あ、はあ…」?
35 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/02(月) 23:00:50.89 ID:7B4PcQX4o
(放課後)
永瀬「楽器店なんて初めてだな~」
唯「私も~」
律「私はよく来てるよ、なぁ!澪」
澪「律の初めのドラムもここで買ったんだよな」
律「そうそう」
紬「私もよく来るわよ~」チガウイミデ
36 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/02(月) 23:01:39.15 ID:7B4PcQX4o
(10GIA)
カランコロン
店員ラッシャセー
唯「うわぁ!ギターがいっぱい!!」
唯「でも、いろいろありすぎてどれを選べば…」
唯「何か基準とかあるのかな?」
澪「もちろん、音色や重さ色々と…」
澪「女の子は軽いもの選んだ方がいいと…」
唯「あ!このギター可愛い!」
澪(聞いてねぇ)
37 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/02(月) 23:02:32.91 ID:7B4PcQX4o
律「そのギター、15万もするぞ?」タケェ
唯「うわ、ホントだ」5マンジャ…
紬「唯ちゃん、そのギター欲しいの?」
唯コク
紬「少し値切ってくる~」
永瀬(着いて行こう…)
40 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/06(金) 22:54:48.61 id:zweeSdmJo
紬「すいませ~ん」
店員「はい、どうなさいました?」
紬「あのギターまけて欲しいんですけど…」
店員「え、何を…あなた社長の!?」
紬「5万円で売ってくれるって~」
律澪唯『何した!?』
41 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/06(金) 22:56:21.76 id:zweeSdmJo
永瀬(いくら社長の娘でも…やりすぎでは?)
永瀬「すいません、無理言っちゃって…」
店員「いえいえ、いつもお世話になってますから…」
店員「…」
店員「…永瀬?」
永瀬「あれ?もしかして城山君?」
永瀬「こんなところに就職してたとは…」キョウガク
城山「そちらは何してるんだ?」
永瀬「高校の先生、今は部活の付き添い」
城山「へぇ、永瀬らしいな」
永瀬「瀬戸内さんとはどう?」
城山「ぼちぼち、そちらは?」クスクス
永瀬「未だに独り身ですよー」プクー
城山「望みが高すぎるんだよ」ハハ
永瀬「そうかな~?」
42 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/06(金) 22:57:33.57 id:zweeSdmJo
センセー
城山「よんでるぞ?」
永瀬「はーい!…じゃあまたね」
城山「おう、お嬢様によろしく伝えといてくれよ」
……
………
唯「ギター!」
律「よかったな!」
唯「うん!あ、ところで…」
唯「伊織ん先生、店員と何話込んでたの?」
永瀬「うん?高校の同級生でね…」
律「もしかして…元カレ?」フフ
永瀬「違うよ」チョップ
澪「先生、共学だったんですね」
永瀬「そうだぞー、これでもモテてたんだぞ?」
律「でも、独り身…」ボソ
永瀬「うるさい」テイッ
律イテッ
43 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/06(金) 22:58:32.36 id:zweeSdmJo
(数日後)
唯「う~ん…コード難しい…」
永瀬「うわぁ、どうなってんの?」ユビ
さわ子「大丈夫すぐ慣れるから」
律「でも、初心者にしては…」
ガヤガヤ
永瀬(そう言えば来週テストだよなぁ)
44 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/06(金) 22:59:09.46 id:zweeSdmJo
(テスト後)
唯「追試なった~~!」グスグス
永瀬「やっぱりか…」
紬「他のみんなはどうだった?」
律「もちろん、余裕だぜ!」エヘン
澪「前日、私に泣きついたのはだれかなぁ」ニヤニヤ
律「あっ、ばらすなよ!」
48 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:28:27.27 id:ohwnmDroo
永瀬(みんなの協力で唯ちゃん、無事合格したみたいです)
澪「バンドの強化合宿をしよう!!」
唯「合宿?なんで?」キョトン
澪「夏休みが明けたら、学園祭だろう?」
律・唯『が、学園祭!?』
律「私お化け屋敷やりたーい!」
唯「メイド喫茶!!」
永瀬「そうじゃないって」
49 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:29:18.58 id:ohwnmDroo
]
澪「もうバンド組んでかなり経つのに
澪「まだ本格的に練習すらしてない」
澪「これじゃライブできないだろう?」
律「あ~、なるほど」
唯「でも、お金かかるんじゃない?」
澪「ぶ、部費は?」
律「あまりないてか、もらってない」ナンデ?
永瀬(もしかして…)
永瀬「ムギちゃん、別荘とか持ってる?」
紬「ありますよ~」
律・唯・澪『どんだけだよ!!』
50 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:30:08.25 id:ohwnmDroo
(別荘着)
唯「海きれーい」スゲー
律「でけぇ別荘だな」
紬「ごめんねぇ、一番小さいところで」
永瀬「これで一番小さいの!?」
………
……
…
澪「さあ、荷物も置いたし、れn…」
律・唯「海だぁーーー!」
澪「…え、ちょ」
澪「練習を…先生とムギも何か言って…」
紬「二人とも待って~」
永瀬「澪ちゃんも早く着替えたら?」オクレルヨ?
澪「…はい…」
51 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:30:47.63 id:ohwnmDroo
唯・律ワーワー
律「…!」チラ
澪・永瀬「…?」
律「ええーい!!」ボールナゲ
ボスッ
澪「何で?」
永瀬「胸に手当てて考えてみな」
52 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:31:28.88 id:ohwnmDroo
律「遊んだな~」フゥ
永瀬「あれ、練習しなくていいの?」
澪「もう、みんなが遊ぼうとか言うから…」
律「一番楽しそうに遊んでたじゃん」w
………
……
…
澪「さ、練習がんばるぞー!」
オオー!
永瀬「よくわかんないけど、すごいスタジオ…」
律「ホントだ、こんな機材使うの始めてだ」
53 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:32:14.95 id:ohwnmDroo
ジャラーン
紬「すごい!弾けるようになってる!」
唯「えへへ//すごいでしょ?」
澪「あとは細かい技術だけだな」チョーキングトカ
永瀬チョーキング…
永瀬「…」ギュ
律ギブギブ
澪「先生、何やってるんですか…」
54 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:32:56.40 id:ohwnmDroo
(風呂)
唯「気持ちい~」ノビー
澪「これなら心配する必要もなかったな」
紬「唯ちゃんすごくうまくなってたものね」
永瀬・律『だから遊ぼうっていったじゃん!』
澪「先生まで…」
唯「伊織ん先生スタイルいい~」
永瀬「そう//?」テレテレ
律「そうだな~なのになんで」ヒトリミナノカ…
永瀬「りっちゃん、こっちおいで」ピキピキ
55 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:33:57.93 id:ohwnmDroo
(寝室)
律「合宿といえば恋バナだろう!」
唯「私たち女子高だよ?」
律「そこは経験豊富そうな伊織ん先生に」
澪「まだめげてなかったのか」
永瀬「別に経験豊富じゃないし」
永瀬「話すほどのことは…」
紬「私も気になるわ~」
永瀬「ムギちゃんまで…」
56 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/08(日) 22:37:12.18 id:ohwnmDroo
永瀬「て言っても、特にないよ」
永瀬「厳密に付き合ってた人はいないし」
律「厳密に…?」
唯「つまり意中の方はいらっしゃったのですか!」
永瀬(墓穴掘った…)
永瀬「いちよね…大学では誰とも付き合ってないし」
律「ええ~キスしたとかは?」
永瀬「あるともいえる…かな」
澪「どういうことですか?」
永瀬(言えるか!)
律「何ソレ気になる~」
永瀬「あーもうこの話はおしまい!みんな寝る!」
ハーイ…
59 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/09(月) 23:26:35.51 id:x0JxWLiMo
(休暇後、相談室)
永瀬「部活動申請だしてなかった!?」
律「すいませーん!!」
永瀬「もう、で大丈夫だったの?」
唯「うん、和ちゃんが何とかしてくれた!」
永瀬「本当大変ね、和ちゃん…」
60 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/09(月) 23:27:36.89 id:x0JxWLiMo
(放課後)
永瀬(今日はさわ子先生の指導日です)
さわ子「合宿どうだった?」
永瀬「楽しかったですよ、さわ子先生も来られたらよかったのに」
さわ子「いきたかったわよ!」ゴウカナベッソウ…
……
…
ガチャ
ガヤガヤ…
律「あ!ちょうどいいところに!」
唯「さわ子先生ですよね!?」デスデビル
さわ子「…」
永瀬「…」
さわ子「おい、永瀬」
永瀬「わ、私のせいじゃないですよ」
61 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/09(月) 23:28:21.99 id:x0JxWLiMo
紬「先生OGだったんですね!」
澪「でもヘビメタとは…」ハゲシイ
さわ子「せっかくおしとやかキャラで通してきたのに…」
唯「大丈夫!誰にも言わないから!」
律「私たち口堅いし!」
永瀬(うそ臭いなぁ)w
62 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/09(月) 23:28:57.49 id:x0JxWLiMo
さわ子「まあいいわ」ヨクナイケド
さわ子「学園祭でやる曲は決まったの?」
澪「はい、聴いてもらえますか?」
さわ子「やってみなさい」
ジャ ジャーン
澪「と、いう感じのオリジナルなんですけど…」
さわ子「う~ん、細かなテクニックとか
さわ子「色々とあるけど…この曲」
さわ子「歌詞はないの?」
一同「あっ」
65 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 22:57:03.85 id:oU0YhScuo
さわ子「オリジナルってことは歌詞も作らないと…」
澪「あの、歌詞作ってみたんです」
唯「へ!見せて見せて!!」
澪「…で、でも恥ずかしい//」
律「見せなきゃ意味ないだろ」w
澪「う、うん」
66 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 22:58:04.01 id:oU0YhScuo
フワフワタイム
律・さわ子・永瀬「………」
律・さわ子・永瀬(う、うぉーかゆい…)
澪「だ、駄目かな?」ナミダメ
律「い、いやそういうわけじゃ…」
永瀬「唯ちゃんたちはどう思う?」アセアセ
唯「すごくいい~」ウットリ
律(なぜ!?)
律「ムギはどう思う?」
紬ウットリ
律・さわ子・永瀬(超うっとりしてるー!?)
67 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 22:58:50.68 id:oU0YhScuo
永瀬「ま、まぁ歌詞はこれでいいとして
永瀬「誰が歌うの?」
律「そりゃ作者の…」
澪「へ!?私こんな恥ずかしい詩歌えないよ!」
律「おい」ユイヤッテミル?
唯「私歌うまくないし~」ワザトラシク
律「じゃあムギやってみる?」
唯「ごめん、歌いたいです!」
68 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 22:59:27.93 id:oU0YhScuo
澪「やっぱりまだ歌いながら弾けないよなぁ」
さわ子「よし!唯ちゃん!」
唯「はい!!」
さわ子「一週間付きっきりで練習しましょう!」
唯「ホントですか!」ニコニコ
さわ子「まずは歯ギターのやり方から…」
永瀬「あの歌詞のどこで使うんですか」w
69 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:00:38.98 id:oU0YhScuo
(一週間後)
さわ子「みんな!待たせたわね!」ダッ
さわ子「さぁ、唯ちゃん!」
唯コク
ギャイィン!
オオォー
澪「すごい!明らかに上手くなってる!」
唯「…」
唯「ぎみを見でると、いづもハー…」ガラガラ
律「おおおい!?」
70 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:01:40.10 id:oU0YhScuo
さわ子「練習しすぎちゃった/」テヘ
唯「声枯れちゃった/」テヘ ガラガラ
律「ダメじゃん!!」
紬「そんな…じゃあ誰がボーカルを?」
永瀬「そりゃあ作詞者の澪ちゃんが…」
澪「…」
澪プスー
永瀬「み、澪ちゃん!?」
71 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:02:46.12 id:oU0YhScuo
(相談室)
さわ子「よし!衣装作るぞー!」オー
永瀬「…」
さわ子「伊織先生反応薄くない?」
永瀬「いや私裁縫そこまで得意じゃないんですけど…」
さわ子「それでもある程度はできるでしょう?」
永瀬「少しは…」
さわ子「じゃあやるわよ!」
永瀬「…はい…あ!明日は用事があるので付き合えないんですが…」
さわ子「大丈夫!今日中に終わるから!」トイウヨリモウハンブンハオワッテル
永瀬「私が手伝う意味あります?」w
72 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:04:56.47 id:oU0YhScuo
(翌日)
永瀬(昨日はなんとか衣装を作り終えました)ツカレタ
永瀬(放課後、澪ちゃんは一行歌ったら倒れました)ダイジョウブカナ?
永瀬(あと数日で学園祭!頑張って!)
永瀬(それで…今日は昨日話していた用事がある)
永瀬(実は今日の用事というのは… ナント!?
永瀬(海外にいた太一が久々に帰国したので、文研部でパーティーすること!)
73 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:06:15.39 id:oU0YhScuo
(とある駅前)
永瀬ハァハァ
青木「おーい!伊織ちゃーん!」手フリフリ
永瀬「ごめんー!唯!待った!?」サッ…
桐山「ううん、私も今来たところ」
青木「伊織ちゃんサラッと無視しないで!?」
青木「あと唯は今一緒に来たところでしょ!?」
桐山「もう、うるさいなぁ、いつものことでしょう?」ニヤニヤ
永瀬「そうそう、いつものことでしょ?」ニヤニヤ
青木「それはそれで傷つくよ…」
74 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/06/19(木) 23:07:15.01 id:oU0YhScuo
青木「てか、伊織ちゃん学校からそのまま来たの?」スーツダシ
永瀬「うん、学園祭の準備でね…」
桐山「進路相談の先生なのに?」
永瀬「成り行きで部活の顧問になりまして…」
桐山「伊織が!?」
永瀬「その言い方ひどくない?」w
青木「さ、駄弁ってないで、稲葉っちゃん家行こ」
81 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:14:24.16 id:j05dK+R5o
(八重樫邸)
ピンポーン
稲葉「よう、三人とも久しぶり、って伊織はこの前あったな」
青木・桐山「久しぶり~」
永瀬「まあ…久しぶり、太一は?」
稲葉「長旅疲れで朝帰ったら、そのまま寝てる」
桐山「それじゃ、太一お疲れじゃ?」
稲葉「いや、もう10時間は寝てるし大丈夫だって」
八重樫「おう、もう大丈夫」サッ
永瀬「太一!久しぶり」キュウニデテキタ
桐山「そうね、1年ぶりくらい?」
稲葉「うん、さ!立ち話もなんだし、中に」
82 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:15:09.77 id:j05dK+R5o
永瀬「うぉ、すごい料理」
稲葉「へへ、張り切り過ぎちゃった」
桐山「ホントすごいね!」
八重樫「わざわざすまないな」
稲葉「太一のためだったら//」テレテレ
永瀬「初めからデレばんやめろ」
桐山「ご飯も冷めちゃうし、始めようよ!」ハヤクタベタイ…
永瀬「そうだね!じゃあここは、部長の私が…」
八重樫「こういうときに限って部長だすよな…」
永瀬「一言余計!w それではみんなかんぱーい!」
カンパーイ!
83 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:15:49.62 id:j05dK+R5o
青木「そう言えば、勝手に始めちゃったけど、ふたりはこないの?」
稲葉「少し遅れますってlineのグループに来てたぞ」
桐山「義文、見てなかったの?」
青木「仕事中に充電切れてて…」エヘヘ
桐山「電車の中でゲームしてたからでしょ?」
青木「…」
八重樫「お前、少しバカになってないか?」
84 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:17:19.10 id:j05dK+R5o
ピンポーン
青木「ん?誰?」
八重樫「二人が来たんじゃないか?」
ハーイ
ガチャ
円城寺「す、すいません、遅れました~」
宇和「お久しぶりッス」
八重樫「久しぶり、今始めたところだし、大丈夫だよ」
永瀬「久しぶり紫乃ちゃん!」
円城寺「久しぶりです!」
永瀬(何かデジャブ…)
85 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:18:46.19 id:j05dK+R5o
宇和「ところで何の話してたんですか?」
八重樫「まだそれすら始めてないよ」
桐山「太一がどうしてたかはグループで二人が話してたし…
桐山「そうだ!伊織の先生してるって話!」
永瀬「え~わたし?」
円城寺「女子高でしたよね?」
永瀬「うん、そうだよ~」
青木(女子高…)
青木「ねえねえ、伊織ちゃん、百合の子って本当にいるの?」ヨッパライ
永瀬「テンプレな質問するな、いるよ…たぶん」
永瀬(たくあんとか…)
86 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:19:35.70 id:j05dK+R5o
稲葉「それで、何で軽音部の顧問やらになったんだ?」
永瀬「受け手がいなくて…」エヘヘ
宇和「まあ、そんなとこだと思いましたよ」
永瀬「何かムカつく」ム
桐山「でも、楽しいんじゃないの?」
永瀬「そこそこにはね、部員も4人しかいないから…」
永瀬「最近は学園祭の準備で忙しくて」ヤレヤレ
87 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 21:21:26.34 id:j05dK+R5o
円城寺「学園祭ってその子たちがライブするんですか?」
永瀬「そうそう、みんなガチガチに緊張してる」w
稲葉「学園祭か…あ、そう言えば…
稲葉「学園祭のとき遊びに行くって約束だったよな?」
桐山「そんなこと約束してたの?」
永瀬「そうだったね、今週の日曜日だけど…来るの?」
青木「よっしゃ!いこうぜ!」
永瀬「あ、男は招待券ないと入れないから無理」
青木「…」
桐山「紫乃ちゃんは?」
円城寺「すいません、仕事入ってて…」
八重樫「じゃあ二人で行ってきなよ、青木は俺が預かるから」
桐山「よろしく~」
青木「今日俺へのイジリ激しくない?」
89 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:50:23.45 id:j05dK+R5o
(後日、学園祭当日)
稲葉「というわけで、来たけど…」
桐山「本当に女の子ばっかり」
稲葉「これじゃあ、男が招待制なのは納得だな」
稲葉「唯、伊織にlineした?」
桐山「うん、音楽室にきてって、地図付きできた」テカ、ジブンデミロヨ
稲葉「誰かさんの夫みたいに電池を浪費したくないんだよ」
桐山「連絡で使わずして何が携帯よw」
90 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:51:23.16 id:j05dK+R5o
(音楽室)
稲葉「ここか…」
コンコン…
ガチャ
澪「そ、そんな恥ずかしい格好で歌えませんよ~!」
さわ子「そう?これまだ落ち着いてるほうだけど」ホレホレ
永瀬「澪ちゃん、着て見なさいって」ホレホレ
澪「先生たち自分で着替えれますから~!//」ヌガサナイデ~!
桐山「あ………」
稲葉「……」
永瀬「へ?」
稲葉・桐山「……」
シツレイシマシタ
ガチャ
永瀬「ちょ、ちょっとまって!言い訳させて!」
91 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:52:07.51 id:j05dK+R5o
稲葉「一瞬そっちに目覚めてんのかと思ったぞ」
永瀬「少し調子乗ってました…」
さわ子「そうですよ、伊織先生」
律「あんたも一緒にやってたろ?」
唯「伊織ん先生の友達思ったより普通…」ガラガラ
律「伊織ん先生だからこそじゃないか?」
永瀬「…言い返せない」グッ
92 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:52:44.63 id:j05dK+R5o
桐山「もう少しでステージ行かなきゃいけないのに
桐山「お茶なんかしてていいの?」
永瀬「大丈夫!それがウチのモットーですから!」
律・唯 エヘン!
稲葉「いいのか本当に」ヒトリガチガチダゾ
澪「そ、そそそんなことないですよ?」
桐山「ガチガチじゃん」
93 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:53:40.48 id:j05dK+R5o
(しばらくして、講堂客席)
稲葉「伊織、ステージ袖にいなくていいのか?」
永瀬「うん、さわ子先生もいるし」
桐山「あの子たち楽器持つと雰囲気変わるね~」
~♪(演奏中)♪~
稲葉「いや、うまいな!?」
永瀬「何であんだけ練習しないでアレできるのか…」
(演奏後)
澪ミンナアリガトー
稲葉「うまくいってよかった…」
澪 キャッ
ドテッ シマシマ
稲葉・永瀬・桐山・「…///」
永瀬「トラウマものだね…」
94 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/01(火) 22:54:30.02 id:j05dK+R5o
律「いや~みんなお疲れ!
澪「…」グス
律「澪いつまでしょ気てんだよ」ハハ
紬「よかったよ?澪ちゃんの歌」
律「ファンクラブまでできたらしいぞ?」
澪「嬉しくない!!」
ハハハ…
???「……あれは…ちょうどいいんじゃないんですかねぇ…」
98 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/10(木) 17:51:39.76 id:toXZ+ob9o
(音楽室)
唯(こんにちわ!平沢唯です!!)
唯(新歓ライブも終わり、軽音部に仲間が1人増えました!)
唯(その名は…!?)
唯「あずにゃん!!」
梓 ビクッ
梓「なんですか唯先輩、いきなり叫んで」アト、アズニャンッテ…
紬「梓ちゃん、馴染んできたねぇ~」
梓「もぉ~、で今日こそれんsy」
ガチャッ!
律「大変だぁー!!」
99 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/10(木) 17:52:38.71 id:toXZ+ob9o
律「大変だ!!早くみんな席について!!」
唯「どうしたの?そんなに慌てて」
律「とりあえず、座ってくれ」
梓(何このまじめな律先輩…)
…着席…
律「実はな…澪と私が…」
一同 ゴクッ
律「さっき魂が入れ替わってたんだ!!」
…
100 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/10(木) 17:53:34.39 id:toXZ+ob9o
…
梓「は、はぁ~、ドッキリのつもりですか」
唯「完成度低すぎない?」
澪「い、今は入れ替わってないというかその…」
紬「さっき入れ替わってたってこと?」
澪「う、うん…いや、でもそんなことあるわけない」
律「ええぇ!何でさっき確かめたじゃん!?」
澪「だって現実に起きるわけないじゃないか!?」
律「じゃあ、私が職員室に行ってるつもりでトイレに行ってて
律「澪がトイレに行ってるつもりで職員室に行ってたのか?」
澪「そ、そう、きっとそうだ!」
律「それだったら何で私が持ってた書類が職員室前に落ちてたんだよ?」
澪「そ、それは…」
唯「まぁまぁ、考えてもわかんないものはわかんないよ」
唯「それより、ムギちゃんのケーキ食べようよ~!」
紬「今準備するね~」
梓(練習は…)
107 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:46:19.07 id:q2coKJ7Ko
(翌日、放課後)
律「今日もムギのケーキがおいしい~♪」モグ
澪「…結局、昨日のヤツは何だったんだろうな?」
律「やっぱ、何かの間違いだよ、あ~うまい」モグモグ
澪「そうだよな!」
梓「…あの~、そろそろれんs」
唯「あ!、お弁当箱、教室に忘れてきちゃった」トッテクル!
バタンッ
梓「…」
紬「どうしたの?梓ちゃん」
梓「何でもないです…」
108 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:47:27.79 id:q2coKJ7Ko
梓(いい加減練習しないのかなぁ…はぁ…)
次の瞬間、意識が途絶え、
気が付くと、二年生の教室にいた。
梓「あれ、何で私二年生の教室に?」
梓(え、私の声じゃない?どういう…)
梓は自分の体を見て、驚愕した。
梓「ゆ、唯先輩?」
唯(梓)「何で?もしかして昨日の先輩達の…」
憂「あ!お姉ちゃん!」
109 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:48:20.84 id:q2coKJ7Ko
憂「さっき、お弁当箱忘れてたみたいだから、」
憂「お姉ちゃん、もしかして探してた?」ゴメンネ?
唯(梓)……(ヤバイ、どうしよう?)
憂「どうしたの?具合悪いの?」
唯(梓)「いや、そうじゃなくて…」
唯(梓)「ご、ごめん!ちょっと音楽室行ってくる!!」アトデネ
憂「ええ!?お、お姉ちゃん!?」
110 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:49:09.11 id:q2coKJ7Ko
(音楽室)
澪「…これはどういうこと?」
唯(梓)・梓(唯)『入れ替わったみたいです』
律「やっぱり昨日のは本当だったのかよ…」
紬「それって本当なの?」ドコカヘン?
梓(唯)「うん、これがなってみると、『こんな感じか』ていう感じ」ヘラヘラ
澪「どう思う律?」
律「こりゃ完全に入れ替わってるだろ、
律「梓がこんなにヘラヘラしてるの見たことないし、
律「唯がこんなに俯いてるのも見たことない」
澪「本当なのか、誰か説明してくれよ」
律「とは言っても、説明できないよなぁ」
ガチャ
???「…説明してほしいですか…?……」
111 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:50:01.16 id:q2coKJ7Ko
律「え!?さわちゃんいつからいたの?」
さわ子「…さっき」
梓「先生もしかして聞いてました?」モドッテル
さわ子「…まぁ」
澪「どうしたんですか?体調でも…」
紬「澪ちゃん、その人…」
唯「あなたさわちゃんじゃない?」
律・澪・梓『えっ』
112 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/07/29(火) 23:51:03.59 id:q2coKJ7Ko
さわ子「!…お二人はお分かりですか…?」
澪「…え、どういう…」
さわ子「…私はこの人では…ありません…」
さわ子「とりあえず…〈十八番〉とでも…名乗っときます…」
十八番「…みなさんお気づきでしょうが…人格が時々…」
十八番「アトランダムに…移ります…」
律「ちょっと、待て!何でだよ!?」
十八番「…それを話してるじゃないですか…めんどい…」
十八番「ただ人格が変わるのを…観察するだけです…」
十八番「みなさんは普通どおりに…生活してください…」カエッテイイ?
澪「それで納得できるわけ…」
唯「それ…いつ終わるの?」
十八番「そこそこに満足したら…おもしろければ…」
一同「…」
十八番「じゃあ、帰りますね…あと…この人に聞いても意味ないですよ…」
ガチャバタン
一同「…」
116 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:37:03.25 ID:0MXknDHmo
(相談室)
永瀬(アクシデントもあったけど、全体的に学園祭は大成功!)
永瀬(なのに何か最近様子が変です…)
永瀬(みんな早く部活を切り上げるし
永瀬(りっちゃんは絡んでこないし
永瀬(あの唯ちゃんですらよそよそしい)
永瀬「みんなどうしたのかなぁ~」
さわ子「あれじゃない?燃え尽き症候群?」
永瀬「燃え尽きるほど練習もしてないでしょう?」
さわ子「それはそうだけど…」
永瀬「難しいころなのかなぁ」
117 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:38:12.08 ID:0MXknDHmo
(音楽室)
律「…今日、何回入れ替わった?」
紬「私はお昼に唯ちゃんと」
澪「私も昼にムギと」
唯「私は澪ちゃんとだった」
律「これは完璧に人も時間もランダムってことか」
澪「本当に何なんだ?これ」
唯「いつになったらおわるんだろうねぇ…」
律「思ってたよりきついな」
澪「なぁ、やっぱり誰かに相談するとか…」
律「相談の使用がないよ、頭がおかしくなったと思われる」
澪「やっぱり、自然に終わるのを待つしか…」
律「しかし…『おもしろい』って何だろうな」
!!
118 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:39:40.84 ID:0MXknDHmo
律「どうした!?また変わったのか?」
唯(紬)「そうみたいね…」
澪(唯)「うん、澪ちゃん大丈夫…」
ガチャ
一同「!!!」
永瀬「おっす!みんな今日は…」
律「伊織ん先生!ごめん!今日も休みます!」
永瀬「え、ちょっと!」
唯(紬)「すいません」
澪(唯)「ごめん!伊織ん先生!」
タタタ…
永瀬(!!…今、澪ちゃんが伊織ん先生って…)
永瀬(なんだろう…嫌な予感がする…!?)
119 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:40:43.76 ID:0MXknDHmo
プルル…ガチャ
稲葉「もしもし、どうしたんだよ」
永瀬「姫子、今すぐ文研部のみんなを集めて」
稲葉「え?この前集まったばかりだr」
永瀬「いいから早く!」
稲葉「……」
稲葉「…何があった?」
永瀬「もしかしたら、〈あいつら〉が現れたかもしれない」
稲葉「な!?わかった、すぐ家に来るように伝える!」
120 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:44:47.21 ID:0MXknDHmo
(八重樫宅)
稲葉「千尋と紫乃はまだ勤務中だろうから」
永瀬「うん、わかった」
太一「青木たちも着たぞ」
桐山「伊織、いったい何が?」
青木「伊織ちゃん何かされたの!?」
永瀬「ううん、違うよ」
稲葉「てことはあの部活の子達か?」
永瀬「…そうみたい」
稲葉「証拠は?」
永瀬「学園祭明けから何かおかしくなったんだけど
永瀬「何かみんな話さなくなって
永瀬「疲れてるのかな?とおもってたんだけど」
永瀬「そしたら今日私が部室に入った途端に
永瀬「みんな慌てて急いで帰りだして
永瀬「そのときに、いつもは絶対に私のことをあだ名で
永瀬「呼ばない子が私のことをあだ名でよんだんだ」
永瀬「あの状況でボケるとは思えないし、真似ではない」
桐山「許せない…もう現れないっていっときながら
桐山「何事もないかのように来るなんて」
青木「早くその子たちに知らせないと」
稲葉「待て、他人の現象にすぐ立ち入るのは良くない
稲葉「それより本人を、ヤツを見つけて聞くべきだろう?」
八重樫「でも、どうやって?」
121 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:47:00.79 ID:0MXknDHmo
稲葉「伊織の前で現象を起こしてるんだから近くに
稲葉「いるんじゃないのか?」
稲葉「だとしたら、誰かに入っていいから出て来い!」
永瀬「ちょっ、姫子!?」
青木「…」クラッ
一同『!!』
青木(ふ)「…どうも…みなさん…ふうぜんかずら…です…」
122 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:49:05.29 ID:0MXknDHmo
青木(ふ)「先に断っておきますが…私ではありません…」
桐山「えっ」オマエジャナイ?
青木(ふ)「ええ…というより…みなさんとは関わってない…です」
青木(ふ)「言うなれば、みなさんに出会った時と同じ…たまたまです」
永瀬「偶然ってことなの?」
青木(ふ)「ええ…」
稲葉「じゃあ、なぜお前は私達を見張ってた?」
青木(ふ)「お忘れですか…?…自分達の記憶のこと…」
青木(ふ)「やつにばれることが危険なのは…自明です…」
八重樫「じゃあ、手を出すなと?」
永瀬「そんな!?でもいつ終わるか…」
青木(ふ)「大丈夫…です…たぶん」
青木(ふ)「私とは…違うので」
123 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/03(日) 22:50:39.31 ID:0MXknDHmo
桐山「でも、見ているだけって…」
稲葉「じゃあ、逆に、ばれなければやってもいいってことか?」
青木(ふ)「その通りです…」
青木(ふ)「ですので…うまくお願いします…」イツモノゴトク
青木(ふ)「それでは…」
青木コクッ
………
……
…
稲葉「じゃあ、考えるとしようか、対処法」
129 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/21(木) 22:38:56.73 ID:r+pULXlVo
永瀬「とは言っても、何もしないほうがいいのかも」
桐山「え!?いいの?それで…」
永瀬「実際、みんなキツイだろうけど、私たちよりマシだからね」
稲葉「確かに…全員女だし、別に問題ありって風でもないからな」
八重樫「しかし…ならなぜヤツは俺らに『お願い』したのか…」
青木「それは…」
稲葉「とりあえず様子を見るか…」
永瀬「正直、『面白くない』と判断して終われば解決なんだけど」
稲葉「でもヤツなら『おもしろくする』と行動を起こす」
青木「その子たちに接触しているのがどうなのかだな」
130 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/21(木) 22:39:59.32 ID:r+pULXlVo
(翌日)(律の部屋)
律「最近ペース速くないか?」
紬「確かにそんな気もするわ」
澪「はぁ…唯遅いな」
律「確かに、いつもは遅れても2,3分なのに」
梓「電話にもでないですし…」
律「まぁ、寝坊かなんかだろ」ハハ
ガチャ
???「最後ですよ…」
131 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/21(木) 22:40:59.37 ID:r+pULXlVo
律「聡…十八番なのか?」
聡(十)「…はい」
澪「さっき最後って言ったよな?」
聡(十)「ええ…その通りです」
聡(十)「あまり面白くないので、終わりです…」
聡(十)「これから2日間、入れ替わりはおきません」
聡(十)「そして2日後、決断してください…」
律「決断?」
梓「決断っていったい?」
聡(十)「…誰が死ぬかですよ…」
132 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/21(木) 22:41:53.88 ID:r+pULXlVo
律「はぁ!!?」
澪「何言ってるんだ?私たちは誰も怪我してないだろ」
聡(十)「…時期にわかるでしょう…2日で誰が彼女の体と死ぬか」
聡(十)「それでは…」
ガチャ
133 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/21(木) 22:43:08.25 ID:r+pULXlVo
律「馬鹿馬鹿しい、死ぬだとか」
澪「何かおかしかったな、あいつの話し方」
紬「…」
プルル…
梓「あ、私のです、すいません」ウイ?
梓「もしもし」
憂「あ、梓ちゃん!?大変なの!お姉ちゃんが!…」
梓「え」
136 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:29:04.90 ID:/2n5fa38o
梓「…そ、そんな…」バタン
律「おい!?梓!大丈夫か?」ダキ
紬「いったいどうしたの?」
梓「そ、それが…」
梓「…ゆ、唯先輩が事故に遭ったって…」グス
律澪紬『え!?』
澪「う、ウソだろ?」
律「と、とりあえず病院にいこう!!」
紬「ええ、すぐ斉藤を呼ぶわ」ピッ モシモシ
律「梓…大丈夫か?」
梓「…はい」
………
……
(一方)
永瀬(明日こそみんなと…)
プルル
永瀬(さわちゃん?)
永瀬「はい」
さわ子「伊織先生!?大変なの!唯ちゃんが…」
永瀬「え!?…はい、すぐに行きます」ピッ
永瀬(まさか…でもあいつらなら!…)
137 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:29:58.59 ID:/2n5fa38o
(病院)
律「憂!!」
憂「皆さん!」
澪「唯の状態は?」
憂「怪我は少ないんですけど…まだ意識が戻らなくて…」
紬「そんな…」
憂「すいません!私、お姉ちゃんの所行ってきます!」タッタッ
律「よし、私たちも…」
ガシッ
さわ子(十)「…みなさん少し補足をしましょうか…」
律澪紬梓『…!!』
138 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:31:03.10 ID:/2n5fa38o
(待合室)
さわ子(十)「わかりましたか?…『誰が死ぬか』の意味」
律「お前…!!」
紬「これもあなたが?」
さわ子(十)「そう考えて貰っていいです…」
澪「お前は死神か!?」
さわ子(十)「そんな大それたものじゃ…ただ、『人格を入れ替える』のに、
人の命を奪えないと思います?…」
律「…クソッ」
さわ子(十)「それじゃあ、タイムリミットは明日です…
誰の魂が死ぬのか、決めてください。
それと、あとで誰かと平沢さんを入れ替えますので…
皆さんで説明して…」
139 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:32:11.98 ID:/2n5fa38o
梓「…」
澪「…」
紬「…」
律「…私は唯の魂が唯の体と死ぬべきだと思う…」
澪「律…!」
紬「でもそれじゃあ唯ちゃんが!」
律「わかってる!!でも仕方ないだろ…
誰かが変われば互いに苦しい思いをするんだぞ!?
このままってわけにも…」
梓「…本人に聞くしかないんじゃないですか?」
律「そういえばさっきあいつ…」クラッ
律(唯)「…え!?どうしてみんな…あれ、入れ替わってる」
梓「…先輩…!」グス
律(唯)「どうしたの、そんなお葬式みたいな顔して」フフ
紬「唯ちゃん、よく聞いてね…」
澪「…!」
紬「…唯ちゃんの体は明日死ぬの」
律(唯)「…」
140 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:33:06.41 ID:/2n5fa38o
律(唯)「それでか…みんな」
澪「本当にごめん!!」
律(唯)「なんで、澪ちゃんが謝るのさ」ハハッ
律(唯)「そうだよね…事故にあったんだもんね」
梓「…せんぱい」
律(唯)「みんな変に気を使わせて…何かごめん」
「私の体には、私が入る」
「それがきっと一番だよ」
紬「…」
律(唯)「最後にみんな1人1人と話をさせて?」
141 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:34:18.30 ID:/2n5fa38o
澪「梓…お前で最後だ」ウルウル
梓「…はい」
パタンッ
律(唯)「あーずにゃん!!」
梓「う、うわぁ!!な、何ですか先輩!」
律(唯)「最後にあずにゃんの抱き心地を確かめておこうかと…」
梓「こんなときに…」
律(唯)「うん、あずにゃん」
梓「はい」
律(唯)「あまり長くなかったけど、ありがとう」
梓「…わ、私は」
律(唯)「私がいなくても、放課後ティータイムは大丈夫!」
梓「…そうじゃなくて…」
律(唯)「へ?」
梓「私はただもっと先輩といたかったです!!」ボロボロ
律(唯)「…あずにゃん」
梓「練習もしないでお茶ばっかりの先輩でもいいから…」ボロボロ
ギュッ
律(唯)「ごめんね?でも、あずにゃんならきっと大丈夫」
梓「…」
律(唯)「私ももっとみんなといたかったけど、仕方ない」
「でも、誰も悪くないよ、あずにゃんはそのままでいいんだよ」
梓「先輩」ブワッ
142 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:35:14.97 ID:/2n5fa38o
(待合室)
律「…」
澪「…」
紬「…」
梓「…」
ガチャッ
医者「みなさん」
律「!!先生、唯は!!?」ガバッ
梓「どうなったんですか?!」
医者「無事、峠は越えましたよ」
ガチャリ
143 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:36:05.06 ID:/2n5fa38o
律澪紬梓「え」
紬「いったいどうゆう…」
さわ子〈十)「…みなさんすいません、さっきのウソです」コレワビノカシデス
律「はぁ!?」
さわ子(十)「…だって最初に『入れ替わり』だけだって言ったでしょ?」
澪「でもお前、殺せるって…」
さわ子(十)「そんなわけないでしょう…だいたい知らないんですか?」
律「何をだよ?」
さわ子(十)「平沢さんの事故って、園児の三輪車とですよ?」
紬「へ?」
さわ子「逆に殺す方が難しいでしょう?」
梓「なんだ…よかった」
さわ子(十)「まぁ…さっき言ったとおりにこれでおしまいです」ゴキョリョクドウモ
律「おい」
さわ子(十)「なんです?」
律「もうお前はこないんだな?」
さわ子(十)「ええ、おそらくは」
ガチャリ
144 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:36:48.76 ID:/2n5fa38o
(数日後)(病室)
永瀬「もう、びっくりさせないでよ」
唯「ごめんごめん、女の子庇ったら変にこけたみたいで」
永瀬「本当よかった、ちゃんと前見なさいよ」
唯「はーい」
……
…
145 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:37:50.31 ID:/2n5fa38o
(稲葉家)
稲葉「じゃあ、着いたら終わってたのか?」
永瀬「うん、何か意外とあっさり」
桐山「策を練る必要もなかったのね」
八重樫「まぁ、よかったんじゃないか」
稲葉「でも、まだ本当に終わってないかもしれない」
青木「そうそう、警戒してないと」
永瀬「うん、でも何か大丈夫な気がする」
桐山「何で?」
永瀬「みんな何が起きても何とかなりそうだし」
「みんな私たちより、恵まれてるから」
おしまい
147 : ◆Z6W21ZuiL6 [saga]:2014/08/29(金) 23:40:26.16 ID:/2n5fa38o
とりあえず終わりです
説明不足で、遅レスで、スレタイも無視しちゃいました、すいません。
今までお付き合いした方、ありがとうございました。
海原「御坂さん、ご一緒しますよ」美琴(9)「え?」
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:02:14.77 id:ON6xylII0
少し前
初春「白井さん・・・」
黒子「ええ・・・・私少し見つめなおしたいと思いますの・・・」
初春(そりゃぱんつぱくったり盗撮したり一緒にお風呂入ったり寝てる間にペロペロしたり・・・)
初春(それで性的に興奮してるのがバレたらそりゃ捕まりますよ・・・)
黒子「あぁ・・・お嬢様に会えないことを考えると・・・胸が引き裂かれそうですの・・」
初春「こほん、とりあえず美琴ちゃんと健全に接することを覚えるためのカリキュラムを受けるだけですから」
初春「刑務所に入れられるのとは少し違います。だから・・・」
黒子「ええ、お嬢様とまた一緒の部屋で暮らせるように、黒子はこの試練を成し遂げてみせますの」
初春(ダメだこの人、一生ぶち込んでおいたほうがいい・・・)
黒子「それで初春、お願いがありますの」
初春「はい、何ですか?」
黒子「もし私が服役、こほん、カリキュラムを受けている間にお嬢様に危険が迫ったら施設の上空に花火を打ち上げてほしいのですわ」
初春「・・・・わかりました、そのくらいなら協力させてもらいます」
黒子「頼みましたわ」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:09:41.43 id:ON6xylII0
そして現在
美琴「しずりおねえちゃーん!」
麦野「こらこら走るなっての」
美琴「えへへ」
麦野「そんなに走らなくても水着は逃げないわよ」
美琴「はーい」
麦野「お子様ってのは元気ねえ」
美琴「む、もうおこさまじゃないもん!」
麦野「そうねえ、9歳はお子様じゃないわねえ」
美琴「でしょ?」
麦野「人の話をちゃんと聞けるようになればね」
美琴「あたし聞いてるからばっちりだね」
麦野「はいはい」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:16:47.47 id:ON6xylII0
簡単なあらすじ
美琴(9)と同じ部屋で生活していた黒子ちゃんはむぎのんに通報されてムショ(更生)送りにされてしまった
黒子は美琴に風紀委員の仕事で少し寮を離れるとだけ告げて黒子は去っていったが
美琴の周りにはアイテムメンバーや一方通行、極秘に生産されたミサカ一号などいろんな人がいっしょにいるぞ
そして今日も美琴はむぎのんと水着を買いに行くのであった
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:24:38.31 id:ON6xylII0
美琴「みんなは?」
麦野「絹旗は映画、フレンダは妹つれてくるらしくてあとで合流、滝壺は東南東から信号が来たって言ってどっか行ったわ」
美琴「フレンダおねえちゃん妹いたの?」
麦野「そうみたいね、私も知らなかったんだけど」
美琴「あたしと同じくらいかなあ・・・」
麦野「うーん、これはわからないわね、美琴よりも小さいかもしれないし少し上かもしれないし」
麦野「美琴はどっちがいい?」
美琴「あたし妹ほしい!」
麦野「そうかそうか、妹がほしいか」
美琴「うん!一緒にゲコ太で遊ぶの!!あたしがおねえちゃん!!」
麦野「美琴はいいおねえちゃんになれそうだよな」
美琴「もちろん!」フンス
麦野(まあこればっかりは美琴のパパとママにお願いしないとなんともならないのよね)
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:32:17.09 id:ON6xylII0
美琴「いもーと!いもーと!」
麦野「美琴よりも年上だったらどうするの?」
美琴「えー、やだー」
麦野「やだじゃないわよ、こればっかりはどうしょうもないもの」
美琴「ぶー」
麦野「ぶーでもないわ」
美琴「じゃあケロケロ」
麦野「カエルかい」
美琴「あたしゲコ太好きだもん」
麦野「知ってるわよ」
美琴「ケロケロケロケロ」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:41:32.01 id:ON6xylII0
麦野「で、フレンダの妹が美琴より年上だったらどうするの?」
美琴「お友達になってほしいケロー」
麦野「年下なら妹で年上なら友達か、ま、そういうもんよね」
美琴「いもうとがいいケロ」
麦野「それ手でカエルがしゃべってるようにしてるの?」
美琴「ケロ?」
麦野「ま、いいわ」
麦野(せっかくだからカエルのパペットくらい買ってやるか)
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:50:52.11 id:ON6xylII0
ミサカ1号「ねー、あつーいー」
一方通行「うるせェ、夏ってのはそンなもンだ」
ミサカ1号「このままだと溶けちゃいそうなんだけどー」
一方通行「そンときゃ冷蔵庫にでも入れてやる」
ミサカ1号「ぶー」
一方通行「ぶーじゃねえ」
一方通行(クソッ 我慢だァ・・・この汗だくの・・・・吸い付きてェ・・・がっ、だめ・・・・)
一方通行(耐えろォ・・・不屈の精神でェ・・・・今俺は不屈のライオンだァ・・・・)
ギュッ
一方通行「!!!」
ミサカ1号「こうなったらあなたをもっと熱くしてやるー!」ヨジヨジ
一方通行「登るンじゃねェ!!」
一方通行(素数ゥゥゥゥゥゥゥ!!!!早く来てくれェェェェェェ!!!)
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 10:59:46.71 id:ON6xylII0
ミサカ1号「えへへー」
一方通行「あちィ」
ミサカ1号「えー、レディに抱きつかれて言うことがそれ?」
一方通行「少しは汗をなンとかしろォ」
一方通行(みなぎるゥゥゥゥゥゥ!!!!みなぎっちまうゥゥゥゥゥゥ!!!)
ミサカ1号「無理」
一方通行「チッ」
ミサカ1号「涼しくなるところにつれてってくんないとこのままミサカの汗を浴びせてやるからね?」
一方通行「へいへい」
一方通行(これがご褒美かァ・・・膨らみかけの・・・・ やべェ!!!)
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:10:27.92 id:ON6xylII0
一方通行「ほら、早くしろォ」
ミサカ1号「やったー!!だからあなたって大好きー!!」
一方通行「ケッ」
一方通行(これ以上はやべェからなァ・・・・俺の理性がもたねェ・・・)
ミサカ1号「み~ずぎっ!み~ずぎっ!」
一方通行「プールは空いてるとこ探しといてやるから今日は水着で我慢しろよォ?」
ミサカ1号「もちろん!」
一方通行「まァカキ氷くらいなら買ってやる」
ミサカ1号「神様仏様一方通行様~」ナムナム
一方通行「拝むな」
ミサカ1号「えへへ~」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:19:33.92 id:ON6xylII0
麦野「と、いうわけで、ケロケロ言ってる美琴のためにパペットを買ってあげます」
美琴「いいの!?」
麦野「そのほうが楽しいでしょ?」
美琴「うん!!」
麦野「でも私の言うことはちゃんと守るのよ?」
美琴「いつも守ってるもん!」
麦野(守ってなきゃ言わないっての)
麦野「本当かしら?」
美琴「ほ、本当です!!」
麦野「ふーん・・・・」
美琴「・・・・・」ダラダラ
麦野「その汗は何?」
美琴「あついからケロ・・・」ダラダラ
麦野「何で目をそらすのかしら?」
美琴「あ、あついと目をそらすケロ・・・」ダラダラ
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:27:09.72 id:ON6xylII0
麦野「どうして目をそらしちゃうの?」ジー
美琴「あ、熱い視線に耐えられないからケロ・・・」ダラダラ
麦野「私の視線は熱いの?」
美琴「あついケロ!」
麦野「じゃあこのまま美琴をこんがり焼いてあげようかしら?」ジー
美琴「や、やめるケロ・・・」ダラダラ
麦野「なんで?」ジー
美琴「かえるは水の中にいないと死んじゃうケロ・・・」ダラダラ
麦野「じゃあ水の中でみつめてもいい?」
美琴「や、やめるケロ!!」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:36:04.23 id:ON6xylII0
麦野「私に何か隠してる?」ジー
美琴「あう・・・あうあう・・・・」ダラダラ
麦野「なーにをかくしてるのかなー?」ジー
美琴「か、かくしてないケロ・・・・かくしてないケロよ・・・」
麦野「正直に言えばゲコ太のアイス買ってあげるわよ?」
美琴「うっ・・・・」ゴクリ
麦野「何か隠してない?」ニコ
美琴「うぅ・・・最愛おねえちゃんの映画のパンフレットにジュースこぼしました・・・・」
麦野「へ?」
美琴「ジュース飲みながら本よんでごめんなさい・・・・」
麦野「あー・・・・・」
麦野(逆に和むわ・・・)
麦野「えっと、もうやっちゃだめよ?」
美琴「はい!」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:43:53.66 id:ON6xylII0
麦野「じゃあゲコ太のアイス買ってあげるわ」
美琴「いいの!?」
麦野「正直に話したからよ」
美琴「じゃああそこに行こう?」グイグイ
麦野「こらこら、引っ張らないの」
美琴「えへへ」
麦野「まったく・・・」
麦野(とことんお子様ね)
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:52:18.96 id:ON6xylII0
一方通行「なンでコンビニでアイスなンですかァ?」
ミサカ1号「あなたここのチキン好きでしょ?」
一方通行「なン・・・だとォ・・・」
ミサカ1号「それにミサカはこのアイスのシールを集めるのが好きなの」
一方通行「こいつ・・・」
一方通行(俺のことを良く見てるじゃねェか・・・・こりゃァ・・・・)
一方通行(ゴール・・・しても・・・・)
ミサカ1号「あれ!? ちょっとマズいかも!!」
一方通行「どォした?」
ミサカ1号「お姉さまがこっちに来る!!」
一方通行「ン? マジかよ・・・・・」
ミサカ1号「ど、どうしようどうしよう!!」オロオロ
一方通行「慌てるンじゃねェ!!俺に任せろォ!!」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 11:58:08.93 id:ON6xylII0
店員「いらっしゃいませー」
麦野「はー、すずしいわねー」
美琴「ちょっと寒いケロ?」
麦野「うーん、それもいえるわね、じゃあさっさとアイス買いましょうか」
美琴「うん!!」
麦野「あそこみたいね・・・って・・・・」
麦野(何だあの白髪は)
美琴「どうしたの?」
麦野「ま、なんでもないわ、今日はアイスが溶けないうちに選ぶのよ?」
美琴「む・・・・約束できないかも・・・・ケロ」
麦野「約束できないの?」
美琴「ぜ、ぜんしょします・・・ケロ」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 12:06:05.50 id:ON6xylII0
麦野「あらー、困ったわねー」
美琴「と、とけないうちにやるから!!」
麦野「はぁ、開けっ放しにしなければいいだけじゃないの」
美琴「あ!そっか!」
麦野「ゲコ太が好きなのはわかるけどもう少し冷静になりなさい」
美琴「どんまいケロ」
麦野「私に向けて言うことじゃないわ」
美琴「えへへ」
一方通行「よ、よォ・・奇遇だなァ・・・」
美琴「えっ?」
麦野「ん?」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 12:16:07.48 id:ON6xylII0
美琴「やっ」ギュッ
麦野「・・・・あんた誰?」
一方通行「チッ ただの知り合いだ・・・」
一方通行(まだ怖がられるかァ・・・だが・・・・怖がる姿を見てるとなンかゾクゾクしちまうじゃねェか・・・)
ミサカ1号「あ、あの・・・」オズオズ
美琴「いちごちゃん!」
ミサカ1号「ひ、ひさしぶり・・・」ニコッ
美琴「わぁぁ」パァ
麦野「友達?」
美琴「うん!」
ミサカ1号「い、いちごです」ニコッ
一方通行「兄ですゥ」
麦野(これは・・・髪はカツラで・・・目はカラーコンタクト・・・・まさか・・・)
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 12:28:21.63 id:ON6xylII0
ミサカ1号「兄の一方通行です!」
一方通行「それは言わんでいィ」
麦野「一方通行・・・・・まさか・・」
一方通行「気にすンな、よくある名前だ」
麦野「おい」
一方通行「ン?」
麦野「ちょっと表で話しましょうか」ギロッ
一方通行「・・・・あァ」
美琴「しずりおねえちゃん?」
麦野「少し話するだけよ、美琴はいちごちゃんとアイス選んでなさい」
美琴「うん!」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 12:42:31.17 id:ON6xylII0
麦野「あんた、第一位よね?」
一方通行「あァ・・・」
麦野「そしてあんたが連れてるの・・・あれは美琴のクローンで間違いないわね?」
一方通行「・・・・」
麦野「美琴のクローンを作る計画があったことは私も知っているわ、そしてそれがあんたにつぶされたこともね」
一方通行「・・・・」
麦野「あんたは本来美琴のクローンを二万体殺害するつもりだった・・・・なんでやめたのかしら?」
一方通行「おィ」
麦野「ん?」
一方通行「てめェなンぞにベラベラしゃべる必要があンのかァ?」
麦野「別に、あんたの事情なんぞ知ったこっちゃないわ、あたしは美琴に危害を加えるかどうか知りたいだけよ」
一方通行「・・・・・ンなつもりはねェ」
麦野「・・・そう」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 12:54:29.50 id:ON6xylII0
一方通行「ほかに何かあンのか?」
麦野「はあ、わかってないわね」
一方通行「あン?」
麦野「いつまで隠し通すつもり?」
一方通行「・・・・」
麦野「あの子は自分がクローン」一方通行「おィ」
麦野「ん?」
一方通行「てめェに関係あンのか?」
麦野「今のところは何も無いわ・・・今のところはね」
一方通行「・・・・」
麦野「・・・・」
一方通行「あいつもわかってる・・・だからお前がどうこう言うことじゃねェ」
麦野「そう、期待しないでおくわ」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:04:14.12 id:ON6xylII0
美琴「むー・・・・」
ミサカ1号「どれにしようかなぁ・・・」
美琴「あたしこれにする!」
ミサカ1号「え?え?」
美琴「いちごちゃんどれにする?」
ミサカ1号「うぅ・・・決められない・・」
美琴「いちごちゃんゲコ太のシール何枚持ってるの?」
ミサカ1号「えっと・・・えっと・・・13枚」
美琴「全部ばらばら?」
ミサカ1号「ちょっとかぶってるのあるよ」
美琴「じゃあ今度見せて?あたしの余ってるのあげられるかも」
ミサカ1号「本当?」
美琴「本当だよ、でもあたしが持ってないの余ってたら交換してくれる?」
ミサカ1号「いいよ」
美琴「やった、交渉成立ケロ」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:12:02.75 id:ON6xylII0
麦野「決まったー?」
美琴「うん!」
一方通行「お前はどォだ?」
ミサカ1号「ちょっと待って・・・こっちかこっちで悩んでるの・・・」
一方通行「なら二つ買ってやる、持ってこい」
ミサカ1号「二つ買っていいの?」
一方通行「食べるのはひとつだけだ」
ミサカ1号「じゃあもうひとつどうするの?」
一方通行「そいつにやるからいいンだよ」クイッ
麦野「え?私?」
美琴「よかったねしずりおねえちゃん!」
麦野「あれー?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:19:05.88 id:ON6xylII0
麦野「私は別にあんたにアイスなんて買ってもらう理由は無いんだけど?」ペロペロ
一方通行「こいつに二本は多すぎだ、だからてめェが処理しろ」モグモグ
麦野「チキンねえ、そんなに食べると体壊すわよ」
一方通行「ほっとけ」
美琴「うー・・・これもう持ってる・・・」
ミサカ1号「こっちは新しいのだけど・・・これ三枚目・・・・」
美琴「どれ?」
ミサカ1号「これ」ピラッ
美琴「あ、あたしこれもってない!!」
ミサカ1号「じゃあこれあげる」
美琴「じゃ、じゃあお返しにこれあげる!」ピラッ
ミサカ1号「これ持ってないやつ!!」
美琴「トレード成立ケロ!」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:24:06.80 id:ON6xylII0
麦野「さ、早く水着買いに行くわよ?」
美琴「うん」
一方通行「てめェらもか?」
麦野「って言うと・・・」
美琴「いちごちゃんも?」
ミサカ1号「そうなの、この人と水着買いに行くの!」
麦野「・・・・・へぇ」チラッ
一方通行「なンだ?」
麦野「犯罪のにおいがするわね」
一方通行「言ってろ」
一方通行(がっ、正直ババァを見てある程度萎えさせないと・・・ クソッ、落ち着けェ・・・)
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:33:39.47 id:ON6xylII0
麦野「ま、いいわ、一緒に行きましょ」
美琴「いちごちゃんどんなのにする?」
ミサカ1号「うーん・・・かわいいのがいい」
一方通行「動きやすいのにしろよォ?うまく泳げねェぞ?」
麦野「どこのプールに行くつもり?」
一方通行「あン?」
麦野「なんとなくあんたが近づかないようなところにしとこうと思っただけよ」
一方通行「言ってろ」
一方通行(第一位を舐めてやがンな、まァそれはそれでやりようがあるがなァ・・・)
美琴「ねえしずりおねえちゃん、あたしいちごちゃんと一緒に行きたい」
麦野「そう?私はいいわよ」
ミサカ1号「いいの?」
麦野「ええ」チラッ
一方通行「なンで俺を見る?」
麦野「別に」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:45:39.73 id:ON6xylII0
フレンダ「ほら、さっさと行くわけよ」
フレメア「にゃあ!」
フレンダ「そろそろにゃあは卒業しなさい」
フレメア「えー」
フレンダ「えーじゃないわけよ」
フレメア「努力するにゃあ」
フレンダ「ほら、また言った」
フレメア「むー!」
フレンダ「ほらほらふくれないふくれない」
フレメア「意地悪」
フレンダ「これは意地悪ちがうわけよ、全部フレメアのためなんだからね?」
フレメア「おねえちゃんっていっつもそう」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 13:55:14.95 id:ON6xylII0
水着売り場
ミサカ1号「これ着てみたい!」
美琴「あたしはこっち!」
麦野「あのモヤシ意外と素直にどっか行ったわね」
ミサカ1号「ちょっと大きいかな・・・・」
美琴「しずりおねえちゃんはどれにするの?」
麦野「ん?私は自分のやつは持ってるから今日は買わないわよ?」
美琴「そうなんだ、じゃあこれ着てみていい?」
麦野「いいわよ、二人で一緒に着てみなさい」
美琴「はーい!」
ミサカ1号「こっちだよ!」
一方通行「さァて、ここで監視カメラにハッキング・・・動画を転送・・・・録画・・・」
一方通行「ほォ・・・それを選ぶか・・・いいじゃねェか・・・・」
一方通行「楽しみだなァ・・・」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:04:35.35 id:ON6xylII0
フレンダ「あ、麦野」
麦野「あら、遅いじゃない」
フレンダ「まあわがままな妹を持つといろいろ苦労するわけよ」
フレメア「そんなに言ってないにゃあ」
フレンダ「またにゃあ言うか」
フレメア「もう、こうなったらいくらでも言ってやるにゃあにゃあにゃあにゃあ」
麦野「元気な妹ね」
フレンダ「黙ってればかわいいんだけどね」
フレメア「むー、お姉ちゃんうるさすぎるにゃあ」
フレンダ「もう、ちゃんとしなさいっての!」
麦野「こらこらピリピリしない、ちびっこには広い心で接するのが大事よ?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:16:09.61 id:ON6xylII0
美琴「しずりおねーちゃーん!!」
麦野「こら、こういうところで大きな声出さないの」
フレンダ「ほら、あれが話してた美琴よ」
フレメア「私と同じくらいにゃあ」
フレンダ「友達になるといいわけよ」
ミサカ1号「ねえねえ、これ似合ってる?」
フレンダ「あれ?あの子は?」
麦野「美琴の友達だってさ」
フレメア「なんか・・・そっくり?」
麦野「・・・気のせいよ」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:27:49.63 id:ON6xylII0
美琴「あ、フレンダおねえちゃん!」
フレンダ「やっほー、妹連れてきたわよー」
フレメア「にゃあ」
美琴「え?」
美琴(あたしと同じくらい・・・妹はだめかあ・・・・)
麦野「ほらほら沈んでるんじゃないっての、ちゃんと挨拶しなさい」
美琴「はーい」
ミサカ1号「あ、あのあの、私は美琴ちゃんの友達で、いちごって言います!!」アセアセ
フレンダ「フレンダよ、よろしくね」
フレメア「フレメア、にゃあ」
美琴「よろしくねフレメアちゃん」
フレメア「よろしく、美琴、いちご」
ミサカ1号(と、友達が増える・・・やったよ一方通行!!)
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:37:03.38 id:ON6xylII0
一方通行「よかったじゃねェか・・・」
一方通行「あいつが・・・・」
一方通行「いや、これでいいンだ、俺はあいつを守るって決めた」
一方通行「それに・・・」チラッ
とりあえず商品を着てあるきまわっちゃだめなわけよー
はーい
私も切るにゃあ
こらこら騒ぐんじゃないの
次はこれ着てみたい
一方通行「楽しそうじゃねェか」
一方通行(あの二人と・・・フレメアとか言ったな・・・よだれがげふンげふン)
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:44:09.61 id:ON6xylII0
フレメア「これでどうだ!」バーン
フレンダ「我が妹ながら見事なセクシー路線」
麦野「へえ?」
フレンダ「・・・・くそっ」
美琴「おなかまるだし・・・」ペタペタ
フレメア「触っちゃだめにゃあ!」
ミサカ1号「じゃあ背中を」ペタペタ
フレメア「そっちもだめにゃあ!」
美琴「お腹ががら空き!」ペタペタ
フレメア「にゃあ!」
ミサカ1号「今度は背中が!」ペタペタ
フレメア「にゃああああ!!!」
フレンダ「こらこら、仲良くしなさい」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 14:56:05.45 id:ON6xylII0
麦野「美琴ー、あんまりさわぐとパペット買わないわよー?」
美琴「さ、さわぎません!」ビシッ
ミサカ1号「パペット?」
フレメア「助かったにゃあ・・・」
フレンダ「ふふん、姉のつらさがわかったか」
フレメア「これは違うと思うにゃあ」
麦野「ほら美琴、あっちのほうに見えるでしょ?あの中にほしいのある?」
美琴「うーん・・・ゲコ太のやつがいい!」
麦野「そう、それじゃあ静かに水着を選ぶのよ?」
美琴「うん!」
ミサカ1号「うぅ・・・私も欲しい・・・」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:08:15.74 id:ON6xylII0
麦野「あんたも欲しいの?」
ミサカ1号「うん・・」
麦野「あいつに頼んで見なさい、買ってくれるわよ?」
ミサカ1号「でも、外に出る時はねだらないって約束してるから・・」
麦野「そう?あんたが気に入った水着を着ておねだりすれば一発だと思うけど」
ミサカ1号「そうなの?」
麦野「そういうもんよ」
麦野(何を思って一緒に住んでるのか、まあ美琴の件もあってあんまり考えたくはないけど)
麦野(あのくろこちゃんの二の舞になっていないことを祈るばかりね)
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:18:33.95 id:ON6xylII0
麦野「で、決まったの?」
美琴「うん!これにする!」
ミサカ1号「いちごはこれ!」
フレンダ「フレメアは?」
フレメア「これにするにゃあ」
麦野「さーて、会計にしよっかな~?」
一方通行「そろそろ決まったかァ?」
麦野(こいつどっかで見てたわね)
フレンダ「え?誰?」
フレメア「髪真っ白にゃあ」
一方通行「チッ」
一方通行(フレメア・・・なかなか俺ごのげふンげふン)
ミサカ1号「えっと、いちごのお兄ちゃんなの」
フレンダ「マジで?」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:27:49.80 id:ON6xylII0
麦野「それじゃあ次はあれ買うわよ」
美琴「やったー!」
ミサカ1号「ね、ねえねえ」グイグイ
一方通行「ン?」
ミサカ1号「いちごもあれほしい」
一方通行「なンだありゃ」
麦野「手につけて遊ぶ人形よ」
美琴「買ってもらうケロー」パクパク
麦野「今手につけてないけどこうやって遊ぶみたいね」
一方通行「くだらねェ・・・」
一方通行(かわいィ・・・・・)
ミサカ1号「欲しいよぉ・・・・」
一方通行「チッ、好きなの選ンでろ」
ミサカ1号「やったー!」
麦野(はやっ!)
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:35:52.36 id:ON6xylII0
美琴「ケロケロー」
ミサカ1号「ケロケロー」
フレメア「にゃあにゃあ」
フレンダ「何も一緒になって買うことないわけよ」
フレメア「楽しいからいいにゃあ」
麦野「パパったら少し甘いんじゃないの?」
一方通行「だァれがパパだ」
麦野「頼んでもないのに三人分お金出したあんた以外に誰かいる?」
一方通行「だまれババァ」
麦野「よかった、私あんたのストライクゾーンから外れてて」
一方通行「俺は物好きじゃねェンだよ」
麦野「じゃあフレメアは?」
一方通行「・・・・」チラッ
フレメア「にゃあにゃあ」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:43:18.36 id:ON6xylII0
一方通行「・・・・知るか」
麦野(こいつもガチか・・・)
フレンダ「で、買ったのはいいけどどこで泳ぐわけ?」
麦野「それは私が用意するわ、美琴といちごちゃんとフレメアとあたしらの七人ね」
ミサカ1号「いちごもいいの?」
麦野「いいわよ、三人で仲良く遊びなさい」
ミサカ1号「えへへ やったぁ」
一方通行「迷惑かけンじゃねェぞ?」
麦野「パパも来る?」
一方通行「行くか」
一方通行(行きてェに決まってンだろォがああああああ!!!!!)
一方通行(だがそれを口に出したら・・・・)ゴクリ
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:52:07.19 id:ON6xylII0
麦野「じゃ、決まったらまた連絡するわ、フレンダ、滝壺と絹旗にも伝えといて」
フレンダ「はいはーい」ポチポチ
美琴「いちごちゃんにはあたしが連絡するケロー」
ミサカ1号「うん!待ってるケロー」
フレメア「たのしみにゃあ」
麦野「あら、パパったら何にやけてるのかしら?」
一方通行「にやけてねェ」
麦野「行きたいんでしょ?」
一方通行「誘ってやがンのか?」
麦野「いや、ないわ」
一方通行「だったらだまりやがれ」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 15:57:48.08 id:ON6xylII0
麦野「じゃ、私美琴送っていくわ」
フレンダ「私はフレメアを送るわけよ」
一方通行「騒がせたなァ」
美琴「じゃあまたねケロー」
ミサカ1号「ケロー」
フレメア「にゃあ」
麦野「あんた本当に楽しそうね」
美琴「楽しみケロー」
麦野「お子様はお気楽でいいわね」
美琴「しずりおねえちゃん悩みがあるケロー?」
麦野「うーん・・・・ま、どうでもいい悩みしかないわね」
美琴「どんな悩みケロー?」
麦野「美琴も大きくなったらわかるわよ」
美琴「ケロケロケロケロ」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:07:41.42 id:ON6xylII0
美琴「しずりおねえちゃん、あたしちょっとトイレ行ってくる」
麦野「そう?じゃあ水着とそれ預かっておくわ」
美琴「遊んでてもいいよ?」
麦野「やらないわよ」
美琴「楽しいよ?」
麦野「そういう年齢じゃないの、ほら、早く行ってきなさい」
美琴「はーい」
麦野「まったく・・・何が楽しいのかしらね?」
麦野「・・・・・ケロ」ピョコピョコ
麦野「柄じゃないわ」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:13:33.30 id:ON6xylII0
公園
美琴「トイレー、トイレー」トコトコ
海原「御坂さん、ご一緒しますよ」
美琴「え?」
海原「ふふふ」ニコニコ
美琴「誰?」
海原「自分は海原と申します」
美琴「えっと、あたし」海原「御坂美琴さんですよね?」ニコニコ
美琴「そうじゃなくて、あたしトイレに行くの」
海原「ええ、ですからご一緒しますよ?」
美琴「え?」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:24:16.46 id:ON6xylII0
海原「さあ行きましょう、一緒にトイレにさあ早く」
美琴「えっと・・えっとえっと・・・」
海原「ためらう必要はありません、恥ずかしがる必要もありません」
美琴「あ、あのあの・・・」
海原「さあ、見せてください、御坂さんの美しいおし」一方通行「くかきくこけくけくきくきくきこきかかか――――――!!」
美琴「えっ?」
海原「おや?誰ですかあなたは」
一方通行「てめェが誰なンですかァ?」
海原「自分はただ御坂さんとご一緒しようとしているだけですよ」
一方通行「なァにがご一緒だァ?そいつをつれてトイレに行く理由がてめェのどこにあるってンだ?」
海原「理由?そんなものは必要ありません」
一方通行「ほゥ?」
海原「なぜなら自分は御坂さんを愛しているからです」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:33:56.92 id:ON6xylII0
一方通行「愛?」
海原「そうです!」
一方通行「なンですかァ?なンなンですかァ?このふざけたやろォは」
海原「ほう?どこがふざけていると?」
一方通行「てめェの愉快で素敵な頭ン中全部に決まってンだろうがああああああああ!!!!」
海原「どうやら、邪魔をするつもりのようですね」
一方通行「ったりめェだ!!てめェは跡形も無くこの世から消し去ってやンぞおおおおお!!!!!」
麦野「騒がしいと思ったら何してるのよこいつら・・・」
美琴「しずりおねえちゃん!」ダキッ
麦野「よーしよし、ごめんね~一人にして、怖かった?」
美琴「うん・・・・」ギュウ
麦野「大丈夫よ、私がついてるから」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:45:09.29 id:ON6xylII0
麦野「とりあえず馬鹿が騒いでる間にトイレに行ってきなさい」
美琴「一緒に来て?」
麦野「いいわよ、ドアの前であいつらが来ないように見ててあげる」
美琴「ちゃんといてね?」
麦野「任せなさい、じゃ、早く行くわよ」
海原「うおおおおおおお!!!!」
一方通行「はっっはあああああああああ!!!!」
海原「そうか、お前があの一方通行か!!」
一方通行「だとしたら何だってンだ三下ああああああ!!!!」
海原「学園都市に潜入する上で一番警戒しなければならないのがお前だからな!!その対策くらいしてある!!」
一方通行「なら逃げ回ってないでさっさとやってみろやあああああ!!!」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:52:27.98 id:ON6xylII0
施設
黄泉川「さて、ここにパンツがあるじゃん?」
黒子「くんくん、お嬢様の匂いは感じられませんわね」
黄泉川「おい」
黒子「はい?」
黄泉川「いきなりにおいをかぐやつがあるか」
黒子「お嬢様のものかどうかかぎ分けるのではなくて?」
黄泉川「普通はそんな発想しないじゃん?」
黒子「そうですの?お嬢様のでしたら頭にかぶるくらいは余裕ですのに」
黄泉川(だめだこいつ、なんでここに入れられているのかわかってないじゃんよ・・・)
黄泉川(でもあきらめたらだめじゃん、こいつをきっと正しい道に導いてやる!!)
黒子「お嬢様が履くにしてはサイズがいまひとつですわね、もう少しこう、それにデザインが・・・」
黄泉川(やっぱりだめかもしれない)
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 16:59:21.34 id:ON6xylII0
黄泉川「こほん、パンツを用意したのはほかでもないじゃん」
黒子「はい」
黄泉川「そもそもパンツとは嗅ぐものでも頭にかぶるものでもないじゃん?」
黒子「え?そういう使い方も含めてパンツなのではないのですか?」
黄泉川「違うじゃん」
黒子「なるほど、世界はこんなにも狭いものでしたか・・・」
黄泉川「お前がフリーダムすぎるだけじゃん」
ドオオオオオオン
黒子「!!!」
黄泉川「何・・・花火?」
黄泉川「珍しいな・・・・あれ?」キョロキョロ
黄泉川「あいつ・・・どこに行った?」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:09:22.96 id:ON6xylII0
海原「ふう・・・・この程度ですか一方通行」
一方通行「てめ・・ェ・・・」ゼェゼェ
海原「当たる直前にこぶしを引く、これだけで殴り放題だなんてちっとも歯ごたえがありませんね」
一方通行「ふっざけンじゃねェぞおおおおおお!!!!!」
海原「そしてっ!!その単調な攻撃では!!」サッ
海原「自分に攻撃を当てることはできません!!」サッ
一方通行「チッ!!」
海原「あまり派手なことをすれば御坂さんを巻き込んでしまう・・・そのやさしさが自分の身を滅ぼすことになるというのに」
一方通行「あン?てめェなンぞこの程度で十分に決まってンだろうがァ!」
海原「まあこちらとしても御坂さんを傷つけずにお持ち帰りしたいのでその配慮はありがたいのですがね」
一方通行「・・・・お持ち帰りだァ?」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:17:26.99 id:ON6xylII0
海原「そう、始めはこの学園都市にいる幻想殺しが我々アステカにとって脅威となるかどうか見極めるために」
海原「幻想殺しの周囲の人間を調査することにしました・・・するとどうですか・・・」
海原「天使がいるじゃありませんか」
一方通行「・・・・」
海原「もうこれは一目ぼれですよ、その瞬間自分はアステカを捨てて御坂さんを連れて二人だけで山奥でひっそりと暮らそう」
海原「そう心に決めたんです」
一方通行「妄想に浸りすぎてンだよてめェは・・・」
海原「そういいきれますか?」
一方通行「あン?」
海原「彼女と同じ顔をした少女と寝食を共にしてあなたは何を」一方通行「黙れ三下ああああああああああ!!!!」
海原「ふう、会話をするゆとりもありませんか」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:20:44.08 id:ON6xylII0
美琴「おわったよー」ガチャッ
麦野「こっちも大丈夫よ、馬鹿は馬鹿同士でわけのわからないことを語りながら騒いでるだけよ」
美琴「あたしここにいたくない」
麦野「そうね、さっさとここから離れましょうか」
麦野(寮じゃなくて私のところで保護するのがいいかしら・・・それも面倒だけど・・・・)
美琴「あれ?」
麦野「どうしたの?」
美琴「今・・・」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:32:07.41 id:ON6xylII0
一方通行「がっ、ハァ・・・・ハァ・・・・」
海原「懲りない人ですね、あなたでは自分に勝つことはできませんよ?」
一方通行「クッ・・・ソ・・・」
海原「さあ、そろそろ終わりにしましょうか、そうだ、せっかくだからあなたが大事にしているあの少女も連れて行きましょうか」
海原「三人仲良く・・・いいですね・・・」
黒子「あら、それは素敵ですわね」
海原「でしょう?これほどの楽園がこの地上にあると思いますか?」
黒子「ありませんわ、想像しただけで昂ぶってしまいますもの」
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:42:26.49 id:ON6xylII0
黒子「ですが」
海原「えっ!」黒子「それは私がやることですの」メキッ
海原「ごっがああああああああああああ!!!!!!」
一方通行「チッ」
黒子「あらあらあらあら、お嬢様に危機が迫っていると聞いて駆けつけてみればモヤシがいじめられていただけでしたの?」
一方通行「だァれがいじめられてるってェ?」スッ
黒子「ま、泣かされてるに訂正しておいてあげますわ」
一方通行「ケッ」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 17:50:51.69 id:ON6xylII0
海原「馬鹿な・・・なんでここに・・・・入所しているはずじゃ・・」
黒子「私のことを調べたのかまあそれはどうでもいいことですが、お嬢様に危機が迫るというのに」
黒子「この白井黒子がおとなしくしてるわけがありませんの」
海原「こうなったらっ!!」黒子「ら?」ヒュン
ポン
黒子「どうしますの?」
ヒュン
海原「なっ!」
ドスッ!
海原「くっ!!身動きが!!」
黒子「本来なら極刑に値するのですが、まあこのくらいにしておいてあげますわ」
黒子「まあそこのモヤシが報復したいというのなら止めはしませんが」チラッ
一方通行「ケッ」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:00:24.95 id:ON6xylII0
黒子「この程度の相手に苦戦するとなると・・・一日も早くお嬢様の元へ戻らねばなりませんわね」
一方通行「うるせェ、一生ぶちこまれてろ」
黒子「なんで私だけなのでしょうか、私よりもこのモヤシのほうが危険だというのに・・・」
海原「このままで・・・終われるかああああああ!!!!」
轟!!!
黒子「な、何ですの!?」
海原「アステカの秘術を・・・・甘く見ないでもらいたいですねぇ・・・」
一方通行「肉体強化か?体がでかくなっちまってンぞ」
黒子「と、なるとただ殴ったり蹴ったりするだけでは通用しそうもありませんわね」
一方通行「めんどくせェ」
黒子「別に手伝っていただかなくてもいいのですわよ?」
一方通行「てめェこそ俺の邪魔すンじゃねェ」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:09:55.17 id:ON6xylII0
海原「おおおっ!!」ダッ
黒子(早いっ!)ヒュン
海原「後ろだ!!」ブン
メキッ
黒子「くっ!」
一方通行「チッ」
海原「次!!」
一方通行「近づく前にぶっとばしてやらァ!!」トン
海原「はあっ!!」
轟!!!
一方通行「相殺・・・ひとつの能力だけじゃねェってことか・・・」
黒子「ふう、なかなか厄介ですわね」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:16:42.06 id:ON6xylII0
海原「何・・・傷ひとつ負っていないだと・・・・」
黒子「まあ痛くはありましたけど」
海原「馬鹿な、手ごたえはあったというのに!!」
黒子「まあ冥土の土産に教えてあげましょう、私とお嬢様の絆が私を奮い立たせますの」
海原「絆・・・だと・・・」
黒子「そう!これが私とお嬢様の絆ですわ!!」
海原「それは・・・・もしかして・・・」
黒子「お嬢様のおぱんつですわ」
一方通行「さすがだ・・・期待を裏切らねェ・・・」
黒子「そういうあなたも持っているのでしょう?いちごちゃんのパンツを」
一方通行「もちろンだ」
海原「ば、馬鹿なあああああ!!!」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:22:06.15 id:ON6xylII0
海原「だから・・・なのか・・・あれだけ殴られても一方通行が立ち上がってくるのは・・」
黒子「まあ、当然ですわね」
一方通行「あァ」
海原「これが・・・・これがHENTAIの力・・・・」
黒子「この程度で?」
一方通行「お前は何もわかっちゃいねェ」
海原「何!?」
黒子「本気のHENTAIの力というのは・・・このように・・・」
一方通行「頭に・・・」
海原「正気かこいつら・・・・パンツを頭にかぶるだと・・・・」
一方通行「一緒にトイレに入ろうとしたてめェが言うンじゃねェ」
黒子「まあ、なんという外道なのでしょうか」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:28:36.47 id:ON6xylII0
海原「外道!!自分が外道ですって!?そんなふざけた格好をしておいて何を言っているんですか!!」
黒子「私はHENNTAI淑女ですの、愛でることはしても襲うことはしませんわ!!(今のところは)」
一方通行「俺もだ、暖かく見守り困っていたら手を差し伸べる、それだけだァ!!(多分)」
海原「そんな、そんな・・・」
黒子「か弱い女の子を拉致したり襲ったりなどとそれを妄想にとどめておけない貴様のようなやからは」
一方通行「万死に値する!!」
海原「うわ・・うああああああああ!!!!!!」
黒子「行きますわよ!?」
一方通行「あァ!!」
黒子「変!!」
一方通行「態!!」
黒子 一方通行「「女児純愛相思相愛極楽拳!!!!」」
轟!!!
海原「アステカアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
ドオオオオオオオオオオオオン
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:35:47.95 id:ON6xylII0
海原「 」
黒子「さて、私は戻りますのでこいつを風紀委員に突き出しておいてくださいまし」
一方通行「・・・・会っていかねェのか?」
黒子「私はまだ務めを果たしていませんわ、それまでは会わないと決めてますの」
一方通行「そォか」
黒子「ですがまた今回のようにお嬢様に危機が迫ったときは私何度でも出てきますの」
一方通行「ご苦労なこった」
黒子「で・す・の・で、くれぐれも変な気を起こさないでくださいまし」
一方通行「・・・・あァ」
黒子「さて、私はもう行きますの、今回のことで懲りたら体くらい鍛えておくことですわね」
一方通行「言ってろ」
黒子「ふふふ」ヒュン
一方通行「・・・・行ったか」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:39:26.83 id:ON6xylII0
麦野「・・・・・・」
美琴「しずりおねえちゃん、どうなった?」
麦野「あー、まあ悪い人はやっつけられたみたいよ」
美琴「あたしも見たかったなー」
麦野「だめよ、美琴はすぐ真似しちゃうもの」
麦野(頭にパンツ被って戦うってどういうことだよおい)
麦野(ま、まああのいちごちゃんが手出されてないみたいだし・・・うーん・・・悩むところね・・・)
美琴「でもずっと目押さえられてるのちょっとつらいよー?」
麦野「あ、ごめんごめん、すぐに放すわ」
美琴「それで、あれ黒子ちゃんだった?」
麦野「ええ、黒子ちゃんだったわよ」
美琴「久しぶりにお話したかったなー」
麦野「ま、まあ忙しいみたいだったからまた今度にしなさい、ね?」
美琴「うん、今度いっぱいお話するね」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 18:42:49.40 id:ON6xylII0
黄泉川「はあ、どこに行ったじゃんあいつ・・・」
黒子「先生、中座して失礼いたしましたわ」ヒュン
黄泉川「うわっ!」
黒子「あら、目の前にテレポートしてしまいましたわ、驚かせてしまいましたの」
黄泉川「そうじゃないじゃんよ」
黒子「と、おっしゃいますと?」
黄泉川「そのパンツは何じゃん?」
黒子「はっ!!こ、こここここれは!!その、あの・・・」
黒子「パンツを被れば悟りが開けるような気がしたのですわ!!!」
黄泉川「あほかああああ!!!お前は一生ここで暮らすじゃんよおおおお!!!!」
黒子「そんなあああ!!!あんまりですのおおおお!!!」
おわり
澪「おい田井中コラ」律「なんだ秋山コラ」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:04:24.94 id:nlIbLbnO0
澪「お前、何回リズム乱せば気が済むんだボケ」
律「うるせーな、これが私のやり方じゃドアホ」
澪「やり方ちげーだろコラ。どうせ余所見しながらやってただけだろカス」
律「余所見ちげーし。ちゃんと前見てたわマヌケ」
澪「前見てたって……前は私の背中だろうがクズ。背中じゃなくてドラムと楽譜見んかい」
律「うるせぇな。綺麗なお前の黒髪の後ろ姿に思わず見とれたんだから仕方ねぇだろトンチンカン」
澪「ふざけろよテメェ。それ言ったらドラム叩いてる時のお前はエネルギッシュで元気に溢れてて凄く格好いいぞコノヤロー」
律「ありがとよメルヘンお花畑野郎」
澪「どういたしましてデコ助野郎」
唯「素直じゃないねあの二人も」
梓「それ以前に何か言うべきことがあると思います」
紬「わかるそれめっちゃわかる。でも何のことかムギちゃんわかりません」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:14:01.86 id:nlIbLbnO0
律「ムギーお茶にしようぜ」
紬「はーい」
澪「また茶かコラ。少しはまともに練習する気無いのかタコ」
律「うるせー腹が減ってはなんとやらだコノヤロー」
澪「付き合ってられんわ死ね」
律「澪はケーキいらねーとさ。ガトーショコラもーらい」
律「美味いまじ美味い。やばいなにこれ」
澪「……ごくり」
律「あー……? ……チッ」
律「やっぱケーキいいわ。私ダイエットしてたんだった」
律「残すの勿体無いから誰か食ってくんねーかなー?」
唯「私が……」紬「ちょっと黙って」
澪「の、残すとかふざけんなよバカ。仕方無いから私が食べるわ。仕方無いから」
律「どーぞボケ。美味いかボケ」
澪「それはもう美味いぞありがとう凸カチューシャ」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:17:39.77 id:ED3rI6hd0
いいなw
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:23:13.47 id:nlIbLbnO0
澪「さみー……いつまで待たせんだあの黄色は」
澪「いくらなんでも遅ーよ。もう学校始まるぞふざけんな」
澪「あ? 律からメール……」
律『風邪引いた。学校休む。死ね』
澪「死ね。氏ねじゃなくて死ね」
澪「」カチカチ
澪「送信っと」
『お見舞いはゲンコツと桃缶のどっちがいいですかゴミカス』
律の部屋
律「げほげほ……澪からメール返ってきた」
律「前者選ぶ訳ねぇだろアホか。欲を言えばポカリも下さい」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:24:01.56 id:NnVEjYZZP
コラコラ問答か…
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:32:11.89 id:S8JaYhpw0
何これ可愛い
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:33:45.14 id:nlIbLbnO0
澪「風邪引くとかざまーねーなアホ。馬鹿は風邪引かねーんじゃ無いのか」
律「んなの迷信に決まってんじゃんマヌケ」
律「お前あれか、勉強出来るけど頭は弱いとかそういう奴か?」
澪「帰るわ」
律「帰れ」
澪「取りにくいようにお前の対角線上にお見舞い置いておくからなノロマ」
律「勝手にしろ」
澪「桃缶とポカリと良く聞く風邪薬と蒸しタオルと自作のポエム置いてくからな」
律「最後だけいらねぇ、持って帰れバカ」
律「って、もういねぇや。サンキュー澪」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:46:15.04 id:nlIbLbnO0
唯「もうすぐテストかぁ、気が重いや」
律「あーあ言っちゃった。唯さん言っちゃった。テスト開始日まで忘れようとしてたのに」
梓「ダメでしょ……」
澪「普段から真面目に勉強しないからそうなるんだよアホ」
律「黙ってろクズ。やれば出来るっつーのやれば」
澪「ほお? なら結果を楽しみにさせてもらうわド低脳」
律「吠え面かくなよド畜生?」
紬「私が勉強教えてあげようかりっちゃん?」
律「マジ心強いわムギ。百点余裕だなこりゃ」
律「今度の休みに私の家に遊びにきなよ、二人だけで勉強会しようぜ」
紬「ええ♪」
澪「」イラッ
澪「私も行く。特に意味は無いけど」
律「は? 意味わかんね」
澪「行くったら行く。空気読め死ね」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 01:57:23.83 id:nlIbLbnO0
紬「ここにこの公式を当てはめてね……」
律「ふむふむ分かりやすい。どっかのパンモロベーシストとは大違いだな」
律「っていうか、なんでお前までマジで来てんの? 実はお前もテスト不安なの?」
澪「テメェと一緒にすんなタコ。見張りだ見張り」
律「見張りだぁ? なんのだよコラ」
澪「……うるさい黙れシャラップ」
律「……」
律「あっそ。勝手にしろやカス」
律「んなことしなくても私にはお前しか居ないなんて分かりきってんのによ」
澪「!」
澪「……」
澪「用事思い出した帰る死ね」
律「気をつけて帰れ死ね」
紬「尽きる。何か分からないけど尽きるわこれ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:02:22.96 ID:y5+YvWX40
なかなか斬新
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:12:29.09 id:ED3rI6hd0
今日のツンデレスレ。
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:13:17.31 id:nlIbLbnO0
梓「はぁ……」
澪「どうした梓?」
梓「実は憂とくだらないことで喧嘩しちゃいまして……」
梓「悪いのは私だから早く謝らなきゃとは思うんですけど気が重くて」
澪「うーん……辛いよなそれは」
梓「……澪センパイはいつも律センパイと仲良いですよね。喧嘩らしい喧嘩ってしたこと無いんですか?」
澪「冗談だろ、あの凸とは喧嘩しかしたことねーよ」
梓「え? それこそ冗談言うなですよ。あんなに仲良さげにしてるじゃないですか」
澪「は? ねーわ、ナイナイ。あんなカスと仲良くするくらいなら死ぬわ」
梓「いやだって……」
律「帰るぞ秋山コラ。外は寒いから私のマフラーにくるまってけコノヤロー」
澪「いま準備中だコラ。ここに手袋がたまたま2セットあるから一つやるよバカヤロー」
梓「それだよそれ」
唯「あずにゃん一緒に帰ろー」
梓「ちょっと待っててください。もう少しお二人を眺めてから行きます」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:21:13.27 id:Cd6fcbch0
モード切り替え早過ぎワラタ
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:26:53.73 id:nlIbLbnO0
唯「雨降ってきた」
澪「嘘、私カサ持ってきてないぞ」チラッ
律「こっちみんなトンチンカン。実を言うと私も持ってきてないんだよ天気予報のクソッタレ」
澪「はーぁ……使えねー女。おっぱいのカップ数は盛ってるくせにカサは持ってないとか」
律「盛ってねーし! 調子のんなよバーカ!!」
澪「可哀想だな。『無い』って」
梓「その発言は私も敵に回しますよ」
律「へへーんだ! そのぶんスレンダー体系だもんね私!」
律「お前みたいなムチムチデブとは違うんだよ」
紬「」ガタッ
澪「デブじゃねーし! ちょっと……なだけだし!」
律「ざまぁ」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:38:04.46 id:nlIbLbnO0
澪「くそ……ちょっと体の線が細くて綺麗な背中してて顔立ちはもの凄いべっぴんさんに整ってて大きくてキラキラした眼も持ってて前髪下ろすと更に可愛いからって!」
律「チッ……ちょっとおっぱいデカくて水着が映える体型してて釣り上がった瞳がそこはかとなくクールでポニテにすると覗いて見えるうなじが色っぽいからって!」
律 澪「お前なんか大嫌いじゃボケ!!!」
唯「この場合私はどちらにつくべきなのか」
紬「あ、小降りになったわ」
梓「これなら歩いて帰れますね。あの二人はほっといて行きましょうか」
律「大体お前はなぁ……」澪「それ言ったらお前も……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:46:20.28 id:qhkQDeCTO
可愛いだろうがよ・・・・
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:49:33.62 id:nlIbLbnO0
澪「……」カリカリ
澪「……駄目だぁ。なんにも歌詞思いつかない」
澪「スランプに陥ったかもしれないな……考えても考えても動物ネタしか出てこないや」
澪「気分転換にどっか出かけてみるか」PPP
澪「……っとお! そう思った矢先に凸から電話だよ。くだらない用だったら殺す」
澪「もしも死ね」
律『もしも死ね。今暇か? というか暇だろこの暇人』
澪「これから忙しくなるんだよバカ。何の用だコラ」
律『殴り込み行くぞ』
澪「何言ってんだコイツ」
律『殴り込みったら殴り込みだよ。ビビってんの澪ちゅわん?』
澪「ビビるかよアホ今行ってやる調子のんな」ピッ
澪「……」
澪「な、殴り込み??」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:50:56.66 ID:/7T7F2ef0
かちこみ!
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 02:51:43.57 id:EASpf6aw0
ショートシチュエーションの連続と思いきや
いきなり話が展開しはじめたw
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:00:54.39 id:nlIbLbnO0
ゲームセンター
律「うっし! 見ろよ澪、パンチングマシーンで新記録出したぞ」
律「お前にこの記録を越せるかな?」
澪「……『殴り込み』、ね」
澪「もう帰っていいか? 色々やることあるんだわ私」
律「ん? 逃げんのか秋山。だよなぁ、この記録見ちゃったら自信無くすよな」
澪「いーま、なんつったぁ田井中コラ」
澪「こんなもん利き手じゃない右手でも余裕だわ」
澪「ほうらよっと!」バシーン!
澪「はい、新記録~」
律「……マジか」
澪「ごめんねぇ強くてさぁ?」
律「じ、じゃあ今度は音ゲーで勝負だ! これなら……!」
澪「上等だコラ。格の違いを教えてやる」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:14:23.50 id:nlIbLbnO0
律「はぁ……はぁ……くそっ。これで50戦24勝24敗2引き分けか……」
澪「ぜぇ……ぜぇ……なんて無駄な時間を過ごしてしまったんだ」
律「やめたやめた。帰る」
澪「誘っといてそれか死ね」
律「じゃあこれやるよ」
澪「……なんだこれ。不細工なぬいぐるみだな」
律「お前が来る前に暇だから取ったんだ。秋山にはお似合いだろ」
澪「別にいらないし、私の趣味じゃないし、そんな風に言われて渡されても嬉しくないし」
律「いらなきゃその辺に捨てといてくれ」
澪「でもこんな所にこんなゴミ捨てたら怒られるから持って帰る」
律「じゃーなバカ」澪「またねバカ」
澪「……」
澪「(なんか今日は良い詩が書けるかもしれない)」
律「(そりゃ良かった)」
澪「!?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:28:53.34 id:nlIbLbnO0
律「秋山コラ」
澪「なんだ田井中コ……」
律「……ぐすっ」
澪「……なんで泣いてんだよアホ」
律「……」
澪「何か嫌なことあったのか」
律「……おう」
澪「……言ってみろよ」
律「やだ」
澪「はぁ? ふざけ…………いや、いいか」
澪「隣に来い」
律「……命令すんな」すっ
澪「いいから。……辛いならせめて一緒に居てやるってんだよ」
律「……嬉しいよバカ」
澪「だって好きだからな……バカ」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:38:22.78 id:nlIbLbnO0
律「おはよう秋山。良い天気だなカス」
澪「遅い。また風邪でも引いたのかと心配したろうがクズ」
律「ごはんが美味しくて止まらなかったんだよボケ」
澪「ふざけんなコラ。くだらない理由で待たせんな寂しいだろーが」
律「うっせーなデカチチ。これからは気をつけるよコノヤロー」
唯「あ、澪ちゃんとりっちゃんだ! おはよー」
梓「今日もお二人で登校ですか? 仲の良いことで」
紬「ふふ、素晴らしいわ」
律「なんだなんだゾロゾロと」
澪「おはよう」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:46:46.73 id:nlIbLbnO0
唯「偶然と奇跡と運命の巡り合わせが重なって、そこで会ったんだよ」
梓「ご都合……」紬「それ以上はいけません。めっ!」
澪「な、なんか良く分からないけどみんなで一緒に登校するか」
律「めんどくせーけどな畜生」
唯「うん! ……あれ?」
梓「どうかしました? 唯センパイ」
唯「澪ちゃんとりっちゃんが手を繋いでる!!!」
紬「えっえっ? ホントだぁ! //」
唯「ねぇねぇなんで手を繋いでるの? しかもそれ恋人握りってやつだよね?」
律「あ、いやこれは……!」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 03:56:20.97 id:nlIbLbnO0
澪「かかか勘違いすんなコノヤロー。これは田井中が逃げ出さないようにだな……」
唯「逃げ出さないように……なるほど、つまり澪ちゃんはりっちゃんを離したくないほど好きなんだね!」
澪「ち、違う! そういう意味じゃなーい!」
梓「束縛する女は嫌われるというお話がありますけど、そこんとこ律センパイはどうですか?」
律「……//」
澪「あ、赤くなってんじゃねぇ!? バカかコラ!?」
紬「挙式はいつですか?」
澪「しねーよ!」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 04:06:15.98 id:nlIbLbnO0
唯「照れなくたっていいのに」
律「あーもーうるせーうるせー! 澪なんて大嫌いだっつーの!」
澪「私だって大嫌いだこんなデコ助野郎!」
律 澪「お前なんか私と付き合ってその内結婚して子宝に恵まれて暖かい家庭を築いて幸せな日々を送って老後は沢山の孫に囲まれて笑顔で私と一緒に死ねばいいんだよ!!!」
唯「一字一句間違わずに淀みなかったね」
梓「私もう知ーらない」
澪「田井中コラァ!」
律「なんだ秋山コラァ!」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 04:09:37.03 id:qhkQDeCTO
顔がほころんじまうじゃんか・・・
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 04:15:23.36 id:nlIbLbnO0
澪「ずっと一緒に居てくださいいいいい!!!」
澪「あと死ね」
律「ずっと一緒さ澪おおおおお!!!」
律「テメェが死ねボケ」
紬「ねえ二人のこれからを記録してもいい? 大丈夫悪用はしないから。私的利用するだけ!」
律 澪「ふざけんな死ね。こいつの全ては私のものだ」
唯「もう一生やってろや死ね」
おわり
63: sage 投稿日:2012/11/02(金) 04:17:44.35 id:nlIbLbnO0
ねむいねるねむい
グダグダなったのは反省するからねかせて
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 04:19:32.11 id:cGK2QOLq0
>>63
は?ふざけんな死ね!
温かい布団でぐっすり死ね!!
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 04:21:57.75 id:fyxCWpy+0
おつ
いい律澪だった
ハルヒ「キョンく~ん♪」
1 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:13:08.77 iXOp04msO 1/64
キョン「えっ」
ハルヒ「会いたかったんですよぉ…」
ハルヒ「すっごく寂しかったです。」
ハルヒ「キョンくん…あたしのこと、今名前で呼んでくれました?」
キョン「い…いや、いつもそう呼んでるし…」
ハルヒ「何か…うれしい…です」
キョン「???」
3 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:16:19.01 iXOp04msO 2/64
キョン「ハルヒ、お前一体どうしちゃったんだよ?」
キョン「なんか変だぞ。」
ハルヒ「変っていつも通りですけど…」
キョン「もしかして…俺をからかってるのか?」
キョン「その手には乗らんぞ」
ハルヒ「そんな………」
キョン「大体そんなブリッ子しても気持ち悪いだけだ。朝比奈さんならともかく…」
ハルヒ「………」
ハルヒ「……ごめんなさい」ダッ
5 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:22:39.23 iXOp04msO 3/64
キョン(あのハルヒが…泣きながら走り去っていっただと?)
キョン(一体全体…なんなんだよこりゃ)
谷口「おいキョン」
キョン「なんだよ谷口。お前妙に不機嫌そうだが」
谷口「当たり前だろ?何でお前、涼宮さんにあんな酷い口聞いたんだよ」
キョン(………涼宮『さん』?)
キョン「そんなこと言ったらお前だってハルヒのことボロクソに言ってたじゃねえか」
谷口「人聞きの悪いこと言うなよ!俺が…」
谷口(小声で)「俺が…憧れの涼宮さんのこと…ボロクソに言うわけないだろ」
キョン「谷口、お前いきなりどうしたんだよ…変だぞ?ハルヒ共々頭でも打ったか?」
谷口「それはお前の方だ。周りの視線が何よりの証拠だぞ」
男子「………」ジーッ
キョン「……………」
8 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:31:44.49 iXOp04msO 4/64
キョン(ハルヒと言い谷口と言い…)
キョン(一体何だってんだ)
みくる「あっ、キョン君?」
キョン「ああ、朝比奈さん。1年の教室に来るなんて…珍しいですね」
みくる「ちょっと、いいですか?」
キョン(あれ?怒ってる?)
―廊下―
みくる「キョン君、どうして涼宮さんにあんな酷いことを言ったんですか?」
キョン「えっ」
みくる「涼宮さんが気が弱くて言い返せないからって酷いです。」
みくる「涼宮さんはいつもと同じです。おかしいのはキョン君の方です。」
みくる「ちゃんと放課後、謝って下さいね。」
キョン「………」
キョン(朝比奈さんまで……)
10 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:39:52.95 iXOp04msO 5/64
放課後
キョン(一体全体どうなってるってんだ…)
キョン「よお、古泉」
古泉「やあ。今日は大変でしたね」
キョン「全くだよ…ハルヒはおかしいわ、クラスの奴らの視線が痛いわ、朝比奈さんには叱られるわ」
キョン「一体どうなってるってんだか」
古泉「おや、僕は嫌味のつもりだったんですがね。」
キョン「………」
古泉「いくらなんでもあんまりだと思いますよ。」
古泉「しかしあなたは…自分が発言した事自体にはあまり気にも止めていない様ですので」
キョン「あからさまな嫌味とはお前にしちゃ珍しいな」
古泉「ははっ……」
キョン「…………」
11 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:46:57.80 iXOp04msO 6/64
キョン「…………」
古泉「…………」
長門「…………」
…やっぱり変だ。何かが変だ。
ガチャッ
みくる「こんにちはぁ~」
みくる「あれ?涼宮さんは?」
キョン「まだみたいです。今日は日直でしたし」
みくる「そうなんですか…」
みくる「…キョン君。」
キョン「はい?」
みくる「涼宮さんが来たらちゃんと謝って下さいね。」
キョン「いや、でも………」
みくる「ね」
朝比奈さんの目が妙に真剣だった。
みくる「じゃ、私着替えてお茶、入れますね。」
そう言って朝比奈さんはメイド服に着替え出した。
16 : 以下、名... - 2010/02/15(月) 23:54:21.48 iXOp04msO 7/64
バタン
ハルヒ「…………」
みくる「あれ?涼宮さん、来てたんですか?」
ハルヒ「………はい。」
みくる「今、お茶入れますからね。待っててください」
ハルヒ「すいません。今日は私だったのに…」
みくる「気にしないで。さあ、座って?」
そう言って朝比奈さんは、俺の隣の椅子を引いた。
ハルヒは黙りこくったままそこへ座る。
ハルヒ「…………」
キョン「…………」
ハルヒの顔は暗い。葬式の真っ最中か、いやそんなもんじゃない。
今日にも世界が終わるかのような面をしていた。
さっきから古泉と朝比奈さんの視線が突き刺さる。
早くあやまれと言うこと何だろうが、どうも納得がいかん。
今までのハルヒは…俺にだって朝比奈さんにだって、長門や…とりあえず古泉にも
散々俺の発言以上に酷いことをしてきた訳だ。
ハルヒは一度だってきちんと謝ったこともないのに
なぜこの程度で俺が謝らなければならないんだ。
17 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:00:58.04 EnjFCO1FO 8/64
ハルヒ「あの………」
キョン「………どうした」
ハルヒ「さっきは……ごめんなさい」
ハルヒ?なぜお前が謝る?
ハルヒ「キョン君は多分…冗談か何か言ったつもりなんですよね。」
ハルヒ「なのに私が…変な意味にとって事を大きくしちゃって…」
どうした?一体どうしたんだハルヒ?
今までだって、これからだってお前がこんなことを口にするなんて万にひとつもあるわけがない。
…現に口にしてしまってる訳だが
しかし俺は…俺は騙されないぞ
何に?……もちろんハルヒに、だ。
終いにハルヒは泣き出した。
人前で、特に俺の前で涙をながすことなど消してしないだろう女が。
悪い夢なら覚めてくれと思いっきり自分の足を踏みつけたが
どうにも事態は好転しなかった。
19 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:05:24.04 EnjFCO1FO 9/64
キョン「……悪かった」
ハルヒ「……へっ」
キョン「俺が悪かった。すまない。」
女の笑顔は卑怯だ。
謝るしかないじゃないか。
その後さらに卑怯なことに、ハルヒはいきなりパアッと明るくなった。
しかし、ギラギラとやかましい明るさではない。
ポカポカとか…そう言う類いの柔かな明るさだった。
みくる「さあ、仲直り出来たところでお茶が入りましたよ。」
古泉「許して貰えて良かったですね?」
朝比奈さんと古泉の笑いが今の俺にはどうにもこうにも痛い。
長門がいつにも変わらず無表情に本を読んでいてくれたことが救いか。
22 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:13:59.26 EnjFCO1FO 10/64
朝比奈印の甘露を俺とハルヒはほぼ同時にすすった。
……やはり変だ。
違和感は覚えていたがこれで揺るぎないものとなってしまった。
ハルヒは俺をからかってはいない…と思う。
きっと元々ハルヒは「ああ」なのだろう。
谷口達と朝比奈さんと古泉…
彼らの反応とさっきのハルヒが何よりの証拠である。
一体どうしたもんかな…と溜め息を付きそうになると
ふいにハルヒが俺に話しかけて来た。
キョン「なんだ」
ハルヒ「その…今日、一緒に帰りませんか」
キョン「え?」
まずい。この後…皆が帰った後に長門に色々と話を聞くつもりが…
しかし断るにも断れない。
何故なら…朝比奈さんと古泉が無言の何かを俺に叩き付けているからである。
ハルヒ「………だめ?」
決定的瞬間だった。
ハルヒよ。その顔と言い方は反則だろう。
大変な事になってるかも知れないってのに
俺はまるで反射のように即座にオーケーを出してしまった。
24 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:21:29.80 EnjFCO1FO 11/64
みくる「じゃ、後片付けとか鍵締めとかは私達がやっておくんで」
みくる「二人はもう帰って下さい。ね?」
ね?の後に続く言葉は…何だったのだろうか。
ハルヒ「じゃあ…お先に失礼します」
キョン「…ああ。行こうか。」
まあ長門には夜にでも連絡すればいいか…とオレンジよりブルーの比率の方が高い空を見つめながら思った。
外に出るとマフラー、コート、手袋、おまけにホカロンまでしょっていたがやはり寒かった。
マフラーを忘れたハルヒにいたっては…身を縮ませ、プルプル子犬のようにふるえている。
キョン「ほら、風邪引くぞ」
と、お決まりのセリフを言いながら俺はハルヒに自分のマフラーを首に巻いてやった。
26 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:26:40.75 EnjFCO1FO 12/64
ハルヒ「…………!」
ハルヒ「あ……ありがとうございます」
ニッコリと穏やかな笑顔だった。
不覚にも可愛いと感じてしまった自分が憎い。
ハルヒ「じゃあ、いきましょうか」
自転車を引っ張る俺の後ろをちょこちょこハルヒは着いてきていた。
いつもならズンズン前を歩く女が、だ。
どうも気色悪いが、慣れてきてしまっている自分もいた。
キョン「どうした?」
ハルヒ「……早いです」
キョン「……ごめんな」
ハルヒ「いえ…歩くの遅くてごめんなさい。」
29 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:36:42.00 EnjFCO1FO 13/64
何を話したら良いか分からない俺に対しハルヒは…ご丁寧にも
俺とハルヒ(今の)に関して色々喋ってくれた。
ハルヒ「私ね、初めて出来た友達がキョンくんだったんですよ?」
初耳だ。……当たり前だが。
ハルヒ「中学生の時ね、女の子から嫌われちゃってて…お友達、いなかったんです」
今日に限った事ではないがハルヒの顔は絶妙なパーツとバランスで出来てるんだなぁ…などと
妙なことを思ってしまったがまあいい。
ハルヒ「でもね入学した日に話しかけてくれた人がいて…あたし嬉しかったなぁ」
ハルヒ「変な自己紹介しちゃった後だったんで…余計に」
そういってハルヒは少しうつ向いた。
30 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:42:17.54 EnjFCO1FO 14/64
ハルヒ「宇宙人さん、未来人さん、超能力者さんがいたら
お友達になりたいので私のところに来てください」
ハルヒ「なんて…今考えたら恥ずかしくなっちゃいます」
てへへと笑うハルヒ。
…どうにもこうにも調子が狂う。
ハルヒ「そのあとキョンくんが部活を作ってくれて…」
ハルヒ「長門さんや朝比奈さん古泉くん…友達が一気に四人も増えちゃいました。」
キョン「…よかったな」
特に掛けてやれる言葉もなく、俺は笑いながらそう言ってやる事しか出来なかった。
そういや、元のハルヒも孤独っちゃ孤独だったな。
向こうは気にも止めて無かった様だが。
31 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:52:12.40 EnjFCO1FO 15/64
そんな俺達に、二人のヤンキーが絡んできた。
ヤンキー1「よお、よお、そこのにーちゃん」
ヤンキー2「ヒューヒューお熱いねー」
ヤンキー1「可愛いカノジョ連れちゃって生意気だな~」
どうにも…面倒なことになった。
この手の人間は嫌いだが俺の力ではどうにもならない。
いつものハルヒなら「うるさい」とか何とか言って返り討ちにするところ何だろうが…
どうも俺の後ろでプルプル震えていた。
32 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 00:57:13.86 EnjFCO1FO 16/64
ヤンキー1「よーよ、いい日にデートだなぁ」
ヤンキー2「これから彼氏んちでペッティングかー?」
ハルヒの顔がボンッ!と真っ赤になる。
それにしてもペッティングなんて言葉、久々に聞いたな。
ヤンキー1「ねーねーお姉ちゃん、兄ちゃんより俺達楽しませてあげるよ?」
ヤンキー2「一緒に遊ぼ?ね?」
そう言われたハルヒはフルフル頭を振った。
そりゃそうだ。ここで頷く人間など居るわけがない。
ヤンキー1「いいじゃん!」
ヤンキー2「じゃないと彼氏、怪我しちゃうかもよ?」
これは本格的にまずい方向になってきた。
しかしハルヒが頼りにならない以上、俺がなんとかしなけりゃならない。
………やれやれ
36 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:04:08.17 EnjFCO1FO 17/64
バッ!とわざと大きく自転車の方向を切り替える。
ハルヒ「…………えっ」
ハルヒはぼーっと突っ立っている。
…ダメだ、こりゃ。
と思ったものの何故かヤンキー達がフリーズしたように動かない。
その間ハルヒは俺の後ろに乗り、…自転車を走らせた。
(注:この世界では二人乗りは合法です)
39 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:10:56.66 EnjFCO1FO 18/64
ハルヒは見た目とは裏腹に結構体重はあるんだなと、
決して口には出さなかったが思った。
下り坂は寒いが気持ちがいい。
街も一望できて一石二鳥だな。
しかしハルヒは…怖いのかギュッと俺に抱きついていた。
役得と言えば役得か。
俺が助けた…と言えるのか。あれは。
確実に別の力が働いて居ただろうに…。
ボソッと呟くように言った。
が、俺は聞かない振りをしてしまった。
43 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:13:45.37 EnjFCO1FO 19/64
そうやっているうちに、例の踏み切りまで来てしまっていた。
ハルヒはとんっと地面に降りた。
キョン「じゃあな。気をつけて帰れよ。」
手をふって別れようとするとハルヒは俺のコートの裾をちょこんと引っ張った。
何やらハルヒはゴソゴソ鞄の中から何かを取り出そうとしていた。
ハルヒ「…あれっ?ない?ない?」
鞄を道路へ置き、ひっくり返し中身を調べていたようだがどうも見つからない様だ。
ハルヒ「どうしよう……」
今にも泣きそうな面構えだ。
キョン「どうしたんだ?何が無いのか言ってみろ。」
ハルヒ「それは……」
ハルヒ「言えないです……」
似合わずしょんぼりしている。
どうにかしてやりたいとは思うが、
無いものが分からないんじゃどうにも出来ない。
49 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:24:06.17 EnjFCO1FO 20/64
いや、薄々ではあるがハルヒが何を無くしたのか…薄々分かっていた。
というかバレバレだった。
何故なら今日は俺の…
キョン「大丈夫か?」
ハルヒ「あの……」
ハルヒ「ごめんなさい…今のは忘れてくださいっ」ダッ
キョン「あ…ああ…じゃあな。」
非常にしょんぼりしながらもハルヒはもの凄いスピードで走っていった。
50 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:29:12.06 EnjFCO1FO 21/64
その直後、携帯の着信音が鳴った。
表示を見ると…長門だ。
長門「そう。」
長門「確認するが、あなたはもう、気がついてる?」
キョン「………ああ。」
何が?とは敢えて聞き返さなかった。
…とにもかくにも長門は頼りになりそうで良かった。
長門「話がある。私の部屋へ来て。」
キョン「分かった。今から行く。」
ピッと電話を切ったところで、さっきのヤンキーのセリフが思い出される。
俺は顔が熱くなるのを覚えたが構わず自転車を長門のマンションの方向へ回した。
57 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:44:15.62 EnjFCO1FO 22/64
長門の部屋は相も変わらず無機質だったが
それが逆に変なことを意識させず助かると言えば助かる。
いつもの通り長門印のほうじ茶が振る舞われ
俺はそれをチビチビ飲んでいた。
分かっていたが一応念のため尋ねて置いた。
キョン「…そうか。」
長門「涼宮ハルヒの性格が突然変化した。
しかしそれに対して私とあなた以外全員の記憶が操作された為に
それが日常的なものとこの世界では認識されている。」
キョン「つまり…ハルヒが願いを具現化する能力で世界をいじくったって訳か。」
長門「違う。」
………違う?しかし長門、どうみたってこれは…
長門「正確にはまだ涼宮ハルヒによる願望の具現化は完了していない。」
キョン「どう言うことだよ?」
61 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:50:43.86 EnjFCO1FO 23/64
長門「つまり涼宮ハルヒは性格を改変し、かつ周りがそれを受け入れることを願った」
長門「しかし私とあなただけはオリジナルの涼宮ハルヒに関しての記憶を保持し続けている。」
長門「そう」
キョン「……しかし何でだ。」
長門「彼女はあなたが選ぶことを望んだ。」
長門「オリジナルの涼宮ハルヒか、改変された涼宮ハルヒか、を。」
長門「ヤンキーがフリーズしたのも彼女が忘れ物をしたのも予定の内」
「………んなアホな」
と、言いたかったがいつものことだ。
しかし…
キョン「何だってんだ…」
64 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 01:59:00.62 EnjFCO1FO 24/64
キョン「しかし、今回はそう深刻な問題でも無さそうだぞ」
長門「我々にも、古泉一樹にも、多分朝比奈みくるにも影響はないと思われる」
キョン「なら、あのままでいいんじゃないのか?」
キョン「他人に迷惑かけるわけでもなく、何より俺は楽だ。」
長門「…………そう」
長門「オリジナルの涼宮ハルヒと改変された涼宮ハルヒが完全に入れ替わるのは明日の日没」
長門「そうなれば私もあなたも記憶を改変される」
キョン「なら、明日には妙な違和感を覚えなくても済むんだな。」
長門「そう」
長門「…全て元に戻る」
67 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 02:03:49.51 EnjFCO1FO 25/64
長門「全てはあなた次第。」
長門「私はあなたにこの事を話すことによって役目は終えた。」
長門「私は………」
長門は一度、考えたようなそぶりを見せたあと言った。
長門「私はあなたを信じてる。」
どうしてそんな自殺行為同然のことをせにゃいかんのか。
ハルヒは楽しそうだし、朝比奈さんが困るわけでもないなら
今のままがハルヒにとっても皆にとっても俺にとっても良いじゃないか。
いっそ俺の記憶も最初から改変してくれれば良かったのにな…
と、俺は帰り道を自転車でひた走った。
69 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 02:08:10.95 EnjFCO1FO 26/64
翌朝。
教室に入るとハルヒが落ち着かなさげな表情で俺を出迎えた。
俺を見るや否やパアッと笑顔になり、駆け寄ってきた。
ハルヒ「今日、休んだらどうしようって思ってて…」
ハルヒ「でも…良かった」
一度も学校を休んだことのない俺が休む訳もないのだが
本当にハルヒは嬉しそうな顔をしていた。
なんだかムズムズするが、これも今日でおさらばである。
谷口「おうおうっ!今日もお熱いね~」
国木田「喧嘩の後は一番燃えるッていうしね」
どうもこの二人に似た人間を昨日見たような気がする。
70 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 02:11:36.38 EnjFCO1FO 27/64
その後のハルヒもずっとこんな調子だった。
ニコニコしたと思いきや、はぁと溜め息をついたり
オリジナルと同様情緒不安定なのだろうか。
しかし…決定的に違うのは『優しい』のである。
俺が授業中寝ていれば起こしてくれるし
それでもおきなければノートを写させてくれるし
いや、いつもと変わらないと言えば変わらないのだが
気分が良いのである。のと同時にやっぱりムズムズした。
73 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 02:17:34.90 EnjFCO1FO 28/64
そんなこんなで放課後になった。
ブリリアントハルヒ(俺命名)はスペックはオリジナルハルヒとは全く変わらないが
結局女子ともうまく行っている様だったし、
先生にも可愛がられていたし
今日も男子に呼び出された様だが上手く交わしてきた様だし
他のクラスからもハルヒを見にわざわざ男子がやってきたり
一緒に昼飯を食えば俺は羨まれるし
ほとんど完璧と言うか朝比奈さん以上にパーフェクトと言うか…パーペキな人間だった。
しかし何故だろうか。俺は朝比奈さんの方が魅力的に見えてしまうのは。
放課後、日直の仕事を終えて部室に入るとメイド姿の
ブリリアントな朝比奈さんとブリリアントなハルヒが俺を出迎えた。
84 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 04:32:59.12 EnjFCO1FO 29/64
何ともキャラかぶりが激しい気もするが…
みくる「あっキョンくん、終わったんですか?」
キョン「ええ……ってあれ……」
机の上を見ると今日は甘露と…シフォンケーキが置かれていた。
キョン「これは……」
みくる「あたしが今日…焼いてきたんです。」
みくる「キョンくんの誕生日、きのうだったんですよね?ごめんなさい…」
いえいえ。なんとも朝比奈さん特製シフォンケーキが食べられるなんて夢にも思ってませんでした。
87 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 04:39:22.23 EnjFCO1FO 30/64
仲良く二人でお茶を入れる姿はどうもなかよさげな姉妹の様で
ほほえましくもあったが物足りない気もした。
フワッと膨らんだケーキを口に入れると
レモンの良い香りが口の中に広がった。
今日はハルヒが茶を入れたようだが
しかしやはり…なんというか変だ。
どうも朝比奈さんの入れた茶に似てはいるが
パチモンにしか思えないのである
やたらと濃いお茶も悪くは無かったのだが。
そんな顔で聞かれたらそう答えるしかないじゃないか。
88 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 04:47:08.41 EnjFCO1FO 31/64
今のハルヒは可愛げがあって良いが
何と言うか俺自身の一部が欠けた様な気がしてならなかった。
しかしこんな思いをするのは今日だけ。
日が暮れれば記憶なんて…
ハルヒ「大丈夫ですか?」
いや…記憶をハルヒに勝手に掻き回されるのである。
それってどうなんだ?記憶を掻き回すのは『オリジナル』のハルヒだ。
みくる「シフォンケーキ…お口に合いませんでしたか?」
すでに朝比奈さんも
古泉「こんなに美味しいものを食べながらそんな顔なさるなんて…何かありました?」
古泉も
ハルヒ「私のお茶に何かあったんでしょうか…?」
この可愛げのあるハルヒも
またハルヒによって掻き回されている。
なによりこのハルヒが一番不憫な気がする。
ハルヒにとって都合の良い存在であり、無理矢理代わりにされている。
そう思うとなんだか怒りにも似た
良く分からない感情が込み上げてきた。
全くもって…馬鹿げたことしやがる。アイツは。
89 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 04:49:00.48 EnjFCO1FO 32/64
長門「おかわり」
長門は5回目のおかわりコールを唱えていた。
みくる「嬉しいです。長門さんがこんなにたくさん食べてくれるなんて。」
キョン「いや、本当にうまいですよ。」
みくる「キョンくんにそう言ってもらえて早起きした甲斐があったなあ」
ハルヒ「朝比奈さんってお料理上手ですよね。今度私にも教えてください。」
みくる「ええ。ぜひ。それとちょっと涼宮さん…」
ハルヒ「えっ…?」
朝比奈さんはハルヒを部屋の外へ連れ出した。
90 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 04:53:00.60 EnjFCO1FO 33/64
古泉「ふふっ。何をしにいったんでしょうね。」
キョン「さあな。女の考えることは分からん。」
古泉「僕は貴方がうらやましいです。」
キョン「………どこがだ」
古泉「全てです。涼宮さんにあんなにも好かれている。」
キョン「馬鹿なこというな。」
古泉「僕もそんなセリフ、言ってみたいものです。」
そう言えばこの男、オリジナルも好きだなんだといってたな。
今のハルヒなら…なんとなく理解できなくもないが。
古泉「涼宮さんだから…ですかね。」
キョン「………理由になってないぞ」
古泉「つまり僕は涼宮さんが涼宮ハルヒであるから…好意を寄せているんです。」
相も変わらず全く説明にもなっていない。
古泉のこの回りくどい話し方と顔を近づける癖を誰か何とかしてくれないか。
93 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:05:03.86 EnjFCO1FO 34/64
古泉「好意を寄せることにあまり理由はありません」
古泉「例えもしも、です。涼宮さんが今とは違って破天荒な性格であったとしても」
古泉「僕の気持ちは変わらないでしょう。」
古泉「涼宮さんの性格が変わったからと言って僕は彼女を毛嫌いはしません。」
古泉「根底にある部分は同じでしょうし。」
古泉「…少々神人の出現が多くなりそうな気もしますがね。」
苦笑いをしながら古泉はそう答えた。
キョン「結局フィーリングじゃねえか。そんなもん」
古泉「あれこれ理由を付けても仕方がありません。」
そっくりそのままお前に返してやりたいが…
確かに理由なんてないのかも知れない。
原因はあるんだろうけどな。
ハルヒが自分の性格を改変した理由なんてないのかも知れないが
原因はあるのかも知れない。
分かってはいたがそう考えると腑に落ちるような気がした。
別に俺はハルヒが嫌いな訳じゃない。前も。今も。
そりゃオリジナルハルヒはどうしようもない『バカ』ではあるが
嫌いなら関わろうともしなかったし、とっくにSOS団なんて辞めているだろう。
朝比奈さんも古泉も長門もきっと…いや、絶対にそうだ。
しかし、約一名意外な人間がハルヒ自身を嫌っていたのかもしれない。
94 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:13:29.18 EnjFCO1FO 35/64
だから彼女は「辞めた」のだろう。
しかしそんなのは改変後のハルヒが可哀想だとは思わないか?
オリジナルハルヒは意思をもって性格を改変したが
彼女はある意味、理由も知らずに強制的に「元からあるもの」として此処に置かれている訳だ。
そこに意思もクソもない。
朝比奈さんだって古泉だって…他の人間全部もいい迷惑だ。
強制的に知ってることを知らないこととされ
知らないことを知っていることにされる
直に俺も長門も…だ。
誰が「誰にも迷惑が掛からない」…だ。
悪いが俺は可愛いハルヒの為にも自分の為にも断じてこんなことは許さないぞ。
可愛いハルヒは自分の意思をもって可愛いハルヒであるべきだ。
何を言っているのか…段々わからなくなって来た。
98 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:35:51.92 EnjFCO1FO 36/64
ガチャッ
みくる「キョンくん、お待たせしましたぁ~」
ドアの向こうからメイド姿の朝比奈さんと
制服に着替えたポニーテールの…ハルヒがやって来た
反則的に似合う。どうしてこうもポニーテールっていいんだろうな。
馬の尻尾を見ても興奮しないのに。
ハルヒ「ど……どうですか」
照れながらチラチラこちらを見てくるハルヒは…認めよう。
反則的に可愛いかった。
ああ、もうこのハルヒは反則的に可愛い。
キョン「似合ってるぞ」
ハルヒ「そ…そうですか?よかったぁ…」
てへっと笑う姿はきっと男性の95%が何かしらの感情を抱いてしまうであろう程素晴らしかった。
ハルヒ「朝比奈さんにやってもらったんです。」
みくる「やっぱり涼宮さんは似合いますね。」
ハルヒの申し出に対して長門をチラリと見るが…反応がない。困った。
99 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:43:03.06 EnjFCO1FO 37/64
ええい。どちらにせよ俺は一緒に帰るべきだろう。
キョン「分かった。行くぞ。」
ハルヒ「………は、はい!」
外へでると昨日同様ブルーまじりの夕焼け空が広がっていた。
外へ出てもやっぱりハルヒは可愛い。
どうにも調子が狂う。
ハルヒ「昨日は……その…」
ハルヒ「ごめんなさい…」
キョン「何で謝るんだ?」
ハルヒ「最後わたわたしちゃって…」
やはりどうも調子が狂う。
元のハルヒを選ぶことはある意味彼女を拒絶したと受け取られてしまうし
今のハルヒを選べばハルヒ自身を拒絶してしまう。
もうこんな時間だと言うのに…どうにもこうにも頭の整理がつかない。
…どうすればいいのかは分かっていたのだが
101 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:48:25.45 EnjFCO1FO 38/64
公園の辺りまできたところでハルヒは話を切り出してきた。
ハルヒ「あの……」
キョン「……渡したい、もの?」
ハルヒはがさごそと鞄の中から何か四角い物体を取り出した。
ハルヒ「誕生日……プレゼントです。」
四角い箱の中身を開けてみると、中にはオルゴールが入っていた。
ハルヒ「…朝比奈さんと一緒に選んだんです。」
どうにもハルヒらしくないプレゼントである。
102 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:55:01.27 EnjFCO1FO 39/64
どちらかといえば朝比奈さんが選びそうな…そんなプレゼントであった。
ハルヒ「何ですか?」
キョン「悪いが俺は受け取れない。」
ハルヒ「……………!」
ハルヒ「なんで………ですか?」
キョン「受け取れない。」
俺はハルヒに…箱を突き返した。
どうして?と言った表情だった。
ハルヒ「朝比奈さんのケーキは食べた……のに?」
キョン「美味かったな」
ハルヒ「私のは…受け取って貰えないんですか」
キョン「………ああ。」
はたから見ればアホな行動であったうえに背中を刺されても仕方がないだろう。
しかしこれは『俺にしては』十分な行動だと思ったのだが…ハルヒにとってはそうでなかったらしい。
104 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 05:58:01.38 EnjFCO1FO 40/64
ハルヒ「あたしは……朝比奈さんより…」
キョン「別にそう言う訳じゃない。」
キョン「俺は……」
この先がどうもこっ恥ずかしくて言葉が詰まってしまった。
ハルヒ「拒絶された…んですね?」
キョン「いや…そう言う訳じゃ…」
そんな俺の言葉も虚しくハルヒの目付きが変わってしまった。
107 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 06:02:24.97 EnjFCO1FO 41/64
俺にとっての十分は『ハルヒ』にとっての不十分だったらしい。
俺はハルヒ自身を選んだつもりだったのだがどうもハルヒは
自分が拒絶されたのだと思っているようだ。
ハルヒ「朝比奈さん……なんだ」
ハルヒ「私じゃダメ…なんですね」
ハルヒ「分かりました」
何が分かったんだか?
一ミリたりとも分かってなんかないだろう。こいつは
しかしそんな言葉も虚しくハルヒの目は光を無くしていった。
110 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 06:09:22.45 EnjFCO1FO 42/64
ハルヒ「……………」
ハルヒ「!」
ハルヒは俺に飛び掛かってきた。
流石はハルヒと言うべきか物凄いスピードである。
手には何処から出したのか知らないが先ほど朝比奈さんがケーキを切り分けたナイフを持っている。
………待て。待て。
何だってんだこの状況は?
俺はハルヒをこれっぽっちも拒絶するつもりもないし、
ましてや刺される様な事を言ったつもりもない。
夕日。ナイフ。女子生徒。
例のシチュエーションが思い浮かばれる。
なんて悠長な事を言ってる場合じゃないぞ。
相手は朝倉のような宇宙人ではないとはいえ化け物だ。
一言だけ言わせて頂きたい。
どうしてこうなった
113 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 06:16:55.68 EnjFCO1FO 43/64
ナイフがオレンジ色に輝く。
こんな経験、人生に一度あるかないかだろう。普通は。
ハルヒは壊れた人形のようになんども俺の名前を呼ぶ。
朝倉以上の恐怖だ。
女ってのは本当にこわい生き物だな。
とりあえず逃げてはみるがどうも逃げ切れそうにもない。
突進してくるハルヒを交わす自身もない。
ある意味こいつは朝倉以上のスペックの持ち主なのかもしれない。
ハルヒはとうとう、ナイフを構えた。
次いでに俺に向かって突進してきた。
俺の出来ることと言えば目をつむることしかなく、抵抗することさえ身体が許さなかった。
もう一度言わせてくれ
……どうしてこうなった
114 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 06:21:26.16 EnjFCO1FO 44/64
身体の震えが止まらない。
気配と風でハルヒがこっちへ向かってくるのが分かる。
とりあえず歯を食い縛ろうか…。
なんて事を考えているうちにドスッという鈍い音が聞こえてきた。
ああ、死んじゃうのかな…と思いつつも
痛みがない。
生ぬるい感触もない。
一体全体どうなってるってんだと目を開けると俺は
刺されていなかった。
じゃあどうしたんだと前を見ると…
ショートヘアーの女子高生が血をポタポタ垂れ流しているのが見えた。
129 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 11:15:22.05 EnjFCO1FO 45/64
ハルヒ「な…がとさん?」
ハルヒはいきなりのことに目をひんむかせた。
無論、俺もである。
キョン「大丈夫か…?」
長門の近くに駆け寄ると
もうすでに彼女の腹の傷は塞がっていたようで
平気な顔をしながらむくっと立ち上がった。
長門「………へいき」
一方のハルヒはと言うとわなわな震えながら座り込んでいた。何が起きたのか未だに理解が出来ない。
キョン「一体どうなってるってんだよこりゃ…」
長門「世界のバランスが崩れはじめた。」
長門「だから…一度だけ私が割り込んだ。」
想定外の返答ってお前…そりゃあ若干回りくどかったろうけれど…
長門「きちんと、彼女が納得する様に話すべき」
と言いながらいつぞやの朝倉のように長門はサラサラ消えていく。
131 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 11:39:47.66 EnjFCO1FO 46/64
長門「しかし、先程の発言はきっかけにしか過ぎない。」
長門「始めからこの世界には歪みがあった。…涼宮ハルヒ自身にも。」
キョン「……歪み?」
長門「彼女は彼女でなくなる事を願った」
長門「同時に彼女は彼女である事も願った」
長門「あなたに答えを託しているようで結果はある意味見えていた。」
長門「今…この世界は矛盾に満ち、遂には涼宮ハルヒ自身でもバランスを保つことが出来ない。」
長門は淡々と喋り続けるがその間にも長門の身体は消失して行く。
長門「大丈夫。介入が出来なくなっただけ。」
長門は平気な面をしているが、
今俺の目の前にはとんでもないことが繰り広げられている訳で。
長門「………頑張って」
そう言い残してパアッと消えていってしまった。
132 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 11:43:58.04 EnjFCO1FO 47/64
いつかどこかでみた空間。
無機質な空間が気がつけば広がっていた。
………自分を誤魔化すのが得意な訳で
しかし、曖昧な表現は通用しないようだった。
いつもこうだった。俺は。ハルヒのことも言えねえじゃねえか。
……追い詰められないと素直になれない。
座り込んでいるハルヒの肩を持った。
肩を持つや否や、泣き出してしまった。
ハルヒ「ひっく…………」
キョン「俺がお前にプレゼントを返したのはだな…」
キョン「なんて言うか…」
キョン「俺はちゃんとお前から貰いたかったからなんだよ。」
ハルヒ「…………?」
キョン「ああ、ええとだな、上手くは言えないが」
キョン「お前はお前で良いと思う」
ハルヒ「あたし………で?」
ハルヒ「でも…キョンくんは…朝比奈さんの事が…」
キョン「朝比奈さんも好きだ。でもお前も嫌いじゃない。」
キョン「…何より、今のお前が可哀想そうだろう?」
ハルヒ「あたし…が?」
142 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 15:15:41.59 EnjFCO1FO 48/64
キョン「そうだ。前のハルヒはお前を選択する事ができた。」
キョン「でもお前にはない。…それってあんまりだとは思わないか?」
ハルヒ「前の私?私はずっと私で…」
キョン「違う。ややこしいがお前はお前だが同時にお前じゃない。」
ハルヒ「私は………」
ハルヒは言葉を詰まらせた。
俺は周りを見渡す。
いつぞやのように灰色に染められ、ひとっこ一人いやしない。…のはずなのだが辺りにはなにかが崩れていく音が響き渡っていた。
…はなから疑ってはいなかったが長門の言っていたことは
どうやら本当だったようだ。
ハルヒ「私は……朝比奈さんに……」
ハルヒ「朝比奈さんに…なりたかったんだと思うんです。」
何となく分かってはいた。
行動も言動も朝比奈さんそっくりだったからな。
ハルヒ「朝比奈さんは可愛くて、お姉さんで、いつもあたしを引っ張ってくれて…」
どうもこっちの朝比奈さんも記憶だけでなく性格も多少改変されていたようだ。
145 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 15:29:28.26 EnjFCO1FO 49/64
ハルヒ「だからいつか…朝比奈さんが…」
ハルヒ「だからあたし…」
朝比奈さんが何だ。述語がないぞ。述語が。
ハルヒ「それは……」
キョン「とにかくよ、はっきり言って今のお前は可愛い」
ハルヒ「えっ」
顔をハッとさせたあと真っ赤になるのもまた可愛い。
キョン「しかしな、SOS団的に考えてな。これは由々しき事態なんだよ。」
ハルヒ「ゆ…ゆ…?」
キョン「よく考えてみろ。古泉が二人もいるか?長門が二人もいるか?俺が二人もいるか?」キョン「朝比奈さんが二人もいるか?」
ハルヒ「………」
キョン「みんなそれぞれ…まあ悪いところもあるだろうど、皆で補完しあってる。」
キョン「それで良かったんじゃないのか?」
ハルヒ「でも………」
キョン「朝比奈さんは必要な人材だ。が、二人もいらん。」
朝比奈さん(大)、朝比奈さん(みちる)ごめんなさい。
キョン「今の団には大切な人間が欠けてる。」
ハルヒ「大切な…人間?」
キョン「完全無敵の団長様が、だよ」
146 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 15:36:50.42 EnjFCO1FO 50/64
キョン「いきなりお前はお前じゃない…と言われて何が何だか分からないだろうが」
キョン「好きか嫌いかは置いておいてだな…」
キョン「俺は今のお前より、前のお前が必要だ。」
もう一度どこかからかナイフを取り出して刺されるんじゃないかと思ったが
ハルヒはどうも落ち着いてくれたのか特に変わった様子を見せる訳でもなかった。
キョン「…ただ、だ。」
ハルヒ「?」
キョン「これはお前の問題だ。お前が俺に託したものを俺はお前に託す。」
キョン「お前に選択権がないなんて、おかしな話だからな。」
ハルヒ「私が……昔の私に戻るか…」
ハルヒ「今の私のままでいるか?」
キョン「そうだ。どうせもうじきに記憶は消えるんだ。」
キョン「お前がちゃんと考えて決めたのなら、俺はそれを受け入れる」
149 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 16:09:50.11 EnjFCO1FO 51/64
一見するとこれは賭けのようだが賭けではなく
逆に賭けではないないようで賭けでもある訳で…
ハルヒ「私は…」
ハルヒ「じゃあ…」
つまり、俺は信じていたんだと思う。
二人のハルヒのことを
152 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 16:21:23.16 EnjFCO1FO 52/64
少し考えた後、突然ハルヒは顔をキリっとさせた。
ハルヒ「SOS団に私が必要ならば」
ハルヒ「…私も『その私』が必要なんだと思います。」
ハルヒ「だから…」
ハルヒはそういって、またまた顔を真っ赤にさせる。可愛いやつめ。
ハルヒ「それに私はさっきみたいに、このままでいたら私が望んだ私でも」
ハルヒ「私であった私にも慣れなくなっちゃう気がするんです。」
ハルヒ「…だから私は、前の私を選びます。」
何故だかその瞬間安堵したと共に
物凄く惜しいことをしたような気もしたが…まあいい。
155 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 16:32:06.57 EnjFCO1FO 53/64
ハルヒ「でも……私、どうしたら元の世界に戻れるんですか?」
そりゃそうだろう。ハルヒの能力の言葉をハルヒ自身には知らされていないんだからな。
俺はここで何と言うべきか迷ったが…
ええい。ここはもう一か八かだ。
キョン「ここはお前が作り出した世界だ。お前が何とか出来るはずだろ。」
ハルヒ「へっ…」
ハルヒ「最後の方が一体何なのか理解できないんですが…」
キョン「理解しなくていい。」
キョン「ただお前が、自分を改変した時と同じように…つまりは真剣に願えばいいんだ。」
ハルヒ「あの……」
キョン「だからお前も俺を信じてくれ。」
そう言った瞬間またもや顔を赤くする。
……やめてくれ。下手すりゃまた迷ってしまいそうだ。
ハルヒ「わかりました。」
ハルヒ「私もキョンを…信じます。」
168 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 19:33:14.58 EnjFCO1FO 54/64
ハルヒ「じゃあ、行きますね。」
キョン「……ああ。頼んだ。」
ハルヒは大きく息を吸ったあと…
目を閉じ、胸の前に手を組んだ。
……しかし特に何も変化はなかった。
きっと朝比奈さんあたりには時空間の振動だかなんだかが見えるんだろうが。
しかし事態は一瞬で、ガラリと変わった。
どうにもこうにも目の前の景色が薄らいで行くのである。
目眩とも違った感覚の、まるで…眠りにつく数十秒前の様な感覚だった。
どうやらハルヒが力を使ったようなので…安心したが、
どうにもこのハルヒと別れるのはやはり惜しいものがある。
数時間同じ場所にいると、もしかしたらずっと前から俺は此処にいたんじゃないのか?
と錯覚してしまう現象と似ている。
…俺だけかもしれんが。
全てが闇に覆われる正に五秒前、ハルヒの口が僅かに動いたのが見えた。
ハルヒ「く……し…」
く…し?串?
ここから先の記憶は、もうない。
171 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 19:51:13.30 EnjFCO1FO 55/64
…………………
………………
…………
………
「ョン…ん…」
…誰だ?
「キョンく……」
……まだ俺は
みくる「キョンくん?」
その声の主を認識するや否や俺は光の早さで飛びあがった。
キョン「朝比奈さん…!」
みくる「良かったぁ…起こしても起こしても、キョンくんと涼宮さん全然起きなくって」
てへへ、と笑う彼女の姿はやらり愛らしかった。
みくる「何か皆でお昼寝しちゃってたみたいで…」
みくる「目覚ましに温かいお茶、入れますね。」
朝比奈さんはそう言うと、てってってと水をくみに走り出した
のだが、ドアの付近で盛大に転けていた。
……朝比奈さんは朝比奈さんらしい。
どうやら「改変の改変」は成功したようだ。
ふと、隣を見るとハルヒはいつの間にやら俺のマフラーを首に巻き、まだグースカ寝息を立てていた。
174 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 20:03:01.38 EnjFCO1FO 56/64
苦しそうだったのでマフラーを取ってやろうとするが
顔をしかめながらそれを拒絶する。
古泉「おはようございます。目覚めはいかがですか?」
朝比奈さんが起こしてくれたんだ。悪いわけなかろうに。
古泉「…どうにも不思議なんですよ」
古泉が例のごとく顔を近付けてきた。鬱陶しい。
古泉「SOS団全員が同時にうたた寝をする、と言うのは勿論」
古泉「長門さん、朝比奈さんに確認したところ
あまりにも似通った夢を見ていたんです。」
……答えは一つしかなかろうに。
古泉「僕も今回、やっと貴重な体験が出来た様です。」
古泉「いつも仲間外れでしたからね。」
やけに嬉しそうな表情に腹がたつ。
俺はともかく、長門なんか刺されたんだぜ。
インターフェースとは言え、気持ちの良いことではなかろうに。
古泉「あの様な涼宮さんも魅力的だと感じますが」
古泉「…何だか物足りなかった、ですかね。」
そんなことをペラペラ喋る古泉のことは無視しつつ
いつもと変わらず本を読み耽っている長門に話し掛けた。
175 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 20:11:16.02 EnjFCO1FO 57/64
キョン「…ありがとうな、長門」
キョン「痛くなかったか?」
長門「良かった。」
キョン「お前が彼処で助けてくれなかったら…」
長門「違う」
……違う?何がだ?
長門「多分、私の行動は余計だった。」
キョン「だ、としてもだ。」
キョン「いや、なら余計にか」
キョン「ありがとうな。」
長門「………そう。」
他人からすれば、実に奇怪な会話なのかも知れないが
俺達にとってはそれが自然であり、俺にとっては『安心』そのものであった。
176 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 20:19:14.23 EnjFCO1FO 58/64
朝比奈さんの入れてくれた甘露を飲みつつハルヒの寝顔を眺める。
こいつはこいつで思うこともあったんだな…と、ハルヒの意外な一面を知った様な気がする。
やり方は…どうも、こいつらしいといえばこいつらしいが。
しかし、やっぱり今になって惜しいことをしたんだと染々思ってしまう。
まあ、あのハルヒが今の世界を願ったんだからこれで良いのだろうが。
しかし
くし……
とは一体何なんだったのだろう?
串?櫛?句誌?KUSI?
なんてことを考えていると、ハルヒ嬢が漸くお目覚めになった。
182 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 21:05:01.80 EnjFCO1FO 59/64
ハルヒはむくっと無言のまま起き上がる。
いつもより眠たそうな目をしていた。
まだ眠たいのかハルヒは無反応だ。
キョン「眠たそうだな。」
と、ふいにハルヒは鞄の中身をゴソゴソ探り始めた。
ハルヒ「……………」
キョン「え?」
ハルヒは例の…オルゴールを取り出しながら言った。
ハルヒ「………贈呈。」
おしまい
184 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 21:07:15.30 fyfs2cdU0 60/64
終わり?くしってなに?
189 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 21:10:58.98 EnjFCO1FO 61/64
>>184
あの時は半分オリジナルハルヒ、半分改変ハルヒ
改変ハルヒはキョンに好意を伝えようとしたが
オリジナルハルヒがそれを許さなかった。
だから決定的にKUSIって言葉になった。
簡単な並べ変えです。
191 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 21:15:37.16 14KoewJ2O 62/64
成る程!
202 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 22:07:38.34 ybMKr7vY0 63/64
最後は今度は長門みたいになっちゃったというオチでおk?
204 : 以下、名... - 2010/02/16(火) 22:20:26.53 EnjFCO1FO 64/64
>>202
かもしれないし、寝た振りしてたハルヒのいたずらかもしれない。
上条「……姫神か」姫神「あなたも。一人なの?」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 01:09:17.41 ID:Xi/QzM0d0
1月1日。時刻は午前12時15分。日付が変更される少し前からそわそわしていた。
去年は思い出すのも悲しいくらい少なかったが、今年はそうはいくまいと。
上条(ふふふ。上条さん、今年はたくさん来る気がしてならないのです)
インデックス「? にやにやしてきもひわるいんだよ」
ずずず、と特大の年越し蕎麦を啜りながら話す。新年の挨拶を急かしていたのもこれが理由のようだ。
上条「こら、口に物を入れたまま喋るんじゃありません」
インデックス「へーんだ」
上条「ったく」
上条(今年は10……いや、ひょっとすると20は……)
上条当麻は知らなかった。ちょうど前日に踏んだごく普通のサイトからウィルスを貰っていた事。
そして、そのウィルスは元旦から丁度3時間の間だけ、自身のメールアドレスを変更する物だった事を。
5: >>3 あ、そうなのか。スマソ 投稿日:2013/01/01(火) 01:17:30.74 ID:Xi/QzM0d0
――
午前1時。インデックスは飽きるほど食した蕎麦のおかげで、炬燵の中で幸せそうに眠っていた。
そして、上条当麻はその前でがっくしと項垂れていた。
上条「……まぁ、そんな気はしていましたけれども」
上条「……いや……確か0時付近は混線するから、皆送信を避けるって……」
上条「ふふふ、まだ希望の灯は消えてなかった」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 01:26:13.21 ID:Xi/QzM0d0
――
そうして、更に1時間が過ぎ
上条「……」
上条「いやね……正直、期待していたわけですよ。はい」
上条「あわよくば、ローマ聖教のやつらからも貰えるんじゃないかと思ってたんです」
どんよりとした雰囲気が上条当麻を包む。時差の事を完全に頭から消し去るくらいに。
上条「御坂とか、御坂妹からは貰えると信じてたんですよ。そこそこ一緒に居るしさ」
上条「で、このざまなわけですよ」
上条「……ふこ」
インデックス「うーん、とうまうるさい……スースー」
上条「……」
上条「……出かけるか」
上条「おーい、インデックス。出かけてくるからなー」
インデックス「むにゃむにゃ。もう……いらないんだよ……」
上条「……不幸だ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 01:42:28.61 ID:Xi/QzM0d0
――
上条「ううー。寒い……もうちょっと着こんでくればよかった……」
このような日ばかりは、いつもよりもイルミネーションが明るく輝く。
アンチスキルやジャッジメントがそこら中で警備しているかわりに、
学生たちはその恩恵を受けている。
上条(これは中々精神に来ますな……って上条さんは上条さんは……やっぱり止めとこ)
慰めるための自虐すら出来ない場所であるとそう感じた。
佐天「はー、やっぱり混んでますねぇ」
御坂「まぁ、仕方ないんじゃない? ここら辺で一番大きいだし」
初春「でも、年が明けたなぁ。って、感じしませんか?」
黒子「まぁ、そうですわね。いつもならうっとおしく思いますけども」
上条(み、御坂っ!?)
思わず、彼女達の視界から逃れようとする
上条(……って、何で隠れる必要があるんでせうか……まぁ、周りは団体だらけだもんな、惨めになるのは当たり前か)
上条(……不幸だ)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 01:52:07.45 ID:Xi/QzM0d0
――
人混みから少し外れたコンビニへと足を入れる。
店内は人も少なく、片手で数えられる程しか見られなかった。
上条(はぁ……暖かい物でも買って帰ろ……)
一方通行「ったく、めんどくせェなァ」
上条「一方通行……」
一方通行「あ゛? 何だ三下かよ」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:00:53.75 ID:Xi/QzM0d0
上条「こんな所で何してるんだ?」
一方通行「あ゛ぁ? 見て分かンねェのか」
上条「いいんだ一方通行。分かる。俺にはお前の気持ちがよーく分かりますよ」
一方通行「……はァ?」
上条「誰からも誘われなかったんだろ?……だから、コンビニで人との触れ合いを」
打ち止め「アクセラレータ!」
一方通行「遅ェんだよクソガキ」
上条「……」
一方通行「で、何だって?」
上条「……ナンデモナイデス」
打ち止め「あれ? ヒーローさん? 『1人』で何してるの?」
上条「うぐっ!!」
一方通行「……おィ。行くぞ打ち止め。言葉の暴力ってのは案外効くんだ」スタスタ
打ち止め「あっ、待ってよ。えーっと、じゃあね。『1人ぼっち』のヒーローさん?」
上条「……不幸だ」グスッ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:20:15.70 ID:Xi/QzM0d0
――
手にホットコーヒーを握りしめながら、人気の無い河川敷をとぼとぼ歩く。
先程の場所から少し遠いその場所は、人の気配を感じる事の無い程に静かだった。
上条(何故こんな所まで……)
上条(家まで遠いし、寒いし……)
上条(……ん?)
河川敷の下に何やら光る物が見える。
規則正しく揺れているそれは、どうやら誰かに操られているらしい。
上条「……姫、神?」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:24:16.13 id:LOXzj0bN0
姫神きたー
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:34:43.13 ID:Xi/QzM0d0
姫神「ふんっ。ふんっ」
上条「姫神……だよな?」
姫神「えっ?……あっ。上条君」
上条「いや、何してんの?」
一心不乱に光るそれを振り回す姫神に対し、そう投げかけた。
姫神「儀式」
上条「儀式?」
姫神「そう。このおめでたい日。今まさに結ばれようとしている人達が結ばれないための儀式を行っているの」
上条「な、成る程……って、何してんの!?」
姫神「二度言う気は無い」
上条「いやいや!! そうじゃなくて! 何どこぞの呪い屋的な行動を取っているのでしょうか!?」
姫神「理由は1つ。憎いから」
上条「即答!?」
姫神「他に。見つかるなら教えて欲しい」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:41:17.08 id:dty7cerC0
姫神かわいい
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:54:55.53 ID:Xi/QzM0d0
上条「と、取り合えず落ち着きませんか?」
姫神「私は落ち着いている。取り乱しているのは上条君の方」
上条「いやいや、明らかに目が血走ってますよ姫神さん」
姫神「これは充血してるだけ」
上条「手も震えてるし。ごめんなさい、その電流の流れる棒を私に向けないで下さいお願いします」
姫神「これは。うっかりしてた」カチッ
上条(うっかりじゃ済まないんですけど……)
上条「それにしても、一人って事は無いだろう。吹寄とかいっぱい居るだろうに。誘わなかったのか?」
姫神「一言も誘われなかった」
上条「お、おう」
姫神「ふと、外に出てみたらクラスメイトの大所帯で初詣に行っているのを見かけた」
上条「……ごめん」
姫神「別に。いい」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 02:57:27.39 ID:I/IlJZyuP
やっぱり姫神はかわいいなぁ
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 03:25:29.04 ID:Xi/QzM0d0
上条「……これ、お詫びって言ったらあれだけどさ。ほら、まだちょっとあったかいから」
姫神「……有難う」
上条(うーん、どことない罪悪感が……)
姫神「確かに。生ぬるい……フフフ。私と同じで中途半端な存在」
上条「あ、そうだ」
姫神「?」
上条「これから暇か?」
姫神「特に。予定は無い」
上条「良かったらさ、一緒に初詣行かないか?」
姫神「え。か、上条君と?」
上条「まぁ、嫌だったら断ってくれていいけど」
姫神「行く。是非」
上条「おう。じゃあ、行くか」
姫神「う。うん」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 03:29:58.80 id:aohOr0Hg0
インさん…
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 04:03:06.82 ID:Xi/QzM0d0
上条「かなり寒くなってきたよなぁ。風も強いし」
姫神「うん。とても」
上条「ていうか、その格好……絶対寒いだろ……」
上条(意味分からん……)
上条「女の子は暖かい格好をしていなさい」
姫神「あ、有難う」
姫神(上条君の服……上条君の臭いがする……)
上条(……格好つけたのはいいけど……滅茶苦茶寒い……)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 04:06:08.59 id:SCneKYZm0
寒いなら寄り添えば良いじゃない
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 04:36:09.42 ID:Xi/QzM0d0
――
先程の場所へ戻ると、まだ、人数は変わらず、むしろ多いくらいだ。
少ないと思われる時間帯を狙って来た者と参拝を済ませた者とで入れ替わりが発生していた。
上条「へー、こんな時間でも人多いんだな」
姫神「ふふふ。聖なる夜と並ぶ日……やはり儀式を続けていた方が良かったのかもしれない」
上条「は、ははは……」
姫神「そういえば。彼女はどうしたの?」
上条「彼女……インデックスの事か?」
姫神「うん」
上条「あー、あいつは蕎麦食ってそのまま寝ちまったからなぁ……今頃は夢の中……のはずだ」
姫神「大丈夫なの?」
上条「まぁ、書置きしてきたし大丈夫だろ。それにそんな長時間外に居るわけでもないしな」
姫神「……そう」
上条「?」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 05:40:42.13 ID:Xi/QzM0d0
ある程度の人混みを抜けると、昔ながらの屋台が立ち並ぶ大きな広場に出た。
どうやら、ここをつき進めば目的の場所へと出られるらしい、立て看板にはそう書いてある。
姫神「やはり。どこも品揃えは変わらない」
上条「? そうなのか?」
姫神「上条君は。ここには来た事ないの?」
上条「あ、い、今思い出したー。そ、そういえばこんな感じだった気がする」
姫神「成る程。私は来た事が無かったから。初耳」
上条「えぇー!? 来た事無かったのかよ!!」
姫神「リアクションが大きい。新年なんだからもっと静かに取るべき」
上条「わ、悪い。何故、そのような嘘を疲れたのでせうか」
姫神「私は来た事があるとは言っていない。そして。玄人っぽさを出したかっただけ」
上条「さいですか……」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 06:22:57.44 ID:Xi/QzM0d0
――
上条「何か買わないのか? 少しだったら奢るぞ?」
姫神「有難う。でも。その権利は参拝が終わった後に頂く」
上条「そうか。まぁ、欲しい物があったら言ってくれよ」
姫神「……今日の君は。優しい」
上条「んー……お年玉的な?」
姫神「私達は。同級生」
上条「……少しくらいカッコつけてもいいじゃないですか」
姫神「ふふ。冗談」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 06:30:54.39 id:gYVDs4qR0
魔術サイドの人らに限って言えば、ロクに携帯も使えないようなのばっかじゃ…
来るとしたら年賀状だよ諦めるな
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 07:36:16.82 ID:Xi/QzM0d0
――
境内内の最前列には来たものの、見ただけで億劫に成る程の人の多さに、坪鈴へ向かおうとはしなかった。
賽銭を投げ込んだ後、見よう見まねの二礼二拍手一礼をした後、屋台の方へと足を返した。
姫神「上条君は。何をお願いしたの?」
上条「そりゃあ……留年しないようにと……」
姫神「切実なんだね」
上条「とほほ。上条さんには余裕がないのですよ……」
姫神「自業自得。だと思うけど」
上条「それは言わないでくれ…………と、姫神は何をお願いしたんだ?」
姫神「私利私欲のため。に決まっている」
上条「世界平和とかメルヘン的なお願いはないものかね? 仮にも魔法少女なんだろ?」
上条「……そうですか」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 07:46:28.22 ID:Xi/QzM0d0
――
上条「欲しい物あるんだったよな? 何が欲しいんだ?」
姫神「……それは。食べ物でもいいの?」
上条「勿論。てか、食べ物の方が多いけどな」
姫神「それじゃあ。御節が食べたい」
上条「お、御節?」
姫神「うん。御節。プリーズ」
上条「御節かぁ……売ってんのか?」
姫神「無いなら。君の手作りでも大丈夫」
上条「うーん……そうしたかったんだけど、今年はばたばたしてて作って無かったんだよなぁ」
姫神「なら。一緒に作ろう」
上条「そうかぁ。一緒に……一緒に!?」
姫神「何か不満?」
上条「い、いや。大丈夫でせう」
姫神「そう。なら。君のお家へレッツゴー」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 13:14:00.15 id:QTP4iZQoO
上姫いいな
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 15:16:49.53 ID:4GuTG2lC0
――
それから、出来る限りの材料を買いそろえ、家へと向かう。
道中、遠くの方で怒声と共に何か光っていたが、特にどちらとも気付きはしなかった。
上条「ただいまー。って、寝てるか……」
姫神「お邪魔。します」
上条「ふぅ、やっぱり自宅が一番なのですよ」
姫神「君の家に来たのは。久しぶり」
上条「へっ? そ、そうなの?」
姫神「嘘。来たのは。初めて」
上条「……姫神さん」
姫神「付いていい嘘も。あると思う」
上条「いえ、あなたのはただの悪ふざけというんです」
姫神「……てへ」
上条「ぐっ。無駄に可愛いのが腹立つ」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 15:44:30.02 ID:4GuTG2lC0
上条「おーい。インデックスさん、こんな所で寝てたら風邪を引きますのですよ」
インデックス「うーん……とうま……いらない……」
上条「……不幸だ」
姫神「上条君。お皿はどこ?」
上条「あー、大皿はそこの下の段に」
姫神「分かった。それと上条君」
上条「ん、どうした?」
姫神「さっさと。手伝え」
上条「……はい」
姫神「分かったのなら。いい」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 16:22:42.58 ID:4GuTG2lC0
上条「つっても、殆ど買ってきたものだし。盛り付けるだけだけどな」
姫神「煮物は。作らないといけない」
上条「あ、そうだな。どうする? 俺がやろうか?」
姫神「一緒に作ると。私は言った」
上条「でも、煮物だぜ? 1人の方が捗ると思うんだけど……」
姫神「一緒に作ると。私は言った」
上条「お、おう」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 16:40:39.94 ID:4GuTG2lC0
上条「な、なぁ、姫神」
姫神「何?」
上条「やっぱり一人でやった方が」
姫神「何度も。同じ事を言わせないで」
上条「でもなぁ、この動き辛さは……」
姫神「次に口に出したら。私は君を呪う」
上条「ひ、姫神さん? 別の人格が出ていませんか?」
上条「意味が分からん……」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 16:40:47.58 id:QCDhXh6EO
本編の姫神さんもこのくらい攻めてくれりゃなぁ…
運動会以降息してないんじゃないの
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 17:11:03.71 ID:4GuTG2lC0
姫神(とは言ったものの。ちょっと恥ずかしい)
上条「あ、悪い」
姫神(実は先程からずっとドキドキしてる)
上条「っと。下ごしらえは終わったな」
姫神(彼は。何とも思っていないのだろうけど)
上条「悪い。ちょっとどいてくれないか?」
姫神(でも。それでもいいのかもしれない)
上条「姫神?」
姫神(でも……もし……一緒になれたら……)
上条「姫神さーん?」
姫神(ふふふ……)
上条「む、無視。不幸だ……」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 17:44:52.11 ID:4GuTG2lC0
――
上条「後は待つだけだな。はぁ、やっと一息付けるのですよ」
姫神「そこそこ。疲れた」
上条「何か飲むか? お茶とコーヒー、後、紅茶もあるけど」
姫神「勿論。日本人ならお茶」
上条「ん。分かった」
姫神「だけど。偶にはコーヒーも悪くない」
上条「……俺に恨みでも持っているのか。それに、さっきコーヒー飲んだし」
姫神「客はもてなすもの」
上条「へいへい。どうせ上条さんは奴隷ですよー」
姫神(それも。いいかもしれない)
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 18:29:30.85 ID:4GuTG2lC0
――
姫神「ずずず……豆の中にもほのかな甘みが……」
上条「あぁ。スティックタイプの奴があったから。インデックスの奴、甘くないと嫌がるんだよ」
姫神「私も。これの方が好き」
上条「へぇ、そうなのか」
姫神「好き」
上条「? ん、うん。分かったって」
姫神「上条君。好き」
上条「お、おう。好きなのは分かったって」
姫神「上条君。私は。好き」
上条「き、聞こえてますか?」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 18:30:38.90 ID:5WTyRI0D0
攻める姫神
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 18:36:44.65 ID:5uFW13WwO
攻められる上条
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 19:10:04.36 id:dty7cerC0
姫神は至高のヒロイン
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 19:18:05.54 ID:4GuTG2lC0
――
上条「あー、もう五時か。いや、まぁ、こんなもんか」
姫神「……」ウトウト
上条「ん? 眠いんだったらベッド空いてるぞ? インデックスはそこで寝てるし」
姫神「大丈夫……」ウトウト
上条「遠慮するなって。飯の時には起こしてやるから」
姫神「……じゃあ」スッ
上条「はぁ。上条さんは徹夜コースですかねぇ」
姫神「……」バタリ
上条「いたっ!!」
姫神「……もう無理。動けない」
上条「いやいやいや! 一回立ったじゃん! あと一歩だったじゃん!」
姫神「一歩と二歩とでは大きな違いがある。それに本当にもう駄目」
上条「そ、それにしてもですね。私の上で寝るというのは何といいますか……って! 腕を回さないで!!」
姫神「抱き枕が無いと眠れない体質」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 20:02:45.31 id:JnDdSoTH0
こんなに攻めてるのに。
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 21:16:10.69 ID:4GuTG2lC0
上条(なな、何ですか!? このどこぞのゲームみたいな展開は!??)
姫神「……」スリスリ
上条(ぎゃあああああ!! 足をスリスリしないで!! 上条さんのイマジンが壊れるぅぅぅぅ!!)
姫神(何もしてこない。案外彼は臆病者)
姫神(こうなったら……)スッ
上条「い゛っ!? ちょ!?」
姫神「もがっ」
上条(寝相が悪いってレベルじゃねーぞ!! マウストウマウスをしようとしてるじゃないでせうか!)
姫神「ぐぅぅ」スッ
上条(くっ、こうなったら……)ガシ
姫神(か、上条君の腕が……)
上条(はっはっは。どうだ、上条さんの抱きしめ攻撃は!! これでもう身動きがとれまい!)
姫神(あ、侮っていた。彼は大胆な人間……でも、このまま襲われてもいいかもしれない……)
上条(……でも、これ……インデックスに見られたら間違いなく死亡するのでせうが……どうすれば……)
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 21:32:21.76 id:v93Dotnk0
姫神は禁書ではほんともったないと思ふ
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 21:53:15.17 ID:4GuTG2lC0
姫神「んっ……上条君?」
上条「おっ、起きたか姫神」
姫神「あれ?……あれは……」
姫神(夢?……しかし。妙に生々しい夢だった)
上条「お前も飲むか? コーヒー。今、淹れたところなんだよ」
姫神「有難く頂く。ただし。甘い方を」
上条「んっ。了解」
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 22:20:55.92 ID:4GuTG2lC0
インデックス「ふわぁあ。あれ? 何で秋沙が居るの?」
上条「こらこら、そんな事を言うもんじゃありません。ここに居る姫神様はな。この! 豪華御節を作ってくれた張本人なんだぞ!!」
インデックス「うわぁ!!! 有難う秋沙!! これがジャパニーズオセチなんだね!!」
姫神「まぁ。盛り付けただけだか」
インデックス「頂きまーす!!! んぐんぐ。美味しいんだよ! とうま!!」
姫神「ふ。ふふ。謙遜すらさせてもらえない……」
上条「どうした? 姫神。食べないのか?」
姫神「では。遠慮無く。そこの伊達巻き」
インデックス「この甘いの美味しいだよ!!」モグモグ
姫神「……こっちの蒲鉾」
インデックス「この赤と白のも美味しいんだよ!」モグモグ
姫神「……」
上条「こら、インデックス。行儀が悪いだろ。ほら、姫神、小皿に取ってやったから」
姫神「……やはり。上条君は優しい」
164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/01(火) 22:59:29.78 id:VzywLDBu0
姫神超頑張れ!
189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 03:19:11.97 id:eX48Ebjf0
丁度、皿に並べられた料理が4分の1程度無くなった頃。担任である月詠小萌から電話が掛って来た。
焼き肉をするから一緒に食べないか? という内容だ。いつもならばとても有難い誘いではあったが、生憎、腹の具合も八分目。
こんなコンディションでそんな物が胃に入るわけも無く、残念ではあったが、丁寧に断りの返事をしようとする。
が、地獄耳を立てていたインデックスが『焼き肉』のフレーズを聞いた途端、向こうへとすっ飛んで行ってしまった。
上条「まだ食えるのかよ……あいつ、本当は魔術を使えるんじゃないのか?」
姫神「私も。まだ。大丈夫」
上条「あっ、姫神も行きたいなら行っていいぞ。小萌先生には伝えておくから」
姫神「君は。行かないの?」
上条「上条さんの胃袋はもう一杯なのですよー。姫神にはいろいろ手伝ってもらったし、遠慮する必要はないぞ?」
姫神「そう……なら。私も一緒に残る」
上条「いや、俺に気を使わなくていいって。行きたいなら」
姫神「私も。残る」
上条「そ、そうか。じゃあ、色々片づけるの手伝ってもらってもいいか?」
姫神「がってん。承知した」
192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 03:44:37.35 id:eX48Ebjf0
――
上条「ふぅ。取り合えずは一段落ってところか」
姫神「上条君。コーヒーが欲しい」
上条「あぁ、お疲れさん。やっぱり二人だと作業が進むな」コポコポ
姫神「あ。やっぱりお茶に変更」
上条「……ふふふ。この上条さん、何度も同じ手に引っ掛かりはしないのですよ……そう言うと思って、すでにお茶を用意しておいたのだ!!」
姫神「むむむ。案外やり手」
上条「ふははは。潜ってきた場数が違うのですよ! 場数が!!」
姫神「……上条君。これ。紅茶」
上条「ふはは、は……え? 紅茶?」
姫神「うん。紛れもない。紅茶」
上条「な、なんですと……な、何故、お茶のパックの中に紅茶が……」
姫神「やはり。爪が甘い」
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 03:59:24.36 id:eX48Ebjf0
――
姫神「そろそろ帰る」
上条「ん、分かった」
姫神「……」
上条「……」
姫神「……」
上条「?? ど、どうした?」
姫神「今は午前中とはいえ。私の性別を考えてほしい」
上条「???……あ。み、見送ろうか?」
姫神「そうしてもらえると。有難い」
上条「おし。じゃあ行くか」
姫神「うん」
197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 04:39:07.65 id:eX48Ebjf0
――
見送りと言っても、家を知らないため、道案内は彼女に任せる。
姫神秋沙は上条当麻を視界に捉える事が出来るくらい、ほんの僅か前を歩いている。
道中は、お互いの共通点である料理の事や学校の事、そして
姫神「上条君」
上条「何だ?」
姫神「付き合っている人は居るの?」
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 04:41:36.74 id:eX48Ebjf0
上条「ぶっ!!」
姫神「答えて。ほしい」
上条「きゅ! 急に何て質問をするのでせうか!?」
姫神「どっち?」
上条「……あぁ、そうだよ」
姫神「えっ?」
上条「居ない!! 居ません!! できた事もないですよー!! チクショー!!!」
姫神「そ。そうなんだ。納得」
上条「どーせ、上条さんはもてませんの事よー」
姫神「……良かった」ボソリ
201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 05:12:31.81 id:eX48Ebjf0
――
そして、会話も途切れ途切れになった時、昨日の河川敷へと辿りついた。
上条「あ、姫神の家。ここら辺だったのか」
姫神「うん。寮だけど。そして。見送りはここで大丈夫」
上条「そっか。じゃあ、また学校でな」
姫神「待って」
上条「ん、どうした?」
姫神「最後に。質問。いい?」
上条「おぉ。別にいいけど?」
姫神「……」
上条「?」
姫神「……私と。付き合って欲しい。いい?」
202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 05:15:49.33 id:eX48Ebjf0
上条「…………あぁ。いいよ」
姫神「…………ふふ」
姫神「恐らく。君は勘違いしてると思うけど。言質は取った」
上条「へっ?」
姫神「何でもない。自分の発言には責任を持って。それじゃあ」
そう言うと、小走りで住宅団地の方へと小走りで走り去っていった。
上条「何だったんだ?……付き合ってって、買い物の事だよな…………
あれ? でも、買い物なら私『に』ってならないか?…………まぁ、いいか。お馬鹿な上条さんは考えるだけ無駄なのですよー」
その帰り。何故か気分が良かった。陽気に鼻歌を口ずさむくらいに。
205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 05:56:19.71 id:eX48Ebjf0
――
上条「ふふふーん」
御坂「ちょっとあんた!!」
上条「ん? あぁ、御坂か」
御坂「……あんた、何で返事返さないのよ」
上条「返事? 何の事だ?」
御坂「っっ……す」
上条「す?」
御坂「すっとぼけるんじゃねぇぇぇ!!!!」バチバチ
上条「い゛ぃぃ!?」
迫って来る電流を咄嗟に右手で防ぐ。
上条「あ、危ねぇな!!」
御坂妹「待って下さいお姉さま」
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 05:58:47.16 id:eX48Ebjf0
上条「み、御坂妹」
御坂「どきなさい。折角の人の誠意を無駄にしたのよコイツは」
御坂妹「何があったのかは知りませんが、ミサカも彼に聞きたい事があります」
御坂妹「さて」
上条「??」
御坂妹「どうして、返事を返してくれなかったのでしょう。と、ミサカは憤りを抑えながらあなたに質問します」
上条「?? いや、何の事を言ってんのか全然分からねぇよ」
御坂「あ、あんたまさか!?」
御坂妹「でしたら、簡潔に述べます」
御坂妹「ミサカは1月1日午前12時。俗に言う、『あけおめメール』なる物をあなたに届けました。
しかも、ただの新年の挨拶だけでは無く、初詣のお誘いを記述した物をです。
しかし、1時間2時間まてども返信は来ず、結局はアクセラレータの野郎と行くはめになりました。
あなたはミサカを無視する理由があったのですか? あったのなら理由を今すぐ述べて下さい。10秒以内に」
上条「メール? い、いや、メールなんて」
207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 06:00:27.13 id:eX48Ebjf0
御坂「へぇ……? あんた、私だけで無く、この子に対しても無視したと……」パチッ
上条「み、御坂さん? どうして帯電していらっしゃるのでしょうか?」
御坂「さぁ……? どうしてでしょうねぇ……?」パチパチ
上条「ちょ! ちょっと待ってくれ! メールなんて一通も来てないんだって!!」
御坂妹「では、あなたの携帯電話を見せて下さい」
上条「いいぜ! ほら!」スッ
御坂妹「どれどれ」ピッピッピ
御坂妹「ほうほう。新着メール10008件。内容は全て同様の物であると思われ、なおかつ全て未開封です」
上条「へっ?」
御坂「へ、へぇ~……。そんな数のメールが来てたにも関わらず、全て未開封……つまりは、そんな事にも気付かない程……何かをしていたって事よね?」バチバチ
上条「こ、これは何かの間違いで……そ、そう! 誰かの陰謀が!!」
御坂「く、くくく……一体どこの小娘と熱中しとったんじゃあぁぁあああ!!!!!!!」ビリビリ!!
上条「ふ、不幸だぁあああああ!!!!!」
終わり
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 06:01:08.80 id:WI0Q4kus0
>>207
ちょっと最後の1行が見えないから続けて
209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 06:02:55.93 id:eX48Ebjf0
取り合えずは一旦お終いです。
また、同じような事が起きたら面倒くさいので。
今から短編的なものを書きますが、時間がかかるかもしれません。
212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 06:08:51.50 id:gfp3m0eyP
姫上でこれの続きの短編ならかまわんが
213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/02(水) 06:09:42.47 id:tICyrToR0
姫神SSは貴重なんや…
もうちょっとがんばってくれ、頼む
和「私に言わせればね……ぬるいのよ、梓ちゃんのいたずら」
1 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 22:46:59.32 UwZ18GCR0 1/27
梓「ぬるいですか」
和「その程度じゃ唯達を驚かせるなんて出来ないわ」
梓「澪先輩は驚いてくれましたけど」
和「澪は別よ。文庫本の中身官能小説に変えただけで気絶する娘だもの」
梓「……その中身、和先輩が買ったんですか?」
和「堂々と買えば案外恥ずかしくないものよ。男性店員ならむしろ興奮してくれるわ」
梓(……そうなのか)
和「軽音部、今日唯の家に泊まるのよね?なら、手始めに唯を驚かせてあげる」
梓「期待してます」
――
唯「誰!?私の単語Tシャツ全部に「夜の」付け足したの!!」
4 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 22:58:13.67 UwZ18GCR0 2/27
紬「あら、よく出来てるわ」
澪「夜のポリスメン……あ、詩が出来そう」
梓(これか……なんて手の込んだ事を!!)
唯「こんな事するのは……律ちゃんでしょ!!」
律「へっ!?何で私になるんだよ!!」
唯「これも、これも、これも!!全部プリントしてある!!
こんなやらしいTシャツもう着れないよ~!!」
梓(あの顔は「Tシャツはダメになったがネタとしては割と美味しい」と思っている顔……!
さすが和先輩……すごい……!!)
7 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 23:13:36.42 UwZ18GCR0 3/27
和「どうだった?昨日は」
梓「唯先輩、泣きながらも口元だけは笑ってました」
和「それが大事よ。いたずらと嫌がらせの境界線、そこを見極めるのに私は4年かかったわ」
梓(たった4年……化け物……!!)
和「今日はもう落ち着いてたみたいだったけれど。憂ちゃんが何か手を打った?」
梓「そこまで分かってるんですね。憂が「イキガミ」って書いたTシャツ渡したら落ち着きました」
和「あぁ、あれレアなのよね。24時間限定販売。
……夜のイキガミ……いまいちね」
梓(限定品まで狙う……悪魔だ……!)
9 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 23:33:06.13 UwZ18GCR0 4/27
和「次は律にしましょうか」
梓「律先輩ですか?一番強敵な気がしますけど」
和「大丈夫。今日は練習あるのよね?後で部室にお邪魔するわ」
梓「はい」
――
律「よーし、そろそろ練習すっか!」
澪「そうだな」
――ガラッ
和「こんにちは」
唯「あ、和ちゃん。どうしたの?」
和「そろそろ部室の明け渡しの時間だから。片付けは済んでるかしら」
11 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 23:40:03.33 UwZ18GCR0 5/27
梓「……へ?」
澪「あけ、わたし……?」
律「お、おい和……何言って……」
和「何って、律が提出したんじゃない。この書類」
律「書類……?」
紬「な、なにこれ……!」
唯「は、廃部申請書!?」
和「えぇ。ほら、ここに律の署名」
律「ち、ちょっと待て!!私が出したのはステージの使用申請書で……!
大体廃部申請書ってなんだよ!そんな書類……!!」
梓(和先輩……これは嫌がらせの域に入るのでは……)
12 : 以下、名... - 2010/09/14(火) 23:49:45.14 UwZ18GCR0 6/27
唯「和ちゃん……やだ、こんなの嫌だよ……!!」
律「嘘だ……こんなの何かの間違いだ!!」
澪「廃部……そんな……」
紬「もう、この部屋でケーキを食べたり出来ないの……!?」
梓(先輩方、少しは疑いましょうよ……)
和「――安心しなさい、あなた達」
「「「「!!」」」」
和「唯あなた、私を誰だと思っているの?」
唯「和ちゃん……せ、生徒会長!!」
和「そう私は生徒会長。こんな紙切れ一枚……こうよ」 ――ビリッ
澪「!!」
紬「の、和ちゃんすごい!!」
梓(……?)
和「ふふ。じゃあみんな、素敵な放課後を」
律「和……ありがとう……!!」
梓(いや……何だこれ……?)
16 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 00:07:14.27 RwSUzSts0 7/27
和「ふー……想定してた以上に本気で泣きそうな顔してたから焦ってしまったわ」
梓「あ、やっぱり失敗だったんですね……あれ」
和「失敗じゃないわ。ちょっとやり方を間違っただけよ」
梓(それを失敗というんじゃ……)
和「律は後。紬から仕留めましょう」
――
紬「あら……このケーキ、持ってきたのと違う気がするけど……。
でも、たまには辛いケーキも美味しいわ」
梓(1勝2敗……負け越しましたよ和先輩……・)
18 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 00:19:19.81 RwSUzSts0 8/27
梓「和先輩、辛いケーキとか使い古されてるにも程があるでしょ」
和「辛いケーキ?何それ?」
梓「え?昨日ムギ先輩の……」
和「私が仕掛けたのはキーボードよ。三味線の音が出るようにしたんだけど。
驚いたでしょ」
梓「……昨日、練習してません。ケーキ食べて雑談して終わりました」
和「……」
梓「……」
和「……結構お金かかったんだけど」
梓「もうホントすみません……」
22 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 00:45:13.52 RwSUzSts0 9/27
梓(あれ、じゃあケーキは誰が……)
梓(あのケーキ、ムギ先輩は気付いてたみたいだけど、私の目には本物と同じに見えた)
梓(持ってきたのと違うって事は、家を出るときには本物……学校ですり替わった?)
梓(ムギ先輩の持ってきたケーキを確認してから、本物そっくりの辛いケーキを作りあげ、すりかえた……?)
梓(軽音部の関係者でかつ、そんな芸当が出来そうな人間は……!)
――
憂「どうかした?梓ちゃん」
27 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 00:57:31.38 RwSUzSts0 10/27
梓「……ムギ先輩のケーキ」
憂「あれ、気付いてたんだ」
梓「何であんなこと……まぁムギ先輩ほとんど動じてなかったけど」
憂「お姉ちゃんがね、紬さんが「私ドッキリにかかるのが夢なの~」って言ってた、って言うから。
ちょっと古典的すぎたかな」
梓「……ちなみにそれは?」
憂「じょろきあ、とかいう唐辛子を使ったシュークリームだよ。今日こそ驚かすんだ~」
梓「ケーキならともかく、シュークリームじゃムギ先輩がそれ取ってくれるか分かんないよ?」
憂「……」
梓「……」
憂「……純ちゃん、食べるかな」
梓「責任もって自分で食べなさい」
37 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 11:36:41.78 IdryIQ350 11/27
梓「ケーキの件は解決しました」
和「そうなんだ。じゃあ私
梓「生徒会に行きますか。……いや、逃げますか」
和「なんですって?」
梓「律先輩とムギ先輩を仕留め損なったまま戻りますか。
安心安全な自分のホームへと」
和「……言ってくれるわね」
梓「昔の和先輩はそんなじゃなかった……もっとイキイキと輝いていましたよ!」
和「……いや梓ちゃん昔の私知らないわよね」
梓「はい」
39 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 11:52:00.17 IdryIQ350 12/27
和「……」
梓「……」
和「……話は終わり、ね」
梓「和先輩……!」
和「あ、そうだ梓ちゃん」
梓「何ですか」
和「髪、片方だけ縛るのは少し変だわ」
梓「へ?――っ!!」
梓(私のヘアゴムっ……いつの間に!!)
和「ハンカチの用意をしておきなさい。
かつてTrick or Tearsと呼ばれた私の本気の悪戯、涙無しには見れないわ――!」
梓「な……」
梓(なんか妙に異名凝ってて腹立つ――!)
68 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 21:47:49.28 K0WnouQ70 13/27
梓「すみません遅くな、り……ま……」
澪「あ、梓!」
唯「あずにゃん!これ見て!」
梓「ドラムセットが……2つ……?」
律「……こっちがいつも使ってるやつだ。
ムギでもさわちゃんでもないって言うし……誰が持って来たんだ?」
梓(いや……それは分かる。ほぼ確実に和先輩だ。……けど、これがいたずら?)
唯「どうせ2個あるんなら使おうよ!あずにゃんやってみたら?」
梓「へ?」
69 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 21:54:19.04 K0WnouQ70 14/27
唯「いつもはギターが二人だし、今日はツインドラムって事で!」
紬「あら、面白そう~!」
梓「え、で、でも……」
澪「そうだな、いいんじゃないか」
律「ふっふっ、厳しく指導してやろう!」
唯「さぁあずにゃん、座って座って~!」
梓「は、はい」
72 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:07:09.81 K0WnouQ70 15/27
――
唯「す、すごーいあずにゃん!ドラムも出来るなんて!」
澪「本当にな。律より上手いんじゃないか?」
律「おい澪こんにゃろう……梓お前、本当にドラム未経験なのか?」
梓「初めてです。まあ、近くにお手本がいましたから」
律「っ!……聞いたかお前ら特に澪」
澪「ああ。律が万が一があってもHTTは解散しないで済みそうだ」
律「にゃろう!」
梓「……」
――
梓「……あれが、和先輩の本気の悪戯なんですか?」
和「そうよ。まだ途中だけど」
梓「……?」
73 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:18:28.50 K0WnouQ70 16/27
梓「すみません遅くな、り……ま……」
紬「あ、梓ちゃん!」
唯「あずにゃん!これ!」
梓「今日は……キーボード?」
――
紬「うん……うん。上手よ、梓ちゃん」
梓「やっぱり難しいですね。指がうまく回らないです」
律「梓、今の台詞「やっぱり」の後に「ドラムに比べると」が入っただろ」
梓「そんな事思ってないですよ!」
紬「でもちゃんと弾けてるわ。この部分もう少しやりましょうか」
梓「はい」
76 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:30:37.77 K0WnouQ70 17/27
和「……」
梓「なんなんですか、あれ」
和「ん?だから、悪戯よ。ちょっとしたいたずら」
梓「先輩達、喜ぶだけで驚いたり不思議がったりはしてませんよ。
順応性異常に高いんです、軽音部」
和「うん、知ってる」
梓「……それ、何してるんですか?」
和「これ?クラシック研からジャズ研への果たし状。負けたら部室を明け渡せ、ってね」
梓「うち、クラシック研なんてありましたっけ」
和「ないわよ?ないからこそ、いたずらで済むんじゃない」
梓(……いろいろちょっかい出してるんだなぁ)
78 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:37:29.82 K0WnouQ70 18/27
――
梓「今日は、ベース……」
澪「普通に右利き用だから、梓でも弾けるな」
梓「そ、そうですね」
律「ギター弾きなら、ドラムとキーボードよりはとっつきやすそうだな」
唯「並んで立つと左右対称でかっこいいねー!」
紬「それならヘアゴムも外して……」
梓「へ?あ、ムギ先輩……!」
唯「おぉ、澪ちゃんが二人!!」
――
79 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:48:25.31 K0WnouQ70 19/27
憂「おはよう、梓ちゃん……」
梓「おはよ、……やっと唇の腫れ引いたね」
憂「……うん。もう2度とジョロキアに手を出したりしないよ」
純「2ヵ月後、そこには元気に庭を駆け回る憂の姿が」
梓「おはよ、純。ごめん、ネタが分からなくて突っ込めない」
純「勉強不足だな梓は。そんなことより聞いてよ、昨日うちの部室に果たし状が届いてね!」
梓「……へー」
純「負けたら部室を明け渡せって!どこから来たと思う?てか梓は知ってるか」
梓「さぁ?……クラシック研とか?」
純「ぶっぶー、軽音部」
梓「へー……、はぁ!?」
81 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 22:59:56.29 K0WnouQ70 20/27
――
和「あぁ、ついうっかり。驚いた?」
梓「うっかりじゃないですよ!律先輩なんて結構乗り気だったんですから!
唯先輩だって領土拡大だーとか言い始めるし!」
和「でも梓ちゃん、」
梓「何ですか!」
和「負けるとは思ってないでしょ?」
梓「……!」
和「部室行ったら?唯達待ってるわよ、梓ちゃんのこと」
84 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:07:45.38 K0WnouQ70 21/27
梓(……わからない、和先輩が何を考えてるか)
澪「遅かったな、梓」
律「よーし、お茶にするか」
紬「そうね」
唯「ほら、あずにゃん座って」
梓「は、はい」
――
律「そん時はジャズ研の連中まとめて軽音第2支部にしちまえばよかったんだよ」
唯「おぉ、一気に部員が増えるね!」
梓「あ、あの」
澪「ん?どうした」
梓「今日は……楽器、普通に1台ずつですね」
87 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:15:24.93 K0WnouQ70 22/27
紬「ふふ、そういえばそうね」
律「ツインドラムも悪くなかったけどなー」
梓「……?」
澪「どうだった?ドラムとキーボードとベース、一通り触ってみて」
梓「どう、って……他の楽器触るのも楽しいなーとは思いましたけど」
唯「上手だったよー、あずにゃん。……これなら、」
唯「新入生が入ってきても、ギター以外も教えられるね」
梓「……え……?」
93 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:29:33.83 K0WnouQ70 23/27
梓「ぇ、あ……み、みなさん……あれ、誰がやったのか……」
紬「和ちゃん」
唯「うんうん」
澪「楽器手に入れたのはムギだけどな」
梓「な、なんで……」
律「イタズラしたかったんだってさー。梓に」
98 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:40:24.42 K0WnouQ70 24/27
紬「……私達、もうすぐいなくなっちゃうでしょう?」
澪「アルバム以外も梓に何か残せないかって教室で話してたら、和がさ」
梓「ぁ……あ、」
律「回りくどいかなーとは思ったんだけどな」
唯「和ちゃん昔から、いたずら得意だったから」
梓「ぅ……うぅ……」
唯「……あずにゃん」
梓「ちょっと……トイレ、行って来ます……っ」
――
ガチャッ
和「用意しとけって言ったのに」
梓「……ぁ……うぅ……」
和「使う?ハンカチ」
103 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:50:13.96 K0WnouQ70 25/27
梓「い、りま……ぜん……っ」
和「そう」
梓「あの、程度で……本気ですか……っ」
和「そうね。あれで精一杯」
梓「ぜんぜん……ひっく、泣け、ません……」
和「そう、残念」
梓「……っ、」
和「……」
梓「和、せんぱい……も、」
和「?」
梓「そつぎょう……しちゃう、の……?」
106 : 以下、名... - 2010/09/15(水) 23:56:32.71 K0WnouQ70 26/27
和「え?しないけど」
梓「…………………へ?」
和「私留年したからもう1年。同級生ね」
梓「う、うそ……ですよね?」
和「うん、嘘」
梓「……」
和「……」
107 : 以下、名... - 2010/09/16(木) 00:06:58.04 6pG4o25r0 27/27
梓「い、いつか……!」
和「?」
梓「私が、和先輩にいたずらしに行きますから!」
和「……そう」
梓「思いっきり泣かせちゃいますから!!」
和「楽しみ」
梓「だからそれまで!誰にもいたずらされないで下さいね!!」
和「……」
梓「……」
和「なんだかいやらしい意味に聞こえるんだけど」
おわり
ハルヒ「な、なによこいつ……」
1 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 22:48:41.21 89HeqMFp0 1/102
ハルヒ「ど、どっから出てきたのよ!」
ミニハルヒ「みー?」
ハルヒ「う、宇宙人かしら……っていうか生き物?」
ミニハルヒ「みー」
ハルヒ「……これってどう見てもあたしよね」
ミニハルヒ「うー♪」
ハルヒ「……」
ミニハルヒ「あーぐー」
かじかじ
ハルヒ「あ、こ、こら!それ消しゴムだってば!食べられないの!」
ミニハルヒ「むー……」
ハルヒ「……うーむ」
6 : >>3そうです。規制が解けたので約束通り書きます - 2010/01/26(火) 22:56:01.24 89HeqMFp0 2/102
~SOS団部室~
ガチャ
ハルヒ「……はあ」
みくる「あ、涼宮さん。今お茶淹れますね」
ハルヒ「ありがとみくるちゃん……はあ」
みくる「?」
ハルヒ「まったく」
みくる「どうかしたんですか?」
ハルヒ「え?いや、その、うーん……いきなりこんなこと言っても信じられないでしょうけど」
みくる「なんですか?」
ハルヒ「あの、ちっちゃいあたしが……」
みくる「?」
ハルヒ「いや、なんていうか……この、手のひらサイズのね?あたしが、どこからともなく」
みくる「す、涼宮さん……?」
7 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 22:59:32.58 89HeqMFp0 3/102
ハルヒ「かくかくしかじかなのよ」
みくる「は、はあ……昨日の夜からですか」
ハルヒ「虫かごにでも入れて閉じ込めてやろうかと思ったんだけど、学校行ってる間に親に見つかっても面倒だし」
みくる「連れてきちゃったんですね」
ハルヒ「まあ、幸い人見知りというか、臆病だから、ずっと鞄から出てこないから今の所何も起きてないんだけど」
みくる「はあ」
ハルヒ「……あんまり驚かないわね」
みくる「ひ、ひぇ!?お、おお、驚いてますよぅ!たぶん驚きすぎて一周しちゃったんです」
ハルヒ「まあ、突拍子も無い話だものね」
みくる「それで、その小さい涼宮さんは?」
ハルヒ「ああ、鞄の中よ。見る?」
ごそごそ
ハルヒ「あれ?」
8 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:02:04.81 89HeqMFp0 4/102
ハルヒ「おかしいな……」
みくる「あ、あの涼宮さん、もしかして……」
ハルヒ「う、嘘じゃないわよ!その可哀そうな人を見る目をやめなさいって!」
みくる「もし逃げられたなら、どこかで見つかって大騒ぎになったりしないかな……」
ハルヒ「こ、困ったわね」
ガチャ
キョン「よう」
ミニハルヒ「みー♥」
キョン「……さっきからまとわりついてるこいつは、俺の幻覚ではないよな?」
ミニハルヒ「みゅー」
みくる「あ……あ……」
ハルヒ「……ね、嘘じゃないでしょ?」
みくる「ブクブク……」
11 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:04:22.99 89HeqMFp0 5/102
ハルヒ「……」
ミニハルヒ「にー」
古泉「おやおや」
長門「……ユニーク」
みくる「なんなんでしょうねえ」
キョン「……いっそみんなで無かったことにしないか?」
古泉「といっても、目の前にいますから」
ミニハルヒ「みゅー♥」
ハルヒ「なんでもいいけどキョンから離れなさい!あたしにそっくりだから見てると鳥肌が立つのよ!」
ミニハルヒ「むー!」
キョン「少なくともお前よりは大人しいけどな」
ミニハルヒ「ちゅー」
ちゅっ
キョン「!?」
ハルヒ「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ」
12 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:09:04.32 89HeqMFp0 6/102
ミニハルヒ「みゅー♥」
すりすり
古泉「なんだか懐かれてしまったようですね」
キョン「勘弁してくれよ、ウチにはもうシャミセンがいるんだぞ」
ハルヒ「ちょっと!あたしを猫を一緒にすんじゃないわよ!」
キョン「お前じゃないだろ、こいつだよ」
ミニハルヒ「にー!」
もぞもぞ
キョン「うわ!ちょっ!こら、何すんだ!チョロチョロすんな!」
ミニハルヒ「きゅー」
みくる「あ!今背中の方に潜っていきましたよ!」
キョン「ひぃ!?や、やめろ!」
ミニハルヒ「みー」
ひょこっ
古泉「……どうやらシャツの胸元から顔を出すのが彼女なりのベストポジションみたいですね」
13 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:11:24.39 89HeqMFp0 7/102
みくる「でも見慣れるとなんだかかわいいですね、ちっちゃくて」
ミニハルヒ「?」
キョン「じゃあ朝比奈さんが持っててくださいよ、これ」
ハルヒ「そ、そうよ!みくるちゃんの方がいいわ!ほら、ちょっとこっち来なさい!」
ひょいっ
ミニハルヒ「!?」
ミニハルヒ「みー!みー!」
みくる「なんか嫌がってる気が……」
ハルヒ「はい、みくるちゃん」
ミニハルヒ「……」
みくる「こ、こんにちは~」
ミニハルヒ「む!」
がじがじ
みくる「ひっ!?いたいいたい!ひぃぃ!ごめんなさいぃ!噛まないで~!」
19 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:15:35.03 89HeqMFp0 8/102
ミニハルヒ「みゅー♥」 ゴソゴソ
古泉「また彼の胸元に戻りました」
みくる「とっても幸せそうな顔してます」
キョン「はぁ、どうすんだよこれ……」
ハルヒ「そんなことあたしにわかるわけないでしょ!」
キョン「かといって、このままというわけにはいかんだろ」
ハルヒ「それは、まぁ、そうだけど」
ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」
キョン「うおっ、急にどうしたんだ」
ハルヒ「このエロキョン、あんたいったいあたしに何したのよ!」
キョン「なにもしてねぇ!」
ハルヒ「何もしてないのに騒ぐわけないでしょ!」
クイクイ
長門「空腹」
21 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:18:08.48 89HeqMFp0 9/102
キョン「なんだ、単に腹が減ってただけか」
みくる「あ、わたしクッキー持ってますけど」
ハルヒ「ナイスよみくるちゃん!」
みくる「えっと、でも、」
キョン「どうしたんですか?」
古泉「あなたが食べさせたほうがいいでしょう。先ほどのように噛みつかれるかもしれませんし」
キョン「まったく、だれかさんに似て我儘なやつだ」
ハルヒ「ちょっと、今のどういうことよ」
キョン「そのままの意味だ」
ハルヒ「なによ、文句があるならはっきり言いなさいよ!」
ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」
長門「ケンカはあと。今は食べさせるのが先」
キョン「ああ、すまなかったな。ほらっ」
23 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:22:21.94 89HeqMFp0 10/102
キョン「ほれっ、あーん」
ミニハルヒ「みー」かじかじ、かじかじ
キョン(これはっ)
みくる(かっ、可愛い…)
ハルヒ(うらやましいなぁ)
キョン「どうだ、うまいか?」
ミニハルヒ「みー」
長門「クッキーだけではのどに詰まらせる恐れがある」
みくる「あの、カップの受け皿にミルク入れてみたんですがどうでしょう」
ミニハルヒ「みー」チビッ、チビッ
キョン(か、可愛すぎるっ)
みくる(ふぇぇ、子猫みたいです)
25 : >>22 厚さ0.1mmの世界 - 2010/01/26(火) 23:25:59.84 89HeqMFp0 11/102
キョン「はっ、いかんいかん、ハルヒのあまりの可愛さに見蕩れてしまっていた」
古泉「これはこれは」
みくる「ふぇぇ、涼宮さん顔が真っ赤です」
ハルヒ「き、今日はもう解散、いいわね」
キョン「おい、こいつはどうするんだ」
ハルヒ「知らないわよ、あんたに懐いてるんだからあんたが世話しなさい」
バタンッ!
キョン「まったく、急にどうしたんだよ」
古泉「まったく、あなたという人は」
キョン「俺、何かしたのか?」
古 み 長「はぁ」
27 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:31:35.05 89HeqMFp0 12/102
古泉「それより、」
ミニハルヒ「みー、みー」もぞもぞ
キョン「あっ、こら動くな、くすぐったい」
古泉「この状況を何とかしなければなりません。長門さん、ご協力願えますか」
長門「かまわない、私という個体も早期解決を願っている」
キョン「あ、こら、そっちはだめだって」
みくる(なんとなくいやらしく聞こえます)
28 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:34:08.93 89HeqMFp0 13/102
古泉「まずこうなった原因ですが」
長門「涼宮ハルヒが彼とより触れ合っていたいという願望が増大し、結果、あのような形で具現化されている」
古泉「なるほど。確かにより触れ合えてるとはいえますが、なぜあのような手のひらサイズになったのでしょう」
長門「あのサイズでは自力での生活は困難。よって必ず彼の手を借りることになる。これには涼宮ハルヒの
もっと彼にかまってほしいという願いが影響したものと思われる」
古泉「んっふ、涼宮さんも一人の女の子というわけですね」
キョン「おい、古泉、そんなところでのんびりしてないで手伝ってくれ」
キョン「痛っ、こら、耳を噛むんじゃない」
ミニハルヒ「むー……」
キョン「すねたって駄目だ、ほら、降りなさい」
ミニハルヒ「みーっ!みーっ!」ジタバタ
みくる「キョン君から離れるのを嫌がってるみたいです」
キョン「駄目だ、降りなさい」
30 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:36:29.48 89HeqMFp0 14/102
古泉「実に微笑ましい光景です」ニヤニヤ
キョン「チクショウ、他人事だと思いやがって」
古泉「いっそこのままでもいいのではないですか?」 ニヤニヤ
キョン「んなわけあるか! ほら、お前も降りた降りた」
ミニハルヒ「むーっ!」ジタバタ
ピリリッ、ピリリッ
古泉「なん…だと…」
長門「あれは涼宮ハルヒの願望が具現化したもの。願望実現能力の一部といっても過言ではない。
そのため、今彼の手元にいる個体が不機嫌になれば閉鎖空間が発生する」
キョン「解説ありがとう、長門。古泉、どうやら他人事では済まなくなったようだな」ニヤッ
古泉「どうやらそのようです。すみません、閉鎖空間に向かいます。また後ほど話し合いましょう」
32 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:39:04.21 89HeqMFp0 15/102
キョン「さてと、で、結局お前は降りないんだな……」
ミニハルヒ「みー♥」
みくる「それにしても本当に可愛いですね」
長門(また彼のシャツの胸元に)
キョン「長門、こんな時もお前頼みで悪いんだが、どうすれば解決できるんだ」
長門「今回は涼宮ハルヒがあなたともっと触れ合いたいと思ったことがきっかけ。よって、本体の願望を満たせばよい」
キョン「は? なんだって?」
34 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:41:24.57 89HeqMFp0 16/102
長門「具体的には、手をつなぐ、抱きしめる、キスをするなどの、身体的接触を伴う行為」
みくる「ふぇぇ、そ、それって」///
キョン「それは、どのくらい続けないといけないんだ?」
長門「涼宮ハルヒが満足するまで。そのことについて話し合う。今夜七時に私の家に来て」
キョン「おい、それまでこいつはどうするんだ」
ミニハルヒ「みー♥」
長門「情報操作によって、あなたは以前からその状態だったということにしておく」
キョン「わかった。ひとまず解散しよう」
ミニハルヒ「うー♪」
36 : >>33自分、不器用ですから - 2010/01/26(火) 23:44:10.23 89HeqMFp0 17/102
ー帰り道ー
キョン「それにしても、どうしてこうなったんだか……」
ミニハルヒ「♪」
キョン「はぁ、お前はいいよな、気楽そうで。ん、今度は頭に登ったりしてどうしたんだ?」
ミニハルヒ「みー♥」 オデコテシテシ
キョン「慰めてくれてるのか。ありがたいがその悩みの種ががお前なんだよなぁ」
ミニハルヒ「むー!」グイグイ
キョン「いてて、こら、前髪を引っ張るな」
ミニハルヒ「むー!」プイッ
38 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:46:25.87 89HeqMFp0 18/102
ー自宅ー
キョン「はぁ、やっと家に着いた」
ミニハルヒ「むー」
キョン「ほら、プリンやるからいい加減機嫌直せよ」
ミニハルヒ「みー♥」
キョン「現金なやつめ。ほら、あーん」
ミニハルヒ「」パクッ
キョン「どうだ、うまいか?」
ミニハルヒ「みー♥」
キョン(か、可愛い…)
39 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:49:04.75 89HeqMFp0 19/102
ー午後七時、長門宅ー
キョン「さて、来てみたはいいものの、古泉よ」
古泉「なんでしょう?」
キョン「どうしてそんなに傷だらけなんだ?」
古泉「何と言いますか、今回の閉鎖空間が厄介でして……」
キョン「というと?」
古泉「神人が出てくるのはいつもの通りなんですが、どうも部室であなたに不快感を与えたのがまずかったみたいでして、
僕だけピンポイントに狙われてしまったんです」
キョン「よくやったな、えらいぞ」ナデナデ
ミニハルヒ「みー♥」
42 : >>37ただしキョン以外は(ry - 2010/01/26(火) 23:52:13.13 89HeqMFp0 20/102
古泉「それはともかくとして、あなたはどうするのですか?」
キョン「どうって言われてもなぁ……」
古泉「長門さんの話によるとあなたが涼宮さんを満足させるほかに方法がなさそうですが」
キョン「まぁ、なんとかなるだろ」
みくる「ふぇ、でもそれってキョン君が涼宮さんと」///
長門「それ以外に方法はない。私たちも我慢するから頑張って」
キョン「我慢?」
長門「情報の伝達に齟齬が発生した。それよりこれを」
キョン「なんだこれ?ノート?」
長門「明日からあなたの取るべき行動のマニュアル。これをすべて覚えてもらう」
キョン「おいおい、マジかよ……」
古泉「とりあえず中身を見てください。あなたが到着するまで我々三人で考えたものです」
みくる「キョン君、頑張ってください」
43 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:54:53.23 89HeqMFp0 21/102
キョン「拒否権は、」
古 み 長「ない」
キョン「ですよねー」
ミニハルヒ「みー♥」
キョン「お前は気楽でいいよなぁ…」
ミニハルヒ「み?」
キョン「いや、気にするな。いいさ、やってやる。いったん目を通すから時間をくれ」
44 : 以下、名... - 2010/01/26(火) 23:57:10.43 89HeqMFp0 22/102
ーキョンのお勉強タイムー
ミニハルヒ「みー!、みー!」
キョン「こら、おとなしくしてなさい。えーと、具体的な、」
ミニハルヒ「みー!」
ガジガジ
キョン「痛っ、こら、耳を噛むな!」
ミニハルヒ「みー!」プイッ
古泉「どうやらあなたにかまってもらえなくて寂しいようですね」
ミニハルヒ「みー♥」
キョン「勘弁してくれ……」
45 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:00:07.54 xguwB0Vu0 23/102
長門「朝比奈みくる、こちらへ来て」
みくる「ふぇ、な、なんですか」
長門「このままでは彼がノートを読めない。よって協力してほしい」
みくる「かまいませんけど、何をすればいいんでしょう?」
長門「こちらの部屋へ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガラッ カチャ
みくる「ふぇ、なんですかここ?どうして鍵をかけるんですか?」ビクビク
長門「黙って。」
みくる「わ、長門さん、や、あ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キョン「何が起こってるんだ」ゴクリ
47 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:02:59.61 xguwB0Vu0 24/102
ガラッ
キョン「おっ、出てきたみたい…、て、えぇぇぇぇぇ」
みくる「ヒック、グス」メソメソ
キョン(巫女さん姿でほほを赤らめつつ涙を流す姿、正直、たまりません)
ミニハルヒ「みー!」ピョン
キョン「あ、おい」
ゴソゴソ
みくる「ふぇ、涼宮さん、そこはダメ、んっ、」
キョン(ミニハルヒが朝比奈さんの巫女さん衣装のなかに)
キョン「うらやましい!」(おい、やめろミニハルヒ!)
みくる「ふぇ」///
古泉「おやおや」
長門「馬鹿…」
キョン「あ、いや、これはですね、えーと、なんて言うか」
みくる「ふぇぇ」///
48 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:05:59.23 xguwB0Vu0 25/102
キョン「それよりもだ、長門、どうしてコスプレなんだ?」
古泉(逃げましたね)
キョン「つまりコスプレ好きは変わらないってことか」
長門「そう」
キョン「しかしこれは…」
みくる「あっ、そっちは、あんっ、あまり動かないで」///
キョン(眼福だ)
長門「あちらは問題ない。朝比奈みくるが気を引いているうちに早くノートを」
キョン「もっと見ていたい」(あ、ああ、わかったよ)
古泉「んっふ、本当に思考がダダ漏れです」
50 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:08:50.97 xguwB0Vu0 26/102
ー再びキョンのお勉強タイムー
キョン「あーなになに」
今回の騒動の原因は涼宮ハルヒがあなたともっと触れ合っていたいと思ったこと。よって明日からあなたには涼宮ハルヒと積極的に触れ合ってもらう。手を握る、頭をなでる、抱きしめる、キスをする、これら身体的接触をを涼宮ハルヒ本体に与えることが必要となる。私たちが状況を作るので、あなたはそのチャンスを見計らって行動してほしい。さらに(ry
キョン(読んだはいいものの、ほとんどマニュアルとしては役に立たないなこれ)
古泉「どうでした?」
キョン「おい、いったいどうしろと」
古泉「おやおや、これでも分かりませんか。要は、明日からあなたと涼宮さんがイチャイチャすればいいのです」
キョン「おい、ちょっと表出ろ」
51 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:11:28.46 xguwB0Vu0 27/102
古泉「御勘弁願います。事実、それしか解決方法がないんですよ」
キョン「Oh!なんてこった…」
古泉「まあまあ、そう言わずに。おや?」
ミニハルヒ「みー♥」ヨジヨジ
キョン「またこいつは、今度は頭の上かよ」
ミニハルヒ「うー♪」
キョン「あれ、そういえば朝比奈さんは?」
みくる「う~ん」
キョン(衣装をはだけさせて気絶している。なんと壮観な眺め)ツー
長門「鼻血」
キョン「おわ、いや、これは決してやましいことを考えていたわけではなくてだな、痛てっ」
ミニハルヒ「ぶー」グイグイ
キョン「いてて、だから髪を引っ張るなって」
52 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:14:49.50 xguwB0Vu0 28/102
キョン「ともかくだ、明日にならんと動けんということだな?」
古泉「ええ、頑張ってください。陰ながら応援させていただきますよ」
キョン「頼んだぞ、さっさとこんな状況を終わらせたいんだ。じゃあ、もう俺は帰らせてもらうぞ。
それと、朝比奈さんはどうするんだ?」
古泉「後で機関の者に送らせましょう」
キョン「わかった。それと長門、こいつの世話はだれがすることになってるんだ?いくら俺でも
風呂や着替えはどうにもならんぞ」
長門「あなたの妹」
キョン「そうか。じゃあまたな」
古泉「ではまた」
長門「また」
55 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:18:11.67 xguwB0Vu0 29/102
ーキョン宅ー
キョン「さて、もう寝るとするか。」
ミニハルヒ「にゃー」
キョン「ん?シャミセンがどうかしたか?」
シャミセン「そんなに小さな娘を連れ込むとは、我が主の人格が疑われる」
キョン「……」
シャミセン「どうした」
キョン「またか…」
シャミセン「なかなかどうして事態を受け入れることができたようでなによりだ」
キョン(そうか、このミニハルヒがあいつの能力そのものなら周りに影響が出てもおかしくはないんだった)
キョン「いいか、妹の前でしゃべるんじゃないぞ」
シャミセン「もとより、そのつもりだ。しかし、妹殿にはもう少し私に優しく接してもらいたいものだ」
キョン「伝えておくよ。もう俺は疲れた、寝る」
56 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:21:02.41 xguwB0Vu0 30/102
ミニハルヒ「いー」
キョン「今度はなんだ?」
ミニハルヒ「ちゅー」
ちゅっ
キョン「!?」
ミニハルヒ「みー♥」
ミニハルヒ「みー♪」
57 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:24:02.98 xguwB0Vu0 31/102
妹「キョンくーん、朝だよー」ダーイブ
キョン「うぐっ、妹よもう少し優しく起こしてはくれんか」
妹「テヘッ☆」
キョン「まったく、ほら、下にいってなさい」
妹「はーい」
キョン「やれやれ。そういやあいつは…」
ミニハルヒ「みぅ~」スヤスヤ
キョン(これは反則だろ……。とりあえず写真とっとこ)
パシャ! パシャ!
キョン「いかん、こんなことしてる場合じゃなかった。おい、起きろハルヒ」ツンツン
ミニハルヒ「み゛~」
キョン「おい、起きろって」 ツンツン
ミニハルヒ「み゛~~~」
妹「キョンくーん、遅刻するよー」
キョン「まずい、写真とるのに時間かけすぎたか。だがどうする、このままだと遅刻しちまう」
58 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:27:05.79 xguwB0Vu0 32/102
ー教室ー
ガラッ
ハルヒ「相変わらずだらしのない顔ね」
キョン「余計なお世話だ」
ハルヒ「まあいいわ。ところで昨日の小っこいのはどこにいるのよ」
キョン「ああ、それならここだ」
ミニハルヒ「にゅー」スヤスヤ
キョン「どうしたんだ、急に黙りこくって?」
ハルヒ「べ、別に何とも思ってなんかないわよ!」
キョン(ここはひとつ試してみるか…)
「おい、どうした、熱でもあるのか?」ピト
59 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:30:28.46 xguwB0Vu0 33/102
ハルヒ「な、な、なにしてんのよ!」バキッ!
キョン「痛っ、何も殴ることはないだろうが!」
ハルヒ「う、うるさい! 急におでこくっつけてくるなんて何考えてんのよ、このエロキョン!」///
キョン「人が心配してやってんのにそんな言い方はないだろ!」
(おいおい、くそ恥ずかしかったかったうえに触れたら殴られたぞ。この先本当に何とかなるのかよ…)
ハルヒ「う、うるさい! もう知らない!」
キョン「やれやれ」
60 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:33:20.40 xguwB0Vu0 34/102
ー授業中ー
ハルヒ(まったく、朝からなんなのよもうっ! …でも、悪い気はしなかったわね)
ハルヒ(もしあのままいつかの夢のようにキスなんて…)ニヘラ
ハルヒ(はっ! いけない、あたしったら何考えてるのかしら)
ハルヒ(あ゛ーーもう、ほんとになんなのよ!)
62 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:37:52.96 xguwB0Vu0 35/102
キョン(さて、あれからハルヒは黙ったままだ…。授業中にシャーペンで背中を刺されないのはありがたいがな)
キョン(しかし長門よ、早くも手詰まりだぞ。どうしろってんだ)
キョン(ん? メール?)
From 長門:昼休み、部室に
もぞもぞ
ミニハルヒ「みー♥」
キョン「お、起きたか。しかし今は授業中だ、頼むから騒がないでくれよ」
ミニハルヒ「み」
63 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:41:03.12 xguwB0Vu0 36/102
ーーーーーー5分後ーーーーーーー
ミニハルヒ「あーぐー」
かじかじ
キョン「あ、こら、消しゴムをかじるんじゃありません」
ミニハルヒ「むー……」
キョン「拗ねるんじゃない」
64 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:43:27.29 xguwB0Vu0 37/102
ーーーーーーさらに五分後ーーーーーー
ミニハルヒ「みっ!」
キョン「痛っ! こら、人をシャーペンで刺すんじゃありません」
ミニハルヒ「むー……」
キョン「ボールペンでもだめだ」
65 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 00:46:46.91 xguwB0Vu0 38/102
ーーーーーーさらにさらに五分後ーーーーーー
ミニハルヒ「みー、みー」
キョン「今度はどうしたんだ?」
ミニハルヒ「みー」グー
キョン「腹が減ったのか、そういえば朝飯がまだだったな…。授業が終わるまであと少し我慢するんだ」
ミニハルヒ「みゅー」ショボン
キョン(この表情、たまらん…)
67 : >>61ここまでです - 2010/01/27(水) 00:49:42.46 xguwB0Vu0 39/102
ー昼休みー
キョン「はい、あーん」
ミニハルヒ「あー」モグモグ
キョン「うまいか?」
ミニハルヒ「うー♪」
キョン「そりゃよかった。ほら、もう一口、あーん」
ハルヒ「あんたなにやってんの?」
キョン「見ての通り、こいつに飯を食わせてるんだ」
ハルヒ「……」じー
キョン「あーん」
ミニハルヒ「あー」
ハルヒ(なによ、あいつばっかり…)
140 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 20:52:36.89 xguwB0Vu0 40/102
キョン(もう一度試してみるか…)
「ハルヒ、お前も食うか? ほら、あーん」
ハルヒ「はぇ、な、何!?」
キョン「なんだ、いらないのか?」
ハルヒ「ぃ、いらないなんて言ってないでしょう!どうしてもっていうんなら食べてあげるわよ」
キョン「いや別にどうしてもってほどじゃ」
ハルヒ「うるさい!さっさと食べさせてくれたらいいの!ほらっ!」
キョン「あ、ああわかったよ。ほら、あーん」
ハルヒ「あ、あーん」///
谷口「なあ、国木田」
国木田「なんだい?」
谷口「この釈然としない怒りをどこにぶつければいいと思う」
国木田「ひがんでる男ってみっともないよ、谷口。でもまあ、わからなくもないかな」
谷口「ちくしょーー!なんであいつばっかりなんだ!」
142 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 20:55:32.64 xguwB0Vu0 41/102
ー部室ー
ガチャ
キョン「すまんな、ちょっとこいつに飯を食わせてたら遅くなった」
ミニハルヒ「にー♥」
古泉「どうやら我々の手助けは必要ないようですね」
キョン「は?何を言ってるんだ」
古泉「『ほら、あーん』ですか、なかなかやりますね」ニヤニヤ
キョン「ぐ…、どうしてそのことを…」
長門「私の役目は観測だから」キリッ
古泉「というわけです、なかなか楽しませていただきましたよ」ニヤニヤ
キョン「ははっ、こやつめ」
145 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 21:02:05.81 xguwB0Vu0 42/102
古泉「痛いです…」ズキズキ
長門「なに?」
キョン「プライバシーの権利ってしってるか?」
長門「私の前ではなんの意味もなさない」フフン
キョン「はぁ、もういい。なるべく控えてくれ」
長門「善処する」
キョン「ん?そういえば朝比奈さんはどうした?」
長門「もうすぐ到着する」
キョン「そうか」
ガチャ
みくる「あ、あのぉ~、遅くなってすみません」
147 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 21:07:55.76 xguwB0Vu0 43/102
キョン「いえ、かまいませんよ。それよりどうしたんですか?」
みくる「それが、涼宮さんに食堂に連れて行かれて…」
キョン「もしや何かされたとか!」
みくる「い、いえ、そうじゃないんです。あ、え~と、そのぉ、涼宮さんからキョン君のことを聞かされてたんですぅ」
キョン「俺の?どうせまた悪口とかなんでしょう?」
みくる「い、いえ、違うんです。あの、さっきキョン君に『あーん』ってされたってことを…」
キョン「ぐはぁ!」
みくる「でも、でもその時の涼宮さんすっごく嬉しそうな笑顔でとっても可愛かったんですぅ!」
古泉「おやおや、これはこれは」
長門「順調」
みくる「ほかにも、今朝、キョン君が涼宮さんのことを心配してくれたって言った後、急に赤くなったりして」
キョン「す、ストップです、朝比奈さん。もうよくわかりました」
148 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 21:12:17.90 xguwB0Vu0 44/102
古泉「いやー、この分だと意外に早く片が付きそうですね」ニヤニヤ
長門「同意」
みくる「そういえばミニ涼宮さんはどこにいったんですか?」
キョン「ああ、それならここに」
ミニハルヒ「みゅー」スピー
みくる「ふぇぇ、キョン君の胸ポケットの中で眠ってます」
キョン「さっき昼飯を食ったらすぐにねむってしまって」
みくる「か、可愛いですぅ」
キョン「そうなんですよ!今朝もこの寝顔撮ってたら遅刻しそうに…」
古 み 長「…」
キョン「…」
153 : 以下、名... - 2010/01/27(水) 21:17:27.10 xguwB0Vu0 45/102
キョン「とにかくだ、これからのことを話し合おう!」
みくる(あいかわらず強引です)
長門「その前に」
長門「あなたのこと。現在のあなたは涼宮ハルヒ、およびミニハルヒに対する接し方について改変がなされている」
キョン「なんだと?」
長門「簡単にいえば、両名に対して素直な行動をとりやすくなっている。昨日からの失言はこのため。
これは普段のあなたならば絶対にとりえない今朝、および先ほどの行動からもうかがえる。」
古泉「つまり彼の失言や涼宮さん、ミニ涼宮さんに対する行動は、彼の本心ということですね」
長門「そう」
みくる「ふぇぇ」///
154 : ラストの部分がな、ラストの部分がな、なぜか知らんが消えてもうてるんじゃー! - 2010/01/27(水) 21:24:07.81 xguwB0Vu0 46/102
キョン「先立つ不孝をお許しください」ダッ
古泉「ちょっと、何やってるんですか!」ガシッ
キョン「どけ古泉!俺はこの世界にお別れをするんだ!」
古泉「早まらないでください!それに部室の窓から飛び降りたって死ねません!」
キョン「うるさい!お前に今のおれの気持ちがわかってたまるか!」
みくる「はわわ」アタフタ
長門「ユニーク…」
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